練習本拠のカナダに戻れず、オーサー氏からはリモート指導を受けていた フィギュアスケートの平昌五輪銀メダリスト、エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が、同五輪後に師弟関係を解消したエテリ・トゥトベリーゼ氏の指導を再び受けることになったとロシア…

練習本拠のカナダに戻れず、オーサー氏からはリモート指導を受けていた

 フィギュアスケートの平昌五輪銀メダリスト、エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)が、同五輪後に師弟関係を解消したエテリ・トゥトベリーゼ氏の指導を再び受けることになったとロシアスケート連盟のホームページで16日に発表された。ロシアメディアは、メドベージェワの選択の必然性を指摘。リモート指導の限界に注目するとともに、「トゥトベリーゼ氏を除いて誰が教えることができるだろうか?」などと記載している。

 メドベージェワの“古巣復帰”に注目したのは、ロシアメディア「sportsdaily.ru」だった。記事で「ロシアのフィギュアスケート界で衝撃的なニュースが飛び込んできた――エフゲニア・メドベージェワがエテリ・トゥトベリーゼ氏のもとへ戻ることになった」と伝えている。

 同メディアはメドベージェワのこれまでについて「新型コロナウイルスの世界的大流行によってメドベージェワは(練習拠点の)カナダに戻れなくなっている。彼女は結果的に延期となったアイスショーのためにカナダから日本に向かい、そこからロシアにやって来た」と伝えていた。

 五輪連覇王者の羽生結弦らを指導するブライアン・オーサー氏から直接教えを乞うことはできず、スマートフォンでリモート指導を受けるしかなかったと伝えられているメドベージェワ。記事では「モスクワでショートプログラム(SP)に関してジェーニャを助けたのはタチアナ・タラソワ氏だった」と重鎮の手を借りながらも練習に励んでいたと記されている。

 今月12、13日に行われたロシア勢恒例の「テスト滑走会」で、メドベージェワは思ったような演技ができなかったようだ。記事には「演技は最も悪いうちのひとつだった」と記載。SPのジャンプは複数回、回転不足と判定され、フリーも「そのレベルはより高いものではなかった」と伝えられている。

タラソワ氏も再タッグ結成に喜び「二人の女性の正しい決断です」

 この「テスト滑走会」でメドベージェワに熱視線を送っていたのがトゥトベリーゼ氏だったと記事では記されている。名伯楽は演技後のメドベージェワを「軽やかな拍手で迎えた」と伝えられたほか、同メディアはこう推測している。

「間違いなくこの時にはすでに、メドベージェワがトゥトベリーゼ氏のもとへ戻る話し合いが行われていたのだろう。トゥトベリーゼ氏はメドベージェワがこの先に何を練習しなければならないかを理解するために彼女の演技を注意深く見ていたに違いない」

 記事では「リモートで練習することが良くない方法だということが、テスト滑走会から簡単に理解できる、メドベージェワに関してはどんなことがあってもそうだ」「エテリ・トゥトベリーゼ氏を除いて誰が、高い地位を目指すメドベージェワを教えることができるだろうか?」などと、現状ではトゥトベリーゼ氏の指導を受けることが平昌五輪銀メダリストにとってベストな選択であると指摘している。

 メドベージェワの選択を、重鎮タラソワ氏も喜んでいるようだ。記事ではロシアメディア「championat.com」に同氏が語った内容を引用。「メドベージェワのトゥトベリーゼ氏のもとへの復帰ですか? 私はとてもうれしいです。それは二人の女性の正しい決断です」と話していたと伝えられている。(THE ANSWER編集部)