前節法大戦を落とし、2試合未消化の2位早大と勝ち点差6で迎えた第10節。首位で前期を終えるためになんとしても勝ち点3の欲しい一戦は、ルーキーたちが輝きを見せ、2−1で専大に競り勝った。 期待のルーキーたちがそのポテンシャルを見…

 前節法大戦を落とし、2試合未消化の2位早大と勝ち点差6で迎えた第10節。首位で前期を終えるためになんとしても勝ち点3の欲しい一戦は、ルーキーたちが輝きを見せ、2−1で専大に競り勝った。

 期待のルーキーたちがそのポテンシャルを見せつけた。鹿島アントラーズに特別強化指定選手として合流した守備の要・常本(政経4=横浜F・マリノスユース)を欠いて迎えた一戦。栗田監督はU―19代表に選出されたC Bの村上、昨年の高校サッカー選手権でその名を轟かせたMFの田中と、2人の1年生をスタメン起用した。

(写真:先制点を挙げた坂本)

 

 試合は序盤からハイライン・ハイプレスを仕掛ける明大ペースで進む。たびたび相手ゴールに迫ると、21分、初先発の田中がいきなりゴールを演出する。岡庭との連携から相手右サイドを突破し、グラウンダーのクロスを入れると、最後は逆サイドから走り込んだ坂本がワンタッチで合わせて先制点を奪取した。その後も決定機を作り、流れを完全につかんだかと思われたが、30分に左サイドのクロスに頭で合わせられ失点。1−1で前半を終える。後半に入っても専大ゴールに迫り続ける。だが55分には小柏が、81分には杉浦がミドルシュートを放つが、共にポストに嫌われゴールを破ることはできない。このまま試合終了かと思われた中で均衡を破ったのは、81分に投入された1年生の太田だった。右サイドの岡庭からのクロスを倒れ込みながらも執念で押し込んだ今季4点目は、本人も「決勝点を決めて、チームに勝ち点3をもたらせたことは嬉しい」と振り返る値千金の決勝ゴールとなった。試合終了間際に相手に決定機を許すも、早川のスーパーセーブで難を逃れそのまま試合終了。1年生の活躍が光り、2―1で勝利を挙げた。

(写真:リーグデビュー戦で1アシストを記録した田中)

 

 7月に開幕した前期リーグ戦も次節が最終戦。「前期勝ち点27取ったら優勝ペース。1点ずつ積み重ねてとにかく前期勝ち点27で終わることを考えてほしい」(栗田監督)と語るように、決して前節の敗戦は引きずらない。次節は桐蔭横浜大と昨季インカレ決勝以来の顔合わせ。〝誰が出ても勝てるサッカー〟を見せつけ、最高の形で前期リーグ戦を終えたい。

[土屋秋喜]

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試合後のコメント

栗田監督

――今日のメンバーはどのようにして決めましたか。

 「田中が非常に良かったので、見てみたいと思い起用しました。村上はこのところ力をつけてきていて、佐藤瑶と蓮川のところに割って入ってきているので、新しい血が入ってくるとチームの将来にもつながってくると思います」

――前半に点が取れない試合が多い中で、今日は前半に先制できました。

 「チームとして揃っていて、守備もできていたので、もっと得点できたと思います。エリア内の人数だったり、フィニッシュの精度だったりが改善されればもっと良くなると思います」

坂本

――ゴールシーンの振り返りをお願いします。

 「田中が右サイドで持っていて、逆サイドの選手が最後クロスを詰めるところは練習から意識してやっていたので、決まって良かったです」

――チームメイトが特別指定選手として抜けていく中で、チームに影響はありますか。

 「誰かが抜ければ別の選手が出るわけで、誰が出ても勝てるチームを明治は目指しています。それで日頃の練習の成果が試合に出たときに、強くなれると思うので、そこは自信を持って出場する選手がプレーしていると思います」

太田

――決勝点のシーンを振り返っていかがですか。

 「絶対決めてやろうと思って入りました。岡庭さんからいいクロスが上がったので、ヘディングは汚い感じになりましたが、体で押し込みました」

――今日のゴールは状況を考えると一番嬉しかったと思います。

 「いつもは追加点を挙げる形ですが、今日は決勝点を決められて、チームに勝ち点3をもたらせたので嬉しいです」