アメリカ西部の山火事による大気汚染が危惧され、4日間72ホールから3日間54ホールに短縮されて開催された米女子ツアーのキャンビア・ポートランドクラシック(9月18日~20日/オレゴン州)。前週のANAインスピレーションに続いて、同ツアーの…

 アメリカ西部の山火事による大気汚染が危惧され、4日間72ホールから3日間54ホールに短縮されて開催された米女子ツアーのキャンビア・ポートランドクラシック(9月18日~20日/オレゴン州)。前週のANAインスピレーションに続いて、同ツアーの大会に出場した渋野日向子は、3日間通算6アンダー、24位タイでフィニッシュした。



ポートランドクラシックを24位タイで終えた渋野日向子。photo by Kyodo News

「(51位タイに終わったANAインスピレーションから)気持ち的には切り替えられたし、リフレッシュもできた。また新たな気持ちで今大会に臨めると思う。アメリカでの生活も楽しくすごしているし、(今大会も)試合を開催していただいて、出場させてもらえるのはありがたい。このチャンスを無駄にしないように、自分らしいゴルフ、攻めのゴルフをしっかりできたらいいな、と思っています」

 大会前にそう語っていた渋野は初日、爽やかな笑顔を振りまいて1番ティーグラウンドに登場。ドライバーを豪快に振り抜いていくと、3番でバーディー、さらに5番、6番、7番と3連続バーディーを決めて、絶好のスタートを切った。しかしその後は、8番、11番をボギーとし、13番でバーディーを取り返したものの、15番でダブルボギー。日没サスペンデットにより、1ホール残したところで1アンダー、トップと5打差の暫定39位タイで終えた。

 2日目、前日に未消化だった18番ホールをパーで終えた渋野は、10番スタートのこの日もバーディー発進。幸先のいい出だしだったが、以降は次々に訪れたバーディーチャンスを生かせずにいた。それでも、4バーディー、1ボギーの「69」。通算4アンダーとして、順位も21位タイまで上げた。

「昨日(初日)、出だしがすごくよかったなかで、1アンダーまで落としてしまったことがすごく悔しかったんですけど、今日はトータル3アンダー、ボギーも1つに抑えられてよかった。ただ、今日は本当にたくさんチャンスにつけられていたにもかかわらず、パターをかなり外してしまって......。詰めが甘いというか、自分らしいというか、ほんとダサいなと思いました。

 それでも、ショットに関しては、今年に入って一番よかったのかなという内容。(グリーンの)サイドにピンが切ってあっても、しっかりと狙っていけた。ショートアイアンでも、1クラブ(番手を)上げて抑えて打つことで、バックスピン量を減らせるので、そこを意識しながらやっていったら、チャンスにつけられた。

 日本(の開幕戦)で予選を通過できず、イギリスでも(予選通過)できず......。先週やっと予選を通過できて、(そこでの)いいところを今週に持ってきて、悪いところは調整してこられた。アンダーパーで最終日を迎えられるのは、すごくうれしく思う。

 ショットもよくここまで戻ってきたな、と。口には出さないですけど、心の中で『チャーシューメン』と言いながら、ここまで36ホールを回ってきた。それが、本当にマッチしてくれた。パッティングが入らないことでイライラするところもあったけれど、ショットがいいので、悪循環にはならなかった。ほんと、ショットに関しては自信を持てる内容だったので、(このまま)自信を持ってもいい感じだったと思う」

 最終日は2日目に比べると、ショットがやや不安定だったものの、4バーディー、1ダブルボギーの「70」で回った渋野。通算6アンダー、24位タイで大会を終えた。

「(ダブルボギーとした)3番で"お先に"パットを外してしまって、かなりイラついてしまったんですけど、そのあと、ノーボギーで回れたことは、個人的にはうれしかった。バーディーも3つも取れたし、全体的にはいいラウンドだったと思う。

 海外で計4試合を戦って(今大会が)一番手応えがありました。練習ラウンドの時から、芝の感じが(自分に)ちょっと向いているかな、と思っていた。そうしたら、予想どおりというか、予想以上のスコアが出てくれたので、結果としてはすごくよかった。グリーン周りは今日も微妙なところがあったけど、少しずつ昨年の自分以上のプレーができていると思う。その辺りは、レベルアップできているのかな、と感じます。

 米ツアーで戦っていく自信? 自信はぜんぜんないですけど、予選を通過して、今週はアンダーでも回ることができた。自信はまだ持てませんが、自分のゴルフは少しずつ、いいふうになってきていると思う。アメリカであと2試合、右肩上がりでいけるようにがんばりたい。

 海外の転戦で学んだこと? なんだろうなぁ~、我慢することかな。イギリスでは我慢ができなかった。気持ちも落ち込んで、どうしようもないと思っていた。それが(アメリカでの)この2試合で取り戻せてきた。ほんと、気持ちが楽になった......って、あれ? 自分で何を言っているかわからくなった!? すみません(笑)。

 調子がよくなったきっかけ? ぜんぜんわからない。なんで、こんなに調子がよくなかったのか、本当に自分でもわからない。我慢のゴルフができるようになった理由もわからないです。何かをした、ということもないので......。試合を重ねることによって、昨年は自分がどういう感じで試合をしていたのか思い出せていると思うので、それで一打、一打、緊張しなくなったのかな、と思います」

 前向きな気持ちに、思い切りのいいショットと、徐々に渋野らしさが戻ってきた。オフウィークを1週すごしたあと、主催者推薦で臨むショップライトLPGAクラシック(10月1日~4日/ニュージャージー州)に出場し、続いてメジャーの"全米女子プロ選手権"となるKPMG女子PGA選手権(10月8日~11日/ペンシルバニア州)に挑む。アメリカでの残り2試合、どんなプレーを見せてくれるのか、ますます楽しみになった。