10月3日、秋季関東大学リーグ戦の代替大会が開かれ、早大は駒澤大にセットカウント3-0で勝利し好スタートを切った。これからチームの集大成となる全日本大学選手権(全日本インカレ)に向け、試合を重ねていくはずだった――。新型コロナウイルスの感…

 10月3日、秋季関東大学リーグ戦の代替大会が開かれ、早大は駒澤大にセットカウント3-0で勝利し好スタートを切った。これからチームの集大成となる全日本大学選手権(全日本インカレ)に向け、試合を重ねていくはずだった――。新型コロナウイルスの感染対策に十分留意し行われたものの、早大が所属する男子1部の所属チームで集団感染が発生。男子1部のリーグ戦のみ中止を余儀なくされた。残された試合はオープン戦という形で10月24日から開催される。全日本インカレに照準を合わせてレベルアップを図るべく、早大はオープン戦と並行して練習試合も行う。きょうは青学大との練習試合を行い、セットカウント3-0(25-15、25-17、25-15)でストレート勝利を収めた。

 1セット目はミドルブロッカーの村山豪副将(スポ4=東京・駿台学園)に代わり、秋間直人(スポ2=愛知・桜台)がスタメン入り。「秋間が良くなっている」と松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)が話すように、チームメイトからも練習自粛期間で一番成長したと一目置かれている。全体的なプレーの向上のため、主にウェイトトレーニングに力を入れていた。スパイクの力強さが増しその成果が得点となって表れた。秋間のクイックのほかにも、大塚達宣(スポ2=京都・洛南)、水町泰杜(スポ1=熊本・鎮西)の両アウトサイドヒッターのスパイクでポイントを重ね、徐々に相手を引き離す。22-15の場面では荒尾怜音(スポ1=熊本・鎮西)が強烈なストレートスパイクに対しスーパーレシーブを見せる。セットされた球を大塚が相手コートに叩き込んだ。その後、上條レイモンド(スポ3=千葉・習志野)のブロックと宮浦健人主将(スポ4=熊本・鎮西)のスパイクで得点しこのセットを25-15で締めた。


ミドルブロッカーの秋間は今年初スタメンとなった

 2セット目からは秋間に代わり村山がスタメンに。1セット目と同様、序盤から早大優位の展開となる。これに相手も15-9の場面で2回目のタイムアウトを使い切った。その後相手のスパイクミスや宮浦のスパイク、水町のサービスエースでさらに点差を広げる。20点台に乗ってからは、ブレイクされる場面が見られたが何とか逃げ切り25-17で終えた。3セット目も13-8と早めの段階で2回目のタイムアウトを取らせる。その後両者サイドアウトを取り合うも、宮浦のスパイクで均衡を破る。最後は途中出場の仲濱陽介(スポ3=愛知・星城)のブロックポイントで25-15とし、危なげなく勝利を飾った。


水町は威力のあるスパイクやバックアタックで得点を量産した

 「今シーズン初めて対戦する相手だったが、試合を重ねるにつれ対応できるようになった」と宮浦主将。なかなか試合ができない中で全日本インカレに臨まなければならないからこそ、こうした対応力は必要とされる。きょうは実りのある試合だったと話す一方で「代替大会は今年初めての試合でモチベーションにしていたので、なくなってすごく落ち込みました」と肩を落とした。特に4年生のショックは大きい。自分たちが主導するチームでやっと公式戦ができると楽しみにしていたが、わずか1試合しかできなかった。大学最後の年なのにーー。誰のせいにもできないからこそ、ただただ悔しさが募る。だが全日本インカレまでに残されている時間は少ない。試合ができない悔しさや、このチームで戦いたいという強い想いを糧にリスタートを切れるか。今が正念場だ。

(記事、写真 西山綾乃)

 

 

セットカウント
早大25-15
25-17
25-15
青学大
スタメン
レフト 大塚達宣(スポ2=京都・洛南)
レフト 水町泰杜(スポ1=熊本・鎮西)
センター 秋間直人(スポ2=愛知・桜台)
センター 上條レイモンド(スポ3=千葉・習志野)
ライト 宮浦健人(スポ4=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ4=大坂・大塚)
リベロ 荒尾怜音(スポ1=熊本・鎮西)


コメント

松井泰二監督(平3人卒=千葉・八千代)

――大会中止以降のチーム、特に4年生の雰囲気はいかがですか

代替大会もなくなってしまって落胆の気持ちはあると思いますが,インカレもなくなる可能性はゼロではないので。我々がやることはこの仲間と練習を一生懸命やって、最終的にその仲間から何かをもらったり与えたりということをして成長するということが大事だと思います。万が一なくなってしまったときでも、そういう財産が残るような一日を過ごそうという話はしています。

――きょうの試合の話に移りますが、1セット目に秋間選手をスタメンとして起用されました

秋間が良くなっているので。青学大は小さいチームなのですが、どのくらいできるのかなと試してみたかったというのもありました。

――1セット目のローテーションなのですが、前回の試合から変えられました

戦術的なものですね。詳しくは言えませんね、大会前なので(笑)ローテーションの回し方で微妙に変わってくるんですよ。言うなら、インカレに向けての課題がチームとして残っている部分があるので、それを解決しようと思って違うローテーションにしました。

――課題というのは何ですか

やはりレセプション(※1)からの攻撃の安定感ですね。そこがまだまだないローテーションがあるのでそれで変えたりしました。

――前回の試合の2セットは相手に流れが傾き接戦となりましたが、きょうは安定感のある試合になりました

前回駒澤大学さんとしあいしたときに2セット目気が緩んだとは言えませんが、接戦になってしまうこともあると。試合後に選手に聞いても反省しないといけないセットだったということがわかって、3セット目は点差をつけて勝てたので。それが自分たちの中で教訓として生かされていたのだなと思います。

――今のチームに期待することについて教えてください

四年生は残されている時間が少ないので、四年間やってきたことを総まとめとして、一つ一つ丁寧にして想いをボールにぶつけてやり切ったと思える練習を毎日してほしいと思います。

宮浦健人主将(スポ4=熊本・鎮西)

――秋季関東大学リーグ戦代替大会がなくなって率直にどう思いましたか

最終目標は全日本インカレ(全日本大学選手権、以下全カレ)なのですが、代替大会は今年初めての試合でモチベーションにしていたので。なくなってすごく落ち込みました。

――気持ちの切り替えはいかがでしょうか

四年生の中でも切り替えにばらつきがあります。落ち込んでいる選手もいますね。

――宮浦主将自身は

試合がないのはきついです。やっぱりこの前の駒澤大との試合が楽しかったので。しんどいですが、全カレが最終目標なのでそこに向かって頑張るしかないと思っています。そういう意味では気持ちの切り替えはできているかなと思います。

――きょうの青学大戦はいかがでしたか

今シーズンで初めて当たるチームでそこにうまく対応しようということで。試合が進むにつれて対応できるようになったと思います。試合がない中で全カレに臨まなければならないので、そういう対応力は求められます。なのできょうはすごくいい練習試合だったなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

自分は教育実習で抜けてしまいますが、あくまで最終目標は全カレなので、そこに向けて個々人が成長して組織として強くなればいいかなと思います。

秋間直人(スポ2=愛知・桜台)

――今年初スタメンとなりましたが緊張しましたか

緊張はしましたね。でもいつも通りのプレーを心がけてしました。

――いつも通りのプレーはできましたか

先輩方が自分をうまくサポートしてくれて前向きな気持ちでプレーに臨むことができました。

――スタッフの方々から、全体練習ができない期間で秋間選手がチームの中で一番成長したと伺いました。秋はその練習の成果が出たのでしょうか

スパイクの力はついたかなと思います。あと大会がなくなったというのを自分はプラスに捉えて。先輩方との差を埋めるチャンスだなと思ったので、自主トレは頑張りました。

――どんなところに力を入れましたか

細かい部分の技術の向上はしにくいかなと思ったので、根本的な体づくりというかプレーそのものを全体的にアップさせようと頑張りました。なので主にウェイトトレーニングに力を入れてきました。

――きょうの試合で自分のプレーを振り返っていかがですか

前半はやはり硬さがあったかなと思うので、次に出させてもらう機会があれば落ち着いてプレーすることを心がけたいです。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

自分はどの場面で使われるか分かりませんが、もし出たらしっかり活躍できるように前もって最善の準備をしていきたいと思います。

水町泰杜(スポ1=熊本・鎮西)

――代替大会がなくなり率直にどう思いましたか

初の公式戦を楽しみにしていたのになくなってしまって。あと4年生と試合ができる回数が減ってしまって残念な気持ちです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

今週から健人さん(宮浦主将、スポ4=熊本・鎮西)と 駿介さん(中村、スポ4=大坂・大塚) が教育実習に行ってしまうので、全カレまでに全員が揃って試合ができるのは今回が最後でした。なのでいいゲームができるよう頑張りました。

――スパイクも多く決められてサービスエースも2本決められましたが、調子はいかがですか

悪くはなかったと思います。

――高校と大学の試合を比べていかがですか

ディグ力(※2)も上がって高さもついてくるので、自分が点数を取れる方法を引き出しとして増やしていかないといけないなと思います。

――大学生のスパイクやサーブはいかがですか

スピードも出るし重さもあるし、高校生より一段階も二段階もレベルが上がっていると実感します。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

次の試合もしっかり声を出してチームを盛り上げていきたいと思います。

(※1)レセプション…サーブレシーブ
(※2)ディグ…スパイクレシーブ