東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、パラスポーツ屈指の人気を誇る3つのチームスポーツをピックアップしつつ、それぞれの観戦がさらに楽しみ…

東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、パラスポーツ屈指の人気を誇る3つのチームスポーツをピックアップしつつ、それぞれの観戦がさらに楽しみになるポイントを解説!

東京パラリンピックの1年延期は、この夏を人生最大の目標にしてきた選手たちの心情を思うと適切な言葉が見つからないほど残念だけれど、我々としては来年の本大会までの期間を“競技や選手をもっと深く知るための1年”ととらえ、応援の機運を高めていきたいところ。そこで今月は、世界的にも人気が高い3つのチーム競技にあらためてフォーカス。

まずは競技用車いすを使う、バスケットコートで行う、選手ごとに障がいの度合いを示すポイントがあってそのチーム合計点に上限がある、といったように共通点の多い「車いすバスケットボール」と「車いすラグビー」だ。



WHEELCHAIR BASKETBALL
車いすバスケットボール

1940年代にアメリカで考案され、1960年のローマパラリンピックから行われている歴史ある人気競技。選手たちが車いすに乗る以外は、コートの広さ、ゴールの高さ、試合時間などルールが一般のバスケと変わらないのでパラスポーツ観戦初心者でも入り込みやすい。車いすラグビーと同じく障がいの度合いによって選手個々がクラス分けされ、コート上の5人の合計ポイントが14点に設定されている。
(Photo:Sho Tamura/Aflo Sports)

車いすバスケの一番の魅力は、通常のバスケと同じルール下で試合が行われるがゆえのスピード感と“わかりやすさ”。各ポジションが非常に明確なので選手の個性がつかみやすく、バスケ特有の攻守の切り替えの速さがそのまま求められるため、選手たちのテクニカルな“車いす操作”にも驚かされる。


WHEELCHAIR RUGBY
車いすラグビー

四肢麻痺者に向けて1977年にカナダで発祥。以来、欧米を中心に広く普及して2000年のシドニーパラリンピックから正式競技に。試合は1チーム4人で8分のピリオドを4回繰り返し、バスケコートで行われる。激しいタックルが可能、男女混合、障がいの度合いによる選手個々の「持ち点」合計を1チーム8点以内で構成、などといった点を事前知識として押さえておきたい。
(Photo:SportsPressJP/Aflo)

車いすラグビーも迫力という点で“本家”に負けていない。装甲車のようないでたちの車いすが全力でぶつかり合う激しさから昔は“マーダーボール(殺人球技)”と呼ばれていたほど。それでいて男女混合であることも面白いし、運動能力の高い“ハイポインター”がトライするために障がいの重い“ローポインター”が進路をつくる、といったチームプレーも一見の価値あり。



SITTING VOLLEYBALL
シッティングバレーボール

その名のとおり座った体勢、正確には床に臀部の一部が常に接触したまま行うこの競技の起源は1956年。戦争で傷ついた人々のリハビリを目的にオランダで考案された。パラリンピックでは男子が1980年、女子が2004年から正式種目に。1チーム6人、そして1セット25点先取(最終第5セットは15点)のラリーポイント制と、ゲームルールは通常のバレーボールとほぼ同じだ。
(Photo:SportsPressJP/Aflo)

そして「シッティングバレーボール」。こちらも一般のバレーボールに近い感覚で観られるルールが魅力だが、拾う、つなぐ、打つというバレー特有の連続プレーを“座ったまま”行うため、ときに驚くほどのアクロバティックなプレーが生まれる。

そんな“三者三様”の魅力を、ここからじっくり掘り下げてもらいたい!