松原星(商2=武蔵野学院)――今大会の演技を振り返っていかがですか。 「SP(ショートプログラム)ではジャンプはノーミスでしたが、ステップで取りたかったレベル4が取れなかったり、スピードも全然出ていなかったりで、点数が伸びなかったことが悔し…

松原星(商2=武蔵野学院)

――今大会の演技を振り返っていかがですか。

 「SP(ショートプログラム)ではジャンプはノーミスでしたが、ステップで取りたかったレベル4が取れなかったり、スピードも全然出ていなかったりで、点数が伸びなかったことが悔しいです。自分ではやり切ったつもりだったのですが、あとでビデオを見返してみると抑揚やスピードが本当に足りていなくて『あれ?つまらない』と感じました。FS(フリースケーティング)は、とにかく体力がなくて、最後はヘロヘロでした。3回転3回転を全然決められなくて、そのあとのアクセルも転びかけてしまいました。やっぱり最後に立て直してこそ私の見せどころだと思っているので、そこが次回に向けての課題です」

――どんな思いで試合に挑まれましたか。

 「今シーズン初めての試合がブロックで、試合自体もかなり久しぶりだったというのもあって、いつもは緊張するんですけど、今回はむしろ試合が楽しみになっていました。実際に滑ってみて『あ、この感じだ』という感覚になりました。でも練習でできていたことが本番でできるとは限らないし、やっぱり試合は緊張しましたね。練習でできないことは本番でもできないと思いながら挑みました」

――今大会は新型コロナウイルスの影響で無観客での演技となりましたが、これまでと何か違った点はございましたか。

 「やっぱり声援がないというのは本当に寂しかったです。失敗しても成功してもシーンっていう(笑)転んだり失敗したりしたときに『頑張れ』の一声があると、気持ちを切り替えやすいんです。全部それのせいにしてしまうのは良くないのですが、やっぱり声援の力は大きいんだなと改めて感じました」

 

――無観客試合と聞いたときはどう思いましたか。

 「選考会では、基本的に連盟の方たちしかいないので無観客に似た状況で演技をしたことは何回もあります。なので『歓声が全くない、どうしよう』と不安になることはなかったです」

――今シーズンは、昨シーズンまでとは何か変化はございましたか。

 「今回、初めて振り付けを宮本先生にお願いしました。踊れないのは分かっていたことなのですが『背筋が曲がっている』とか『その動き違うでしょ』とか言われて、気付かされることが多く刺激的でした。先生の振り付けの仕方から学んだことが多かったです。せっかくいつもと違う先生に振り付けてもらったのに『いつもと同じじゃないか』『そんなに変わってないでしょ』と言われないようにしなきゃと思って練習していました。でもFS本番は、それどころじゃないくらいジャンプに集中しすぎてしまいました。集中しすぎたのに飛べなかったし、振り付けもちゃんとやり切れなくておろそかになってしまったなという反省があります」

――体力が戻っているか心配されていましたが、いかがですか。

 「昨シーズンからケガした状態でやっていて、このコロナ期間中もほとんど追い込んだ練習というものができていませんでした。体力という面でもそこまで追い込むことができなかった分、ブランクは大きかったし、そう簡単には戻らなかったです。走ったり、何度も曲をかけたりもしたんですけど、やっぱりそれでもブロックに間に合わなかったので、次までにもっともっと工夫が必要だなと思いました。今は練習で曲をかけ終わったあとにすぐにダッシュして、そのあとまたすぐに失敗したジャンプを飛び直すというトレーニングをやっています」

――東日本選手権までにどのような取り組みをされますか。

 「とにかく体力を少しでもつけられるようにすることです。振り付けはやればやるほど慣れてくるし、そんなに緊張で変わるものではないので、とにかく練習することです。ジャンプでももちろん失敗しないように、しっかりと取り組んでいけるようにしたいと思っています。SPもFSもベストな演技ができるように頑張ります」

――ありがとうございました。

[西脇璃緒]