今年の日本学生選手権(インカレ)も少数精鋭、7人で臨んだ女子部。各々がときに専門外の種目も泳ぎながら、リレーでは2種目で決勝入り。また牧野紘子(教3=東京・東大付中教校)と浅羽栞(スポ2=東京・八王子学園八王子)が出場した個人両種目でいず…

 今年の日本学生選手権(インカレ)も少数精鋭、7人で臨んだ女子部。各々がときに専門外の種目も泳ぎながら、リレーでは2種目で決勝入り。また牧野紘子(教3=東京・東大付中教校)と浅羽栞(スポ2=東京・八王子学園八王子)が出場した個人両種目でいずれも表彰台に上がるなど個人種目でも各々着実に得点につなげる。最後は総合で法大に0.5点差で競り勝ち、6位。目標の『シード権死守』を昨年に続き達成した。

★ルーキー今牧が決勝進出

 今大会最初の種目となった、女子50メートル自由形に全体の持ちタイムでは9番目で臨んだ今牧まりあ(スポ1=長野・飯田)。予選、隣のコースを泳ぐ野呂優花(日体大)は昨年同大会の同種目で2位に入っている実力者。しかし今牧はそれを上回る力泳を見せ、組1着でフィニッシュ。8月末の早慶対抗大会で更新した自己ベストを再び更新する25秒84をマークした。決勝ではタイムを落としてしまったものの、上々のインカレデビューを果たし、チームのに勢いをもたらした。

(記事 青柳香穂)

★浅羽が表彰台!4継も好成績を収める


自身初のインカレの表彰台に上がった浅羽(右)

 2日目、女子100メートル平泳ぎに浅羽栞(スポ2=東京・八王子学園八王子)が出場。レースは大方の予想通り、前半スピードがある宮坂倖乃(明大)に好調の深澤舞(新潟医福大)が続く展開に。なんとかそこに食らいつき、差を縮めていきたい浅羽だったが持ちタイムで勝る2人には追いつけず。自身の自己ベストからも少し遅れるタイムとなったが、後続の選手には身体半分ほど先行し、見事3位を勝ち取る合格点の泳ぎを見せた。昨年は期待されながら結果を残せなかった浅羽だが、得意の女子200メートル平泳ぎの前に嬉しいインカレ初表彰台表彰台となった。

 また、女子4×100メートルフリーリレーには牧野、佐々木杏奈(スポ2=神奈川・日大藤沢)、今牧、佐藤千夏(スポ3=埼玉栄)の陣容で臨んだ早大チーム。今牧を除く3人は、自由形以外を専門としていたり、スプリント種目よりも長い距離を得意としており苦戦も予想された。しかし、予選を7位で通過し迎えた決勝。まずスタートを任されたのは日本代表経験のある牧野。100メートル自由形は専門外ながら、後半さすがの粘りを見せる良い泳ぎで全体2位につける。続く佐々木は、大会記録を上回るペースで泳ぎ先行していた東洋大や代表経験者4人を揃える日大の後ろに続き、なんとかリードを守って第3泳者の今牧へ。前日ベストを更新し好調を伺わせている今牧は日大と2番手争いを繰り広げながら上位をキープし、アンカーを務める佐藤へとつなげる。1位の東洋大が後続を20メートルほど突き放し強さを見せる中、2位争いが過熱。1レーンの早大、2レーンの新潟医福大、5レーンの日大が横一線で競り、さらに後ろから6レーンの中京大が驚異的なスピードで追い上げる。佐藤はこの日400メートル自由形にも出場しており、レースだけでも計1000メートルを泳ぐという過酷なスケジュール。流石に疲れが出てしまったか、徐々に他大に差をつけられてしまう展開となったが、頑張りを見せ、最後は0秒01と僅かな差で神奈川大を上回り5位に飛び込んだ。

(記事 青柳香穂、写真提供 日本水泳連盟)

★牧野が銅メダル獲得!


今大会5種目に出場した牧野は女子100メートルバタフライでも力泳

  大会3日目、女子100メートルバタフライに出場した牧野。レースは優勝候補の長谷川涼香(日大)がレースを引っ張る展開に。長谷川を追う牧野は前半を2位で折り返した。その後は粘り強い泳ぎを見せたが、終盤内田かりん(神奈川大)に抜かされて結果は3位。8月に行われた早慶戦後オフを取っていた牧野は、全快の調子ではなかったものの3位と上々の成績を残した。

 女子800メートル自由形のタイム決勝には昨年同種目で銀メダルを獲得した佐藤が登場。2日目の女子400メートル自由形では5位に終わった佐藤は、表彰台を懸けて臨んだ。試合は前半、ほぼ横一線のまま互いが様子をうかがう展開に。300メートル経過時点で、昨年王者の小堀倭加(日大)、昨年佐藤と熾烈なメダル争いを繰り広げた望月絹子(神奈川大)、さらに1年生の中村葵(神奈川大)がペースを上げ、後続との差を広げた。そんな中、佐藤は3位の望月を追って粘り強い泳ぎを見せるが差を縮められず。4位でフィニッシュし、表彰台にあと一歩届かなかった。

(記事 小山亜美、写真提供 日本水泳連盟)

★牧野が自由形で2位!全員が力を出し切り結果につなげる


牧野は専門外の100自でも表彰台に(左)

 インカレ最終日。シード権獲得の当落上である、9位と同点の8位と厳しい状況で迎えた女子部。まず佐々木が女子400メートル個人メドレーに出場。昨年は惜しくも9位と決勝には一歩及ばなかったこの種目で、まずは初の決勝入りを目指した。予選、最後の組に登場した佐々木は、隣のコースを泳ぐ昨年同種目チャンピオンの柏崎清花(法大)を抑え、最初の100メートルをこの種目全体で最も速いタイムで入る。その後は柏崎に先行されたものの上位をキープし、組3着。全体7位で決勝進出を決めた。決勝では序盤先頭集団に食らいつく泳ぎも見せるが、その後はやや失速。予選よりも遅いタイムで300メートルを折り返す。しかし自由形で追い上げを見せ、最後の50メートルで順位を1つ上げ、5位でフィニッシュ。自己ベスト更新とはいかなかったが、予選からタイムを上げてチームに期待以上の得点をもたらした。

 さらに牧野と浅羽も順当に決勝進出。女子100メートル自由形に出場した牧野は、3番手で前半を折り返す。レースを引っ張る白井璃緒(東洋大)にこそ及ばず、差をつけられてしまったが、本来200メートルバタフライを主戦場としている牧野も後半に粘りを見せて2位に入った。持ちタイムから考えても、妥当な成績ではあるが、普段とは異なる種目でも大舞台できちんと結果を残す器用さは賞賛に値するだろう。また浅羽は本命の女子200メートル平泳ぎを予選1位で通過。迎えた決勝、センターレーンを泳ぐ浅羽は前半、今大会女子100メートル平泳ぎで優勝しスピードのある宮坂と、ほとんど等しいタイムで泳ぐ。そして得意とする後半、予想通り徐々に伸びてきた浅羽は他選手からわずかながらリードを奪い、150メートルをトップで通過。しかしそこで優勝を意識してしまったか、徐々に失速し伸び切らず残り25メートルで隣の深澤舞(新潟医福大)に捕まり、宮坂にも再び追いつかれ3位でのフィニッシュとなった。

 最終種目の女子4×200メートルフリーリレーでも2年連続となる決勝進出を果たし、終わってみれば6位と昨年から順位を2つ上げ、女子部は2012年以来の好順位で3年連続の『シード権死守』を達成した。今回選手として出場した部員は全員3年生以下。同じ陣容で臨める来年度にも是非今年以上の成績を期待したい。

(記事 青柳香穂、写真提供 日本水泳連盟)

結果

総合成績女子順位学校名得点1位神奈川大390.52位東洋大3553位日体大331.54位中京大253.55位日大2496位早大1977位法大196.58位明大190

 

※シード権獲得校のみ掲載

◇決勝

女子50メートル自由形

今牧まりあ 25秒89【8位】

女子100メートル自由形

牧野紘子 55秒48【2位】

女子400メートル自由形

佐藤千夏 4分15秒69【5位】

女子800メートル自由形

佐藤千夏 8分45秒07【5位】

女子100メートル平泳ぎ

浅羽栞 1分09秒02【3位】

女子200メートル平泳ぎ

浅羽栞 2分27秒00【3位】

女子100メートルバタフライ

牧野紘子 58秒95【3位】

女子400メートル個人メドレー

佐々木杏奈 4分50秒96【5位】

女子4×100メートルフリーリレー

早大(牧野、佐々木、今牧、佐藤) 3分46秒87【5位】

女子4×200メートルフリーリレー

早大(牧野、佐々木、今牧、佐藤) 8分17秒87【7位】

◇予選

女子50メートル自由形

今牧まりあ 25秒84【5位】

女子100メートル自由形

牧野紘子 55秒89【2位】

今牧まりあ 57秒42【20位】

女子400メートル自由形

佐藤千夏 4分15秒70【7位】

女子100メートル平泳ぎ

浅羽栞 1分09秒06【3位】

斎藤千紘 1分11秒98【19位】

女子200メートル平泳ぎ

浅羽栞 2分27秒32【1位】

松浦優美奈 2分31秒70【13位】

女子100メートルバタフライ

牧野紘子 59秒45【2位】

女子200メートル個人メドレー

佐々木杏奈 2分17秒55【10位】

斎藤千紘 2分21秒17【22位】

女子400メートル個人メドレー

佐々木杏奈 4分52秒12【7位】

女子4×100メートルフリーリレー

早大(牧野、今牧、佐々木、佐藤) 3分48秒54【7位】

女子4×200メートルフリーリレー

早大(牧野、佐々木、今牧、佐藤) 8分14秒59【5位】

女子4×100メートルメドレーリレー

早大(牧野、浅羽、佐々木、今牧) 4分11秒99【9位】