対談第3回は、内山由綺(スポ4=東京・帝京)選手です。自粛期間を通して、体操の魅力を広めようと活動されてきた内山選手。いよいよ始まる大会に向けて、現在の心境や調子を伺いました。 ※この取材は10月6日に行われたものです。「自分自身の演技を…

 対談第3回は、内山由綺(スポ4=東京・帝京)選手です。自粛期間を通して、体操の魅力を広めようと活動されてきた内山選手。いよいよ始まる大会に向けて、現在の心境や調子を伺いました。

※この取材は10月6日に行われたものです。

「自分自身の演技を1番自分が好きでありたい」

同期の女子部員との一枚

――最近のコンディションはいかがですか

内山 調子は悪くないんですけどコンスタントに練習できているって感じではまだないです。

――やっぱりコロナで制限がかかっている感じなのでしょうか

内山 いえ、部活の方は大丈夫なんですけど、家の方でちょっとバタバタしていて。10月、インカレまではとりあえず持ち堪えられればという感じです。

――例年はこの時期あまり追い込まないと思いますが

内山 そうですね、やってる内容は違うんですけど、例年はこの時期はあまり追い込まないですね。でも冬にかけて多少試合があるのでそこに向けてやっているときもあります。

――スケジュールが大きく変わった点もありますが、それもふまえて今後についてどういう風に考えていますか

内山 スケジュールの変化についてはみんな平等なので、とりあえずそこに合わせていってという感じです。12月に個人総合と種目別がまとめてあるので。

――では今はインカレもあるけど、その先も見据えつつ練習しているということなのでしょうか

内山 そうですね、インカレもあるんですけど、どちらかというとそっちの方がメインです。

――新型コロナウイルスの影響で練習できない期間もあったと思いますが、前後で自身の身体に何か変化はありましたか

内山 トレーニングしかしてなかったので、すごいムキムキになりました(笑)。でも最近落ちてきて戻ってきた感じです。

――身長が伸びたかもという話もありましたが

内山 身長絶対伸びました!段違い平行棒をやるときにこんなにバーの間狭かったっけみたいなのはありましたね。

――もともと体操の女子の中では身長が高い方ですよね

内山 そうですね、162くらいはあります。足がめっちゃ当たってしまって、大変ですね(笑)。

――練習が再開してから何か今までと状況が変わった点はありますか

内山 オンライン授業になったので自分が思っているよりも時間をとれて練習しているという感じです。

――単位はまだいくつか残っていらっしゃるんですか

内山 あと2つ取ればっていう感じです。なので落とさなければ(笑)。

――卒論については何をテーマにする予定ですか

内山 体操競技の技について動作解析というような感じのことをします。

――自分の演技を実際に使ったりもするんでしょうか

内山 そうですね、自分がやってるのを差し込んでもいいかなと思っていますがまだ何もできていないので(笑)。

――練習自体は今どんなことを中心な取り組んでいますか

内山 今はやっぱり試合に向けた通し練習をしています。

――課題としてはどんなことがあげられますか

内山 全体的にDスコアも上げつつ、やっぱりEスコアが厳しくなってきているので、そこを結構重点的にやってるという感じです。

――構成などは昨年から変えたりしましたか

内山 段違い平行棒だけちょっと上げました。ゆかも変えたいなという風には思っているんですけど、インカレはまだ去年のままでいこうかなと。

――段違い平行棒に関して、この技は難しかったり成功率が低いから注目してほしいなどというポイントありますか

内山 私の構成自体ちょっと他の選手と違うので、最初こうつなげるのが多いのでそこが結構自分的には不安はないんですけど、見どころっていう感じなんですかね。

――他の種目に関しては特に弄らずにブラッシュアップをしている感じなのでしょうか

内山 そうですね。

――今季テーマにしてることや、自分の中でこうしていけたら良いなと考えていることはありますか

内山 自分の中でテーマにしてることとしては、自分自身の演技を1番自分が好きでありたいっていうことが今取り組んでいることです。自分にとって完璧な演技であるっていう状態にすることがテーマですかね。

「競技人口がそのスポーツ界を強くすると思うので、そういう部分でも貢献できたら」

――コロナ禍のことを改めてお聞きします。かなり色んなことをやって発信しているような印象がありましたが、何かきっかけなどはありましたか

内山 97年会みたいな、種目を超えてスポーツ選手が交流してるグループみたいなのがあって、そこにもともと普通に飲み仲間とか友達みたいな感じだったんですけど、そのグループLINEで「SNSって結構大事じゃない?」という話になって、そういうのもあったから、体操って結構パフォーマンス的には面白いと思ったのでやってみても良いかなと思ったのと、友達に結構大丈夫?って聞かれることが多かったのでそれで大丈夫って見れば分かるようにという意味でも発信していました。

――97会の「今日だけで腹筋を割ろう」など合同での企画、配信も面白かったですが、どなたかの提案で始めたのでしょうか

内山 途中からそういう活動が多くなって、何かやりましょうということにもなったので、そういうのができたって感じですかね。ZOOMでみんなで集まって話すということも頻繁にあったので。

――トレーニングの動画もかなり難しそうなものをたくさん上げていましたが、家ではどんな風に運動していましたが

内山 動画のようなものと、姉がダンサーなのでちょっとレッスンしてもらったりとか。そういう感じです。

――自宅の庭なんかも使っていましたよね

内山 そうですね、改造しました(笑)。

――外の方が広くて良いと?

内山 家の中でバク転をやったら床抜けちゃうかなと思って。

――Twitter上での武井壮さんとのやり取りも印象的でした

内山 最初はできるやつやってみろみたいな投稿があって、その中に体操選手しかできないだろって思ったやつがあって、でまあやってみたら反応が返ってきてまあ対決、みたいな。

――そのような中で内山さんが1番面白かったことや印象に残っている出来事はなんですか

内山 面白かったという部分では、外には出られなかったんですけど色んな人とSNS上でつながったりだとか、反響があると思わなかったので。あとは一般の人に体操って面白いんだなって思ってもらえるのにどうしてこんなに競技人口が少ないんだろうというのは感じましたね。

――今後時間ができたらこういうこともやってみたいなというようなアイデアがあれば是非教えてください

内山 今後やろうとかやらないとか特にないんですけど、こうなったら良いなと思うのは体操をやりたいって思うきっかけになる人っていると思うんですけど、そういうときに目に触れるところが多かったりだとか女子の憧れる部分ってなんだろうって思ったときに、ファッション関係とか美しい体操選手でありたいっていうのが、田中理恵さんとか結構そういう感じでやっているので、まあ私結構顔はそんなに自信ないし可愛いとかそういう感じではないんですけど、体型とかスタイルは、体操選手の中では良いつもりなので、そういうファッション関係で見つけてもらって体操を始めるきっかけになるような選手になりたいという風に思っています。

――新体操の畠山愛理さんはモデルさんのような活動を広くなされていますよね

内山 そうですねよね、そういうきっかけで新体操を始めたいって思う子もいると思うので、あいりちゃんみたいに新体操で強くなってモデルみたいな仕事がしたいっていう子もいても良いというか、そういうことがきっかけでやっぱり競技人口がそのスポーツ界を強くすると思うので、そういう部分でも貢献できたら良いなとは思っています。

――自粛期間には料理をかなりしている印象もありましたが、アスリートとしての身体づくりが目的なんでしょうか。もしくは趣味という感じですか

内山 作りたい、この材料がある、作ろうみたいな。

――ホテルで出てくるような綺麗なオムレツもかなり作ってましたよね

内山 オムレツめっちゃ作ってました。卵3つ使って、YouTubeとかでめっちゃ調べて、いろんな人からコメントとかもらって、上手くできるようになりました(笑)。

――私がやってもとてもじゃないけど絶対焦がしてしまうなと思って拝見してました

内山 すごい練習しました。

――今はあまりSNSで発信はしてないですが、料理はしてないんでしょうか

内山 今実家で朝ご飯担当なので朝ご飯は作ってます。

――最後のインカレを控えて今率直にどういう気持ちですか

内山 最後のインカレということで意外と落ち着いていて、とりあえず悔いのないって言えるような試合が早くしたいという感じですね。

――久しぶりの試合で不安と楽しみどちらの気持ちもあると思うのですが、どちらの方が大きいですか

内山 どっちかっていうと不安の方が大きいかなって感じです。

――試合の間隔がこんなに開くことは珍しいですか

内山 ないですね。こんな中で試合をやってくれるだけでもありがたいです。

――昨年のインカレはすごく良かった印象が強く残っていますが、ご自身で今振り返っていかがでしたか

内山 あのときは練習も結構積んで思った通りの演技ができたかなというところではあったので去年を少し超えるような、いやインカレは去年と同じくらいで良いです。とりあえずそこでカッチリ入れれば、良いですね。練習から計算してそのくらいが今自分ができる実力のマックスかなっていう感じです。

――1・2年生のときのインカレにはどういう思い出や印象がありますか

内山 大学の試合って結構独特な空気があって、それがちょっとびっくりしたというかそういう印象が強いですかね。

――今年はそういう応援もなくなることが考えられます

内山 結構好きだったんですけどね。

――得点や順位の具体的な目標というのは昨年の同じくらいのところを、という感じですか

内山 そうですね、順位とかはそんな考えてなくてとりあえず今できる自分の最高のパフォーマンスができればいいなと。インカレはとりあえずそんな感じですね。全日本は具体的に目標もあるんですけど、インカレはとりあえず乗り切るっていう感じです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 青柳香穂、足立涼子)


集大成に向け、現在の思いを書いていただきました!(写真提供:体操部)

◆内山由綺(うちやま・ゆき)

1998(平10)年1月13日生まれ。162センチ。東京・帝京出身。スポーツ科学部4年。秋といえば、読書の秋!お気に入りの本は『桜のような僕の恋人』だそうです。