エディー・ジョーンズはやはり名将だ。イングランド代表が1年前、ラグビーワールドカップ開催国ながら史上初めてプールステージで敗退し、国民を失望させたチームだったことが嘘のような快進撃である。新しい指揮官を信頼し、飽くなき成長を続ける選手たち…

 エディー・ジョーンズはやはり名将だ。イングランド代表が1年前、ラグビーワールドカップ開催国ながら史上初めてプールステージで敗退し、国民を失望させたチームだったことが嘘のような快進撃である。新しい指揮官を信頼し、飽くなき成長を続ける選手たちもアッパレ! ビッグターゲットは約1000日後の2019年ワールドカップ日本大会だが、エディー体制となって1年目は、なんとテストマッチ13戦全勝というパーフェクトイヤーになった。
 世界ランキング1位・ニュージーランド代表“オールブラックス”との対戦こそ今年はなかったが、欧州6か国対抗戦(シックスネーションズ)でグランドスラムを達成し、南半球ビッグ4のうちの3強(オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチン)を倒しての快挙である。今年6月、敵地に乗り込んで当時世界ランク2位だったオーストラリアに3連勝し、12月3日にはリベンジに燃える同チームをホームに迎え、37-21で返り討ちにした。

 2015年ワールドカップのプール最終戦でウルグアイに勝ったのを含めて、これで14連勝。2002年3月から2003年8月にかけて樹立したイングランド代表史上最長連勝記録に並び、記録更新と、オールブラックスが打ち立てた18連勝の大記録を塗り替える可能性も出てきた。

 12月3日にトゥイッケナムでおこなわれたオーストラリア戦。
 先制トライを許し前半を13-16で折り返したが、後半早々、敵陣深くに入り、CTBジョナサン・ジョセフが絶妙のキックでインゴーに転がしたボールをWTBマーランド・ヤードが先に押さえ、逆転した。
 50分(後半10分)には敵陣22メートルライン内でPKをもらうと、SHベン・ヤングズがタップからすぐに仕掛けてゴールに持ち込み、リードを広げた。
 PGでも加点し、30-16で迎えた65分、オーストラリアのFBイズラエル・フォラウにブレイクスルーされ、すばやいリサイクルから、PRセコペ・ケプの力強い走りで点差を詰められたが、終盤にオーストラリアがイエローカードをもらって数的有利となり、CTBジョセフのインターセプトトライで勝負を決めた。

 来年2月4日にはシックスネーションズが開幕。もし、この大会でイングランドが全勝すれば、オールブラックスの記録を更新する。