〝明大旋風〟が巻き起こった。無観客での開催となったインカレ2日目。個人種目では400メートル自由形に出場した中島涼(政経3=札幌大谷)、200メートル背泳ぎの松山陸(商1=春日部共栄)が1位に。さらに2日目最終種目の400メートルフリーリ…

 〝明大旋風〟が巻き起こった。無観客での開催となったインカレ2日目。個人種目では400メートル自由形に出場した中島涼(政経3=札幌大谷)、200メートル背泳ぎの松山陸(商1=春日部共栄)が1位に。さらに2日目最終種目の400メートルフリーリレーでも5連覇達成と、非の打ちどころのない内容だった。

◆10・1〜4 日本学生選手権(東京辰巳国際水泳場)

▼男子400メートル自由形

1位 中島 3分49秒01

▼男子200メートルバタフライ

5位 山口 1分58秒49

▼男子200メートル背泳ぎ

1位 松山 2分00秒14

7位 中西 2分03秒67

8位 山本 2分04秒45

▼男子100メートル平泳ぎ

4位 永島 1分00秒78

5位 荒井 1分01秒29

▼男子400メートルフリーリレー

1位 市川・大貫・井元・溝畑 3分17秒72

 「予選も決勝も1番になるつもりだった」(中島)。予選を1位で通過し、迎えた決勝のレース。100メートルから首位に浮上するとそのまま後続を寄せ付けることなくフィニッシュへ。300メートルまで大会新記録を上回るペースで自己ベストを3秒近くも更新し、初優勝を果たした。「これで明大が勢いづく」。レース後にはガッツーポーズも飛び出した渾身(こんしん)の泳ぎで、総合優勝の火付け役としては、十分過ぎる役割を果たした。

 2日目で大きな得点源となったのが200メートル背泳ぎだ。この種目、明大からは松山陸(商1=春日部共栄)、中西晟(営4=呉港)、山本虎之介(商3=千葉商科大付)の3選手が決勝に進出する快挙となった。迎えた決勝のレースでは、ラスト50メートルで松山がスパートをかけ、前を泳ぐ井野竜佳(近大)を追い抜き1位に。「少し前の自分なら諦めていた」(松山)という自身の弱点を見事に克服し、初のインカレで王冠を勝ち取った。

さらに松山と中西は、4日目に得意とする100メートル背泳ぎが控えている。明大勢金銀獲得に期待が高まる。

 思いが勝ち取った5連覇だ。最終種目の400メートルフリーリレー決勝。明大勢が続々と結果を残していく中「ここで優勝しなきゃ駄目だと思った」(井元秀哉・法3=湘南工科大付)と前向きな気持ちで挑んだ。1泳の市川光太(情コミ3=明星学園)、2泳の大貫勇(情コミ2=八王子)が3位でバトンをつなぐと、井元が1位に浮上し、アンカーの溝畑樹蘭(政経4=報徳学園)に全てを託す。「後輩3人を勝たせてあげるのが先輩の仕事」(溝畑)。チームメートの思いとともにバトンを受け取ると、後続を一切寄せ付けることなく、堂々首位でのフィニッシュ。今種目5連覇を達成し、最高の形で2日目を締めくくった。

 まさに最高の結果と言えるだろう。2日目は個人種目で優勝者2人を含む7人が決勝に進出。「本当に良いスタートをみんなが予選から出してくれた」(溝畑)と間違いなく追い風は明大に吹いている。勢いそのまま、総合優勝に向けて残りの2日間も駆け抜けていきたい。

[岩田純]

試合後のコメント

中島

――レース後の気持ちはいかがですか。

 「初めてインカレで優勝できたことと、自分の優勝で明大が勢いづくんじゃないかと思うと、思わずガッツポーズが飛び出しました」

松山

――1年生としてのプレッシャーはありましたか。

 「失うものは何もないので、チャレンジャーとして頑張りました」

市川

――レースを振り返っていかがですか。

 「49秒台を目指してやっていたので、少し悔いは残りますけど、自己ベストなので、それはうれしく受け止めたいです」

大貫

――今の気持ちはいかがですか。

 「個人でレギュラーを逃してしまって、本当に悔しくて、なんとかこのリレーだけは優勝してみんなに金メダルを見せびらかしてやろうと思って泳ぎました」

井元

――レースを振り返っていかがですか。

 「予選では49秒が出なくて、あまり良くなくて不安だったんですけど、49秒前半をインカレのリレーで出すことを目標としてやってきたので、出すことができてよかったです」

溝畑

――レースを振り返っていかがですか。

 「インカレの一発目のレースだったので正直何秒出るか、という感じで泳いでいましたが、まずまず良いタイムで泳げたかなと思います」