10月11日、東京六大学野球秋季リーグの第4週1日目が行われ、第2試合では、明大が4対0で法大に快勝。エースの入江大生(4年・作新学院)が9回を7安打無失点、計13奪三振の力投で自身リーグ戦初完封勝利を飾った。4回裏、4番に座った1年生・…

 10月11日、東京六大学野球秋季リーグの第4週1日目が行われ、第2試合では、明大が4対0で法大に快勝。エースの入江大生(4年・作新学院)が9回を7安打無失点、計13奪三振の力投で自身リーグ戦初完封勝利を飾った。

4回裏、4番に座った1年生・上田がレフト前へ技ありの先制タイムリーを放つ

 今季2勝1敗1分けの3位で並ぶ両校の対戦。明大は入江、法大は高田孝一(4年・平塚学園)というプロ注目の大型右腕同士の先発で試合開始。

 序盤はその両先発が持ち味である力強いストレートを連発し、3回を終えて0対0という滑り出しとなった。
試合が動いたのは4回裏だった。明大は、この回先頭の3番・丸山和郁(3年・前橋育英)が初球をセンター前に弾き返してチーム初安打を放つと、直後に盗塁と悪送球で3塁まで進む。ここで1年生ながら4番に座る上田希由翔(1年・愛産大三河)が、追い込まれながらも低めのボールを逆方向へ弾き返す技ありのレフト前タイムリー。1点を先制すると、さらに2死2塁から7番・陶山勇軌(3年・常総学院)が一、二塁間を破るライト前タイムリー。明大が2点をリードした。

自身リーグ戦通算3勝7敗、今季の先発2試合も5回6失点、6回3失点だった明大の入江は、「何かを変えないと新しい結果が得られない」と、この日は走者のいない場面でもセットポジションからの投球を続け、「落ち着いて1球1球」、「力を抜くことだけを考えた」と自身が課題に挙げていたメンタル面もコントロール。最速150キロのストレートに「今日は多く使った」というカーブ、そして鋭く落ちるスプリットを効果的に使いながら終始、落ち着いたマウンドさばき。3回から3イニング連続で三者凡退に打ち取ると、6回1死1塁の場面も投手ゴロ併殺打に仕留めてガッツポーズ。6回裏の攻撃では、自らショート強襲のタイムリーを放って追加点を奪うと、終盤のピンチも問題なし。9回を127球、7安打1四球、計13札三振での自身リーグ戦初完封をマークした。
敗れた法大は、先発の高田が序盤3回を無安打ピッチングの立ち上がりも4回に捕まって5回4安打2失点で降板。打線は2回2死1、2塁の後、中盤はノーチャンス。最終になって8回2死1、2塁、9回2死2塁の場面を作ったが、力投する入江の前に最後まで本塁は踏めなかった。

明大の先発・入江は計13奪三振での初完封。バックネット裏のスカウト陣に対してもアピールになった

■法政大vs明治大
法大 000 000 000=0
明大 000 202 00X=4
【法】●高田孝、石川、落合、三浦、水澤-大柿
【明】○入江-植田

◎明治大・田中武宏監督
「やはり先制点。エースが投げる試合は特に大事になる。(上田の先制打の場面は)3塁ランナーが丸山だったので、当たりさえすれば還ってくる。上田には本当はああいうバッティングはして欲しくないんですが、チームバッティングをしてくれた。彼のいいところが出た。入江は前回の立教戦で勝ちは付きましたけど、本人としては不甲斐ない内容だった。今日は内容もそうですが、エースとして最後の1人まで投げ切ったというのは本当に素晴らしい。今日が天下分け目だと言って試合に臨んだ。緩むことなく、明日に向けて準備したい」

◎明治大・入江大生(4年・作新学院)
「(初完封は)素直にうれしい。早大戦、立教戦と気持ちが入りすぎて、力が入って、ボールが上ずってしまった、同じ失敗はしないと、入り込みすぎないように、落ち着いて1球1球投げました。力を入れるイメージは持たずに、力を抜くことだけを考えて投げました。気持ちのコントロール。残り5試合、チームを勝たせられるようなピッチングできれば、明治の11番に相応しいと思ってもらえると思う」

◎法政大・青木久典監督
「入江君の対策はしていたんですが、思った以上に、特に左打者への低めの変化球が切れていて、なかなかうまく行かなかった。高田は、状態は良かったと思うが、追い込んでからの決め球の精度に欠けた。そこを明治の打線にうまく攻略された」

◎法政大・高田孝一(4年・平塚学園)
「相手も入江というエースが投げて来る試合の先発を任せてもらったけれど、先制点を許してしまったのですごく悔しい。ロースコアの展開の中で先制点を取られて、試合の流れを相手に渡してしまったのが一番の反省点。ボールは走っていたけど、甘く入ったところを逃さずに打たれてしまった。チームを勝たせることができなくて悔しいです」