最後の無観客GIになると思われる第54回スプリンターズステークスは、圧巻の「2階級制覇」で決着した。 モズスーパーフ…

 最後の無観客GIになると思われる第54回スプリンターズステークスは、圧巻の「2階級制覇」で決着した。

 モズスーパーフレアとビアンフェが引っ張る流れは速くなり、16頭の馬群は12、3馬身の縦長になった。

 クリストフ・ルメールが乗る1番人気のグランアレグリアは後方2番手。3、4コーナー中間でも、先頭から10馬身ほど離されている。

「1200mのリズムを見つけられず(つかみ切れず)、位置取りは後ろになりました」とルメール。

 4コーナー出口でも後方2番手のままだったが、パートナーを外に持ち出したルメールは落ちついていた。

「ペースが結構速かったので、前の馬は止まりましたが、グランアレグリアは直線に入ってからいい脚を使いました」

 ラスト200m地点でも、先頭から5馬身以上離れていたが、ルメールが話したように、そこからグランアレグリアは桁違いの末脚を繰り出す。

「他馬が止まって見える」とはこういうシーンのことだろう。ルメールの左ステッキを合図にスパートしたグランアレグリアは見る見るうちに内の馬たちを抜き去り、最後は流すようにして2着を2馬身突き放した。

 昨年の桜花賞、今年の安田記念に次ぐGI3勝目を挙げ、マイルとスプリントの2階級で女王の座を射止めた。と同時に、ディープインパクト産駒として初めてのスプリントGI制覇という、競馬史に残る蹄跡もターフに刻み込んだ。

 プラス12kgの馬体には余裕があるように見えたが、それでもこの強さ。次走はこれ以上のパフォーマンスが期待できるのかと思うと、恐ろしくさえ感じる。

 なお、管理する藤沢和雄調教師、そしてルメールにとっては、昨年のタワーオブロンドンに次ぐこのレース連覇となった。

(文:島田明宏)