一夜限りの夢の祭典「2020 JAPANオールスタードリームマッチ」(以下、ドリームマッチ)が9月14日、リモートマッチ(無観客試合)で開催される。これに先駆け出場選手たちが臨戦態勢に入った模様だ。

 新型コロナウィルス感染拡大の影響で試合から遠ざかっていた選手たちが実戦に臨むのは、3月のITTFワールドツアー・カタールオープン以来、約半年ぶり。今回のドリームマッチは公式戦ではなく、試合形式も対戦ルールも異例づくしだが、日本代表女子選抜のエースを張る石川佳純(全農)は、「男子と女子が対戦したり1ゲームマッチだったり、公式戦ではなかなかない試合方式でドキドキもある大会。試合自体は真剣勝負だと思うので、自分の持っている全てを出して勝ちにいきたい」と闘志を燃やしている。



 2部制で行われるドリームマッチは、第1部が世界卓球2020韓国(団体戦)<2021年2月28〜3月7日/釜山>日本代表選抜とTリーグ代表選抜が対戦し、シングルス1ゲームマッチで男子5試合、女子4試合を行う。

続く第2部では、なんと日本代表男子と日本代表女子が直接対決する前代未聞の対戦が実現。1失点するたびに選手が交代するというルールや女子に4点のハンディとサーブ権が与えられ、このアドバンテージが試合展開にどう影響するかが大きな見どころになっている。

石川の見立てでは「女子にかなり有利なルールになっていると思う」とのことだが、水谷隼(木下グループ)は「(女子と)実際に試合をしたことがないので、どっちが強いかはわからない」とした上で、「はたから見たら男子の方が強いんじゃないかと言われてきたので、その通り男子の実力を見せつけたい」と"男の意地"を見せるつもりだ。


また、男子顔負けのフォアドライブが武器の早田ひな(日本生命)は「男子選手にどれだけ対抗できるか。できればフォアで盛り返して点数を取りたい」と腕試しに燃えている。

 一方、男子同士のバトルにも火が点いている。昨シーズン、Tリーグ男子MVPに輝いたTリーグ代表選抜の神巧也(T.T彩たま)が、「日本代表をぶっ倒してやる。『それで世界卓球行くの?』と言えるくらいのプレーをしたい。去年、オレが最多勝だぞ!」と挑戦状をたたきつけると、これ受けた日本代表選抜の水谷が「それくらいの実力があれば、日本代表として出てるはずなんですけどね」と一笑。

「(神選手は)確かに全シーズン、素晴らしい結果を残しましたけど、もし試合をしたら僕が絶対に勝つ」と高らかに勝利宣言し、気心の知れた二人が早くも場外舌戦で大会ムードを盛り上げている。


 さらに高校1年生の木原美悠(木下アビエル神奈川)までもが、「自分も(日本代表を)ぶっ倒す! それくらいの気持ちがないと勝てない」と同じTリーグ選抜代表の神に乗っかるなど、リモートマッチとはいえファンの前で久しぶりに見せる試合に意気揚々だ。


 日の丸を背負う日本代表とTリーグプロ集団のプライドがぶつかり合う第1部は18時試合開始。男子と女子のガチンコ対決が見逃せない第2部は19時20分試合開始予定。試合を待ちわびた卓球オールスターとファンの思いが一つになる夢の一夜がまもなく幕を開ける。

(文=高樹ミナ)

参加全選手

<男子>
■日本代表選手
張本智和(木下グループ)
水谷隼(木下グループ)
丹羽孝希(スヴェンソン)
森薗政崇(BOBSON)
宇田幸矢(明治大学)

■Tリーグ選手
及川瑞基(木下マイスター東京)
神巧也(T.T彩たま)
田添響(岡山リベッツ)
戸上隼輔(琉球アスティーダ)

<女子>
■日本代表選手
石川佳純(全農)
早田ひな(日本生命)
長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)

■Tリーグ選手
加藤美優(日本ペイントマレッツ)
木原美悠(木下アビエル神奈川)
出澤杏佳(トップおとめピンポンズ名古屋)
森さくら(日本生命レッドエルフ)


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