対談のトップを飾るのは、背中で部員を率いる山田元大主将(スポ4=千葉・市船橋)と期待の新入生・渡邉向祥(スポ1=千葉・市船橋)選手。延期となっていた全日本学生選手権(インカレ)の開幕に向け、現在の心境や意気込みを伺いました。 ※この取材は…

 対談のトップを飾るのは、背中で部員を率いる山田元大主将(スポ4=千葉・市船橋)と期待の新入生・渡邉向祥(スポ1=千葉・市船橋)選手。延期となっていた全日本学生選手権(インカレ)の開幕に向け、現在の心境や意気込みを伺いました。

※この取材は10月6日に行われたものです。

「自粛期間をうまく使ってリハビリできた」(山田)


山田選手の自粛期間中のトレーニングの様子(写真提供:山田選手)

――お二人は、同じ高校出身ですが、以前から接点はありましたか

山田 1年と4年なので学年は被ってなかったのですが、同じ県出身だったので知っていました。

――延期となっていたインカレがいよいよ始まります。二人の現在の調子はいかがですか

渡邉 僕は、三月に膝の怪我をしてしまって、夏までには間に合いそうになかったので、逆に延期になってリハビリとかの期間に当てることができました。むしろそのおかげで、今大会に向けて仕上げていけているかなという感じです。

山田 僕も12月に肩を骨折して、夏だとちょっと、という感じで。自粛期間をうまく使ってリハビリしたり体力戻したりすることができたので、ようやくちょっとずつ上がってきているところですね。まだ、完全にという感じではないです。

――怪我でモチベーションが下がったりはしませんでしたか

山田 僕は、全くなかったですね。

渡邉 僕もあんまりなかったですね。家でビデオとかを結構見たりして、練習しているときとは違ういろんな発見とか考えたりできたかなって思います。

――山田主将から見て、チーム全体の調子はどうですか

山田 自粛期間があって、最初はみんな技を戻すので大変で、結構通し練習に入るのもきつかったのですが、最近はみんなインカレに向けて調子も上がってきて、ようやく戦えるくらいになってきたかなっていう感じです。選手の状態としては、いい感じできていると思います。

――部を率いる中で意識したことはありますか

山田 そうですね。あんまり自分があまり出しゃばらないようにというか。みんな一人一人が目標を持ってやってくれれば、チームとしてもいい結果になると思っていたので、出来る限り選手のやりたいように、っていう感じでしたね。

――渡邉選手から見て、山田主将が率いる部の雰囲気をどのように感じていますか

山田 あんまりまだ練習してないけどね(笑)。そんなにまだ。

渡邉 でも、怪我とかもいろいろあったと思うんですけど、リハビリや練習を人一倍やっている姿を見てきたので、ついていこうというか、すごいなあというか。

――自粛期間中に、プライベートでやっていたことはありますか

山田 僕は、1日家にいても、午前午後でトレーニングを1日8時間くらいやっていました。フルで、練習の時間くらいトレーニングに費やしていました。でも、それ以外に本を読むようになりました。あと、字が汚いので、ボールペンの講座の本を買ってやっていました。効果はなかったです(笑)。全然なかったです(笑)。

渡邉 膝を怪我していたってこともあって、トレーニングとかはしていましたが、あまりできることもなかったです。ですが、家にいて、練習のイメージは崩しちゃいけないなと思って、頭の中で練習と同じようにアップからやったり、新しい技を頭の中でやってみたりしました。

――お二人は趣味とかはありますか

山田 僕は、本を読み始めたくらいです。4、5冊くらい読みました。物語はあまり好きではなくて、自己啓発系とかの本が結構好きです。『やり抜く力 GRIT』っていう本があったんですけど、それを読んで、自粛を乗り切りました。

渡邉 最近はYOUTUBEを見るようになって、お笑い芸人とかのコントとかよく見ています。ジャルジャルをよく見ます。

山田 優勝したしね(笑)。僕は霜降りが好きです。第七世代です。

「試合に出られる嬉しさや感謝の気持ちも忘れずに、試合を楽しみたい」(渡邉)


山田選手も注目する新入生・渡邉選手(写真提供:渡邉選手)

――渡邉選手は、入学式もできず、不自由なことが多かったと思うのですが、大学生活には慣れてきましたか

渡邉 最初は、入学した感じもなくて。学校にも行っていないので、本当に入った感じはなかったんですけど、体操部の先輩に色々授業の話とかも聞いたりして、最近は慣れてきたかなって思います。

――スポーツ科学部は実技があるイメージですが、今はオンライン授業が多いのですか

山田 ほとんどオンラインで、実技も僕はオンラインです。1年生とかは、一回も所沢キャンパス行ってないですよ(笑)。

――夏休みはどのように過ごされていましたか

山田 夏休みってありましたっけ(笑)。授業ない時ですよね(笑)。基本的に、満員電車の時間を避けて練習があったので、電車乗ってきて、昼練習して帰ってだったので。コロナのこともあって、僕はほぼ出歩かないで家でゴロゴロしていました。

――渡邉選手が早稲田に入った理由を教えてください。

渡邉 高校まで、体操も勉強も一応両方しっかりやってきたので、そこも大事にしたいなっていうのもあって。あと、市船の先輩も、何人も各代行っているので安心感もあって、選びました。

――お二人の体操部での推しメンはいますか

山田 でた(笑)。僕は、原田選手です。4年ですけど。(理由は)ほんとにミスをしないんですよ。僕は本当に、日本一美しいんじゃないかなって思うくらいもともと推している選手です。そこに最近、自信も多分ついてきて、ひたすらすごいなあという目で見ている推しの選手です。

渡邉 僕も同じで、原田選手です(笑)。初めて演技を見たときに、倒立とかもすごく綺麗でびっくりしました。あんまり喋る方じゃないんですけど、演技はしっかりやるというか。本当に安定感があって、すごいなと思います。

――渡邉選手は、同期と仲良くなりましたか

渡邉 はい。自粛が明けるまでは、そんなに会っていなかったので、そこまでだったんですけど、自粛明けてから何回もご飯とか行ったりして。

山田 カラオケ行ったました(笑)。

渡邉 最近はもうだいぶ慣れてきました。

――早大体操部の魅力を教えてください

山田 大学生らしいというか、結構みんな若いんで僕たちまだ(笑)。ミスを恐れないで、ダイナミックになんでもこなせるところが魅力というか強みです。本当に一人一人が持っている能力がみんな高くて、個が強ければ、自ずと団体も強くなるというか、自分がやることをしっかりやれば強いチームだなと思っています。

――監督とはコミュニケーションはよく取りますか

山田 結構とっています。親密に。

渡邉 そうですね。選手の意見も監督の意見も言い合っている感じです。

――インカレまで一ヶ月を切りましたが、今の練習で何か意識していることはありますか

渡邉 僕はまだ、膝の怪我で、技が完璧には戻ってきていないので、今の演技も固めつつ、もとに戻せるようにチャレンジもしていきたいなと思っています。

――1年生としてどのような気持ちで挑みたいですか

渡邉 高校までそんなに怪我とかもあったり、周りも強かったりとかであんまり試合に出る機会がなかったので、試合に出られる嬉しさとか感謝の気持ちも忘れずに、試合では楽しめたらいいかなと思います。

山田 模範解答ですね(笑)。

渡邉 昨日から考えていました(笑)。

――山田選手はどのような気持ちで臨みたいですか

山田 4年間出て、最後のインカレなんですけど、だからと言って、自分がやることは変わらないので。いつも通り自分の演技をしたら、後から結果がついてくるかなって思っています。僕も、結構渡邉と似ているんですけど、高校の時から、チームとしては結構周りが強くて戦えなかったんですけど、大学入ってチームでとか戦えるようになって。後ろ姿でちゃんと語れるようにというか、言葉はあまり言えないので。自分を越せるような選手に1年生みんなになって欲しいと思うので、ちゃんと立派な姿を見せたいなと思っています。

――インカレで、演技構成に変化はありますか

山田 怪我があって、元々の構成よりあげることは難しくてできなかったんですけど、その分、前の構成の質をあげてというか、もう一つ上のレベルでできるようになっていると思うので、そこを見て欲しいです。

渡邉 僕は、演技構成は基本的には今までと同じですが、少し、大学入学してからできるようになった技とかもいくつか入ってきたので、そこは見せられるように頑張ります。

――12月に延期された大会も控えていますが、ピーキングなどはどう考えていますか

山田 12月に出場が決まっているのは、今のところ、僕と内山です。もちろんインカレも学生の大会で一番大きいのでインカレにも集中してやりたいんですけど、僕の中では、さらにもう一個上の高い目標として、今年ちゃんとナショナル指定選手に入りたいというのがあって。ずっと4年間の目標としてあったので、そこをもう本気で目指してやるっていうので、まあ、だからと言ってインカレも捨てられないんですけど、ちゃんとインカレも頑張って全日本も頑張ってという形で臨みたいです。

――昨年は、団体6位で終わりましたが、インカレでの今年の目標は何ですか

山田 んー。今できる実力をしっかりと発揮するということで、点数を追って、順位を気にして戦うというよりかは、自粛を乗り越えて今できる演技を見せるということですかね。点数ではなくて、実力を発揮するという目標が一番かなと思います。

――主将から見てインカレのキーパーソンは誰になりそうですか

山田 それはもちろん、渡邉くんでしょう。怪我を乗り越えているんでね、頼もしいですよ、一年生にして。

渡邉 期待に応えられるように頑張ります(笑)。

――最後にインカレへの意気込みを教えてください

山田 最後のインカレなんですけど、こうやって試合に出させてもらえることをちゃんと感謝して、出られなかった人の分もちゃんと自分が頑張れるように。あとは、いい演技でやっぱり、みんなに勢いづけて結果で見せられるような演技をしたいと思います。よろしくお願いします。

渡邉 大学入って初めての試合なので、楽しみたいっていうのもありますし、最近調子も結構いいので、そのまま練習通りのことを試合で出したいなというのが目標です。それとは別に、結果的には、アンダー21で大学生の指定選手に入ることも目標なので、それを目標に頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 足立涼子)


インカレへの意気込みを書いていただきました!(写真提供:体操部)

◆山田元大(やまだ・もとひろ) 主将(※写真右)

1998(平10)年12月16日生まれ。165センチ、57キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部4年。秋といえば読書だそう。大好物のアイスは自粛中。ナショナルに入ってアイスを解禁します!

◆渡邉向祥(わたなべ・こうしょう)(※写真左)

2001年(平12)6月26日。164センチ、59キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部1年。漫画のワンピースが大好きだという。秋といえば、ワンピースのローの誕生日だそうです。