関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第5節。ここまで4敗と流れが悪い早稲田はここからの3試合を全勝で終えるためにはこの試合を何とか物にしたい。迎え撃つは今季まだ勝利こそないが、上位チーム相手に2つの引き分けを記録している桐蔭横浜大。序盤はパス…

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)第5節。ここまで4敗と流れが悪い早稲田はここからの3試合を全勝で終えるためにはこの試合を何とか物にしたい。迎え撃つは今季まだ勝利こそないが、上位チーム相手に2つの引き分けを記録している桐蔭横浜大。序盤はパスミスなどで中々ペースを掴めない。しかし、何とか相手の攻撃を防ぎ、前半は10-12と2点ビハインドで折り返す。後半は主将吉田瑞萌(スポ4=東京・佼成学園女)の得点で流れを掴むと、その後もバランスの取れた攻撃で相手を翻弄。28-23の快勝で初勝利を果たした。

 桐蔭横浜大(桐蔭大)のスローオフで試合開始。いきなりオープニングシュートを決められ前節までの苦い記憶が蘇る。まもなく、紅林詩乃(スポ3=東京・佼成学園女)の速攻で追いつくと、その後2点追加されたが「何がなんでも勝ちたい」という思いでこの試合に臨んだ吉田のシュートでこれまでのようには相手に流れを渡さない。相手の速攻で連続失点を喫すると、早稲田はここでタイムアウト。課題である前半をしのぐための立て直しを図る。直後の村上楓(スポ1=福岡・明光学園)の得点や紅林のシュートで一点差に詰め寄ると、桐蔭大がタイムアウト。流れを切ってきたが、村上のディスタンスシュートで同点に。その後は失点を重ねたものの、阿部美幸(スポ3=東京・佼成学園女)の2得点で追いすがり10-12の2点差で前半を終えた。 


シュートを放つ紅林

 後半を迎え、点を取られながらも、吉田主将が3連続でカットインからシュートをねじ込み、一歩も譲らない。主将に続き、阿部美が得点を挙げ、1点差に迫ると、直後のオフェンスでは高い集中力でリバウンドを見逃さなかった紅林がシュートを叩き込むと同点に。相手のタイムアウト後、立て直されリードを許したが、村上の力強いロングシュートなどで追いかける。その後、再度同点にしたのは衣川直緒(社4=愛知・星城)の相手DFの間を抜く巧みなディスタンスシュート。さらに、「気づいたら決めて喜んでた」と振り返る紅林のポストシュートが相手ゴールに刺さり、ついに逆転に成功。その後も衣川直の2本のサイドシュートや山根萌(スポ4=千葉・昭和学院)の難しい角度からのシュートが決まり、勝利の二文字が目前に。最終盤には、主将吉田、阿部美、紅林と3連続得点を挙げると、試合終了のブザーが響く。選手たちは一斉にその拳をあげた。


得点を挙げガッツポーズを見せる吉田主将

 「ここまで長かったな」という紅林の言葉通り、渇望してきた勝利をついに手に入れた早稲田。「ちゃんと決め切ることができた」と3連続得点を振り返る吉田主将の活躍は言うまでもないが、ここまでの4節に比べ全体的にバランスの取れたオフェンスで桐蔭横浜大を苦しめた。また、吉田主将、阿部美、垣内美春(社4=富山・氷見)を中心にした粘り強いディフェンスも今回の勝利に欠かせなかっただろう。「最終戦に良い流れで繋げられるように」と村上が意気込んだように、次の日本女子体育大学戦も落とせない試合となる。連敗中真っ暗だったトンネルを抜け、ついに陽を浴びた早稲田が見据えるは次の勝利だ。 

(記事、写真 杉原優人)

関東学生秋季リーグ
早大2810-12
18-11
23桐蔭横浜大
GK 江連織圭(スポ2=千葉・昭和学院)
LW 衣川紗菜(スポ4=愛知・旭丘)
LB 吉田瑞萌(スポ4=東京・佼成学園女)
PV 紅林詩乃(スポ3=東京・佼成学園女)
CB 村上楓(スポ1=福岡・明光学園)
RB 阿部美幸(スポ3=東京・佼成学園女)
RW 衣川直緒(社4=愛知・星城)
コメント

吉田瑞萌(スポ4=東京・佼成学園女)

――きょうの試合の感想

やっとこのチームで一勝目を挙げることができて、素直に嬉しいなと思っています。

――どんな気持ちで臨みましたか

自分の中できょうの桐蔭大戦はすごく大事な一戦になるなと思っていて、連敗が続くと何となくチームの中にも大丈夫かなとか不安な気持ちが出てきて、練習も少し暗くなってしまったりしたこともあったんですけど、この一戦を勝たないと、これから先の練習やチームの雰囲気とかもこのままどんどん下がって行っちゃうのかなと思っていたので、何がなんでも勝ちたいなと思っていました。

――ディフェンスで心がけていた点はありますか

皆でするミーティングの時に、これまでの桐蔭横浜大を見ていると、ポストのブロックが結構強烈で、そこで真ん中を崩されてという事が多かったので、一緒に3枚目に入る美幸(阿部、スポ3=東京・佼成学園女)と気を付けながら、話しながらディフェンスをしました。

――後半開始後の3連続得点を決めた感想は

これまで、先週は脳震盪で試合に出られなかったり、その前の3戦も中々チームに対して、キャプテンとしてもエースとしても全然できていなかったので、そこでちゃんと決めきることができたのは自分としてもすごく大きかったかなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

次の日女(日本女子体育大学)戦も絶対に落とせない試合になるので、きょうの勝ちの喜びを来週もまた味わえるように頑張っていきたいなと思います!

紅林詩乃(スポ3=東京・佼成学園女)

――きょうの試合の感想

一言で言うと、シンプルに嬉しいというのが一番強いし、やっと勝てたし、ここまで長かったなというのがきょうの感想です。

――相手のOF、DFの印象は

結構相手のCBがディフェンスを動かすのが上手かったので、そこに気を取られて左利きの右45(RB)に撃たれるのを避けたかったんですけど、それをちゃんと抑えきれたというのが前半は負けてはいるけど2点差に抑えられた要因かなと思うし、DFはドリブルついたら結構カットしに来るので、そこだけは厄介だったなと思います。

――リバウンドのシーンなど好プレーが多く見られました。オフェンスの際心がけていたことはありますか

結構相手のDFが9メートル(ライン)付近にふわふわしているので、裏のスペースを自分が使って、上の人(フローター)に合わせたりすることを第一に考えて、ずっと後ろをふわふわしているだけだと合わなくなってしまうので、フローターが攻めた時にどこかで一箇所ポンとブロックを張るというのは結構意識してやりました。

――決勝点となるシュートを決めた感想は

いやー、もう全然記憶がないです(笑)。撃った時の記憶がないというか、気づいたら決めて喜んでたみたいな感じだったので、特にこれが決勝点みたいな意識は全然なかったです(笑)。

――次戦への意気込みをお願いします

正直、きょうの桐蔭戦まで本当に全然試合にも勝てないし、どん底状態からやっと一勝できたことはチームにとっても結構大きな事だと思うので、あと2勝したらもしかしたら良い順位がもらえるかもしれないので、ちゃんとこの良い雰囲気を保ちながら、あと2試合ちゃんと勝ちきって、良い締めくくりができればいいかなと思います。

村上楓(スポ1=福岡・明光学園)

――きょうの試合の感想は

リーグ戦で初勝利することができて、素直にすごく嬉しいです。

――オフェンスでの桐蔭横浜大に対するプランはありましたか

キャプテンの吉田瑞萌さん(スポ4=東京・佼成学園女)が前回の試合出られなかったんですけど、今回の試合で戻ってきてくれたので、その左エース(LB)と右エース(RB)がしっかり攻めてくれるから、自分は丁寧にパスを繋いだりだとか、あとはフローター3人とポストがしっかりコンビを組んで崩すことができたのでよかったなと思います。

――後半、多彩な攻撃を見せました。セットオフェンスの手応えはいかがですか

今までの試合に比べて、6人全員の足がしっかり動いていて、スピードを持ってオフェンスすることができていたので、そこはすごくよかったなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

次の試合もこのままの勢いを保ったまましっかり勝って、また最終戦に良い流れで繋げられるように頑張りたいと思います。

COLLEGE ATHLETE TV   2020.10.05 00:07
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