福島県で行われた久しぶりのトラックレースでの実戦、 早大からは1年生含め多くの選手が出場した。複数種目で表彰台を獲得することに成功するなか、中野慎詞(スポ3=岩手・紫波総合)がスプリントで優勝。その実力をいかんなく発揮した。  1日目は、…

 福島県で行われた久しぶりのトラックレースでの実戦、 早大からは1年生含め多くの選手が出場した。複数種目で表彰台を獲得することに成功するなか、中野慎詞(スポ3=岩手・紫波総合)がスプリントで優勝。その実力をいかんなく発揮した。

  1日目は、天候不順により競走系種目が中止になり、タイム系種目への振替が行われた。その結果、タンデムスプリントにエントリーされていた、安倍大成主将(スポ4=岩手・紫波総合)・川村峻輝(スポ1=京都・北桑田)ペアはタンデム1キロメートルタイムトライアルに出走することになった。ペアを結成して日が浅いという状況の中での出走となったが、2位に入り表彰台へ。レース後は、両者とも手応えを口にし、今後に期待を持たせる結果となった。

2日目に表彰台に乗った3選手。左から河野、小野、中野

  2日目に行われた男子スプリント。ナショナルチームで練習していたなか出場した中野は、予選から目標であった学連新記録を手動計測ながら塗り替えることに成功。決勝では、「内容があまりよくなく改善点の方が多い」と語ったものの、その実力を見せつけ優勝を果たした。また、男子マディソンには小野寛斗(スポ4=神奈川・横浜)・河野翔輝(スポ3=奈良・榛生昇陽)し、3位に入り、表彰台に乗った。

 前週に行われた全日本学生個人ロードレース大会と併せて多くの選手が久しぶりの実戦に挑んだ早大自転車部。今大会で発見することが出来た手応えや課題を糧にそれぞれの目標に向けて、鍛錬を積む。


3人の1年生。左から山田拓海(スポ1=長野・飯田風越)、諸隈健太郎(スポ1=高知工)、川村

(記事 青山隼之介、写真 早稲田大学自転車部提供)

結果

▽男子タンデム・1キロメートルタイムトライアル

安倍大成・川村峻輝 2位

▽女子500メートルタイムトライアル

池上あかり(スポ2=福岡・祐誠) 6位

▽男子1キロメートルタイムトライアル

安倍大成 3位

▽男子インディヴィデュアル・パーシュート

河野翔輝(スポ3=奈良・榛生昇陽) 17位

▽男子ケイリン予選

川村峻輝 1組5位 敗者復活戦へ

▽男子ケイリン敗者復活戦

川村峻輝 3組4位 敗退

▽男子スプリント予選

中野慎詞 1位 

諸隈健太郎(スポ1=高知工) 9位 敗退

▽男子スプリント決勝

中野慎詞 1位

▽男子マディソン決勝

小野寛斗・河野翔輝 3位

コメント

安倍大成主将(スポ4=岩手・紫波総合)

――久しぶりのレースだったと思いますがどのようにモチベーションを保っていましたか

正直モチベーションを保つことは出来なかったです。これまで続けていたことが習慣化されていたので室内でのトレーニングは最低限続けてこられました。

――直近の練習の消化具合や本レースの調子はいかがでしたか

7月まで競技場を使うことがほとんど出来ず、実走での練習がかなり不十分な状態でした。やはり自分の自転車でかけられる負荷というものは他で代用できるものではないです。したがって8月から今日まで競技場を使える日はとことん乗り込んできました。レース本番の調子は悪いものではなかったですが、主観的にはまだまだ伸び代があるなという感じでした。

―― タンデムの1キロメートルタイムトライアルの目標がありましたらお願いします

競技が中止になり、代替えとして初めてのタンデムでの1キロタイムトライアルでした。初めてなのでとても動揺しましたが、国内のパラサイクリングの主な記録が1分7秒くらいだった記憶があったのでそのタイムでは走れるようにしたいと思っていました。また路面が滑りやすい状況だったので落車しないことも目標の1つでした。結果落車せずに1分7秒台で走ることができたので良かったです。

――1キロメートルタイムトライアルの目標がありましたらお願いします

1分3秒台では最低限走りたいという思いがありました。

――タンデムでは2位でしたが、振り返ってどのように感じていますか

できれば優勝したかったですが、結成して1日2日のペアだったので、表彰台に乗れただけでも満足です。川村ともう少し期間を設けて練習出来れば凄い記録が作れたのではないかと感じるくらい手応えのある走りができました。

――個人の1キロメートルタイムトライアルでも3位に入りましたが振り返っていかがですか

目標としていたタイムをだすことが出来ずにとても悔しいです。競技場での練習が少なかったことが原因だということが分かっていますが、それを埋める替えの練習が出来なかったことが敗因です。とにかくこれからもっと頑張りたいと思います。

――今後の予定や意気込みをお願いします

全日本大学自転車競技大会が10月に行われますが、自分は来年度の競輪養成所に向けた試験に専念するため出場しません。ですが主将としての役目はそれまでしっかり果たしていきたいと思っています。

中野慎詞(スポ3=岩手・紫波総合)

――優勝おめでとうございます!率直なお気持ちをお聞かせください

2年ぶりの優勝だったのでとても嬉しいです。自分の持っていた記録を去年全て抜かれてしまったので今年こそはまた全部塗り替えようとおもって臨みました。

――レ―スがない期間はどのようにしてモチベーションを保っていましたか

レースがなくなっても自分の目標はパリ五輪で勝つ事なのと、ナショナルチームで常に高いレベルでのトレーニングができていたのでモチベーションは落ちることはなかったです。

――今大会の目標があればお願いします

今大会は、学連記録を塗り替えようと思っていました。

――練習の消化具合や調子はいかがでしたか

現在ナショナルチームでトレーニングをしているのでこの大会に向けて仕上げたり調整したりはしていませんでした。ギリギリまで練習をして望みました。
その中でこのタイムを出せたのは自信につながりました。

――予選では手動ながら学連新記録、大会新記録を出されましたが、そこに関してはいかがですか

目標としていた学連記録を出せたことはとても嬉しかったです。手動なのでどのように反映されるかはわかりませんが次機械で測ることがあったらまたこの記録を越えようと思っています。

――決勝の振り返りをお願いします

決勝は勝てたことは良かったのですが、内容があまりよくなく改善点の方が多いです。
次に向けてまた戦略や対応方法など学んで習得していきたいです。

――今後の予定やそこでの目標をお願いします。

11月の全日本選手権で成績を出すことが直近の目標です。
ここではナショナルチームのメンバーが全員でるのでしっかり勝てるように仕上げていきたいと思います。

川村峻輝(スポ1=京都・北桑田)

――レースがない期間はどのようにしてモチベーションを保っていましたか

今回の大会で結果を出すために目標を立てやる気のモチベーションを上げていきました。

――大学でのデビュー戦となりましたがどのようなご心境でしたか

今回の大会ではタンデムとケイリンに出場しましたが、タンデムについては練習で1回しか合わせがない中で2位に慣れたことはよかったと思います。ケイリン種目については予選で落ちてしまったのでとても悔しいです。この悔しい思いを胸により一層練習に励みたいと思います。

――調子や練習の消化具合はいかがでしたか

調子は悪くなかったです。練習はかなりしていました。

――レースに臨むにあたって何か目標はありましたか

タンデムは優勝を狙い個人種目では3位以内を目指していました。

――レース前、ペアを組む安倍(大成、スポ4=岩手・紫波総合)選手と何か話しましたか

スタンディングで行くかダンシングで行くかの相談と最初から全力で走るペースで走るかを入念に相談しました。

――タンデムでの2位という結果に関しては

練習では1回しか合わせていなかったのでもっと練習したら優勝を狙えたなと思いました。

――今後の目標や意気込みをお願いします

今回個人種目では悔しい思いをしたので、その思いを胸に全日本大学自転車競技大会では活躍したいと思います。