米国内において、日本ハムの大谷翔平投手に対する注目度は日に日に高まっている。ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」は、二刀流右腕について「ショウヘイ・オオタニは(今オフ)日本に留まるだろうが、彼はすでに投手、そして打者としての技術でML…

米国内において、日本ハムの大谷翔平投手に対する注目度は日に日に高まっている。ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」は、二刀流右腕について「ショウヘイ・オオタニは(今オフ)日本に留まるだろうが、彼はすでに投手、そして打者としての技術でMLB球団を魅了している」と題した特集記事を掲載。「世界で最も関心を集める野球選手」と伝えている。

■NY地元紙が特集、大谷は「すでに投手、そして打者としてMLB球団を魅了」

 米国内において、日本ハムの大谷翔平投手に対する注目度は日に日に高まっている。ニューヨークの地元紙「デイリー・ニューズ」は、二刀流右腕について「ショウヘイ・オオタニは(今オフ)日本に留まるだろうが、彼はすでに投手、そして打者としての技術でMLB球団を魅了している」と題した特集記事を掲載。「世界で最も関心を集める野球選手」と伝えている。

 大谷は来オフにもメジャー挑戦に踏み切る可能性が高いと見られている。一方で、すでに二刀流として日本球界で圧倒的なパフォーマンスを続けているだけに、出来るだけ早く海を渡るべきだとする声もある。ただ、今オフは最適なタイミングではないというのが、米国内での見方だ。

 先日、米誌「ベースボール・アメリカ」は特集記事の中で、大谷が22歳以下で、なおかつプロ野球リーグでのプレーが5年以下(大谷は4年)のため、「彼と契約を結ぶチームは、インターナショナル・ボーナス・プールの制約を受ける」と指摘。インターナショナル・ボーナスプールとは、22歳以下の国外選手と契約する際に設けられている契約金額の上限。戦力不均衡が起こらないためのルールで、各球団の成績によって上限金額は異なる。そして、上限を超えた場合には、罰金も含めた罰則が規定されている。

 同誌は、この対象選手となる大谷が「メジャーリーグ契約ではなく、マイナーリーグ契約のみが可能である」ことや、すでに契約の上限を超えているチームは大谷との契約が制限されるという事実に言及していた。「デイリー・ニューズ」でも、「『ベースボール・アメリカ』によると、ヤンキース、レッドソックス、ドジャースといった球団はすでに過去2年でインターナショナル・ボーナス・プールの金額を超過しており、今オフ30万ドル(約3300万円)以上を獲得に費やすことができない」と指摘。さらに「エンジェルス、レイズ、ダイヤモンドバックス、カブス、ジャイアンツ、ロイヤルズ、ブルージェイズも同様だ」という。

■大谷がポスティングにかけられれば「狂乱」に!? 「世界で最も関心を集める野球選手」

 これは大谷にとっても望ましくない状況だ。記事でも「間違いなく、大谷側とすればこういった球団にも獲得競争に乗り出してほしいはずだ。特に、田中に1億5500万ドル(約172億円、7年契約)の契約を提示したヤンキースには」と指摘。ヤンキースやドジャースといった資金力のある名門球団は、大谷争奪戦の中心になると見られている。

 過去、松坂大輔、ダルビッシュ有、田中将大ら、メジャーでもエース級と評価されていた日本球界NO1投手がポスティングシステム(入札制度)を利用してメジャー挑戦に踏み切った時には、壮絶な大争奪戦に発展した。もちろん、大谷が海外FA権取得前にメジャー挑戦するためには、日本ハムがポスティングシステム(入札制度)の利用を容認する必要があるが、記事では「彼が巻き起こすであろう入札の狂乱を想像してみよう」と伝えている。

「大谷はこの世界で最も関心を集める野球選手であろう。そしてMLBはその時を待たなければならない。彼は投手としても十分な素質を兼ね備えており、ある関係者は『MLBでも今すぐインパクトを残せる』と語っている。打者としても104試合で22本塁打、OPS(出塁率+長打率)1.004を記録しており優秀だ」

 以前は投手としての評価の方が高かった大谷だが、今季の結果を受けて、打者としての評価もうなぎ登り。特集では、侍ジャパンの強化試合オランダ戦で東京ドームの天井裏に消える衝撃的な二塁打を放ったことにも触れ「(米国の)WEB上で話題を集める存在となった」と紹介。あるスカウトは「彼は投手として本物だ。打者としての彼も気に入るはずだろう」と話したという。

「大谷は待つ価値のある存在のように思える。100マイル(約161キロ)を記録する豪腕だ」

■メジャーでの二刀流には懸念も…「MLBでものにするかどうか、とても魅力的」

 来オフ以降のメジャー挑戦を米球界はすでに待ち構えている。当初、米国の球団、メディア、そしてファンもMLBで二刀流を続けることに懐疑的だったが、確実に風向きは変わりつつある。

「いつの日か彼がMLBで二刀流をものにするかどうか、という点はとても魅力的だ。5日おきに登板し、それ以外の日には野手/DHとして出場するだろうか?今、野球界はその多才さに恋をしている。

 しかし、球団は先発投手として最上と言える存在に、打席や塁上での仕事も行わせるだろうか?そして巨額の契約を結んだエースがもし野手としての出場時に故障した際、オーナーにどのように説明するだろうか?」

 この記事でも、二刀流の懸念材料を示しつつ、大谷の挑戦に大きな期待を寄せている様子が伺える。そして、最後は「大谷という存在には、興味と思惑が交錯していくことであろう。何が起ころうとも、それだけは確かだ」と締めくくっている。ただ、大谷はこれでもまだ“発展途上“と思わせる無限大の能力の持ち主。「世界で最も関心を集める野球選手」がどこまで成長するのか、米球界からも大きな関心が寄せられている。