東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を3位で終えてから、約1カ月。秋季リーグ戦が今週末に開幕する。開幕カードは春と同じ顔合わせとなった。春は9回1失点と好投した、2打席連続本塁打を放ったの活躍もあり、開幕を白星で飾った。平27(2015…

 東京六大学春季リーグ戦(春季リーグ戦)を3位で終えてから、約1カ月。秋季リーグ戦が今週末に開幕する。開幕カードは春と同じ顔合わせとなった。春は9回1失点と好投した、2打席連続本塁打を放ったの活躍もあり、開幕を白星で飾った。平27(2015)秋以来の優勝に向け、まずは開幕カードを連勝で飾り、勢いに乗っていきたい。


昨季の明大戦で1失点完投勝利を挙げた早川

 春との違いがあるとすれば、1試合総当たり制ではなくなったこと。春季リーグ戦ではリーグ断トツのチーム防御率0.77を記録した早大であるが、10試合勝ち点制になったことで投手運営に違いが出てくることが予測される。春季リーグ戦では3戦目に東大戦を控えていたこともあり、は早川、の2枚看板に加え、を先発に回す采配を見せた。しかしこの秋は西垣を救援に回すことが濃厚だ。、と共にチームの危機を救う活躍を期待したい。また、原功征(スポ2=滋賀・彦根東)といった投手たちも夏季オープン戦で多くの出番をもらっており、登板の可能性は十分ある。ブルペンからアピールをしていきたい。

 対する明大打線で警戒すべきなのが、公家響主将と清水風馬副将。公家はチャンスでの勝負強い打撃が持ち味で、春はチームトップの4打点を挙げた。清水は打率3割5分3厘を記録し、ベストナインに輝いた。早大投手陣としては、塁上に走者をためた状態で2人に打席を回したくない。また春の早明戦で早川から同点の中前適時打を放った西川黎(1年)もマークすべき存在。ルーキーながら全5試合に出場するなど監督からの期待の高さが伺える。打線を分断することができるかが重要だ。


1回戦の先発が予想される入江

 短期決戦とは違ったスタイルで臨んでくるのは明大投手陣も同じだ。春は抑えにエースの入江大生を配置することで、逃げ切りを狙った戦い方だった。先手必勝の目論見が崩れた春の教訓を生かし、秋季リーグ戦では入江が第1先発、竹田祐が第2先発を務める布陣で臨んでくるはずだ。救援陣は石毛力斗、中山晶量、高橋聖人と昨年までも出番があった選手に加え、西城愁太、宮内大河、渡部翔太郎と春から台頭してきたメンバーが控える。また春季リーグ戦では登板機会がなかったが、磯村峻平の復活には警戒したい。相手投手陣が勢いに乗る前に早大打線は打ち崩したいところだ。


主砲・岩本のバットに期待だ

 早大打者陣にはチャンスでの『あと一本』が求められる。昨季はリーグトップの50安打を記録したが、得点数はリーグ3位。全5試合中3試合で二桁残塁を喫するなど、攻め切ることができない場面が散見された。その中で特に期待がかかるのが、4番を打つの打撃。春季リーグ戦ではチーム2位の4打点を挙げたが、潜在能力からすると物足りなさを感じたのも事実である。「能力は飛び抜けている」と小宮山監督も太鼓判を押すは6番に座ることが濃厚。チームに長打力をもたらす存在として期待がかかる。昨季は上位打線の出塁率が高かっただけに、岩本や野村といった選手たちの働きはより大事になってきそうだ。

 優勝を経験することなく、『早川世代』はついに最後のリーグ戦を迎える。悔しい思いはもう十分だ。まずは開幕ダッシュを成功させたい。

(記事 大島悠希、写真 池田有輝)