NY紙はサーブを称賛「オオサカは序盤からソリッドだった」 テニスの4大大会・全米オープンは10日(日本時間11日)、女子シングルス準決勝で世界ランク9位の大坂なおみ(日清食品)が世界ランク41位のジェニファー・ブレイディ(米国)を7-6、3…

NY紙はサーブを称賛「オオサカは序盤からソリッドだった」

 テニスの4大大会・全米オープンは10日(日本時間11日)、女子シングルス準決勝で世界ランク9位の大坂なおみ(日清食品)が世界ランク41位のジェニファー・ブレイディ(米国)を7-6、3-6、6-3で破り、優勝した2018年以来、2年ぶりの決勝進出を決めた。白熱の名勝負の末に勝ち切った大坂に、各国メディアも続々と称賛を送っている。

 128分の激闘。マッチポイントで大坂のサーブに対して、ブレイディのリターンがネットにかかった。勝利の瞬間、力が抜けたのか、一瞬うなだれた大坂。そして顔を上げると安堵の表情だ。スタンドには応援に駆け付けた恋人の米国人ラッパー、YBNコーデーの姿もあった。

 互いに譲らない、白熱の名勝負だった。第1セットは両者キープを続け、タイブレークの末に大坂が先取。第2セットは逆にブレイディが先にブレークし、取り返した。ファイナルセットは大坂が先にブレークし、最後は底力で上回った。

 2年ぶりの優勝に王手をかけた大坂を各国メディアも大きく報じている。まずは開催地ニューヨークの地元紙「ニューヨーク・ポスト」は大坂が人種差別への抗議の意思を込めた黒マスクを着用しているに触れ、「ナオミの社会正義に対するメッセージは首尾一貫したものだが、彼女のストロークはそれを上回るほど安定したものだった」と称えている。

 さらに「オオサカは序盤からソリッドだった。117マイル(約188キロ)、114マイル(約183キロ)、さらに114マイルのサーブを打ち込み最初のゲームで相手を0ポイントに抑えた」と抜群のサーブに脚光を浴びせている。

好調ブレイディを退けた安定感を評価「ハイクオリティなパフォーマンス」

 英公共放送「BBC」も「日本人の第4シード、ナオミ・オオサカがハイクオリティなパフォーマンスを披露して、またも全米オープン決勝進出」と報じた。

 精神的に崩れることのなかった大坂のプレーぶりを称え、「成熟したオオサカが再び全米オープンの栄冠を手にする機会を得た」「新型コロナのパンデミックが起こる前に10位まで世界ランクを落とした後、彼女はテニス界を支配できるような選手となって戻ってきた」と女王返り咲きへの期待をかけている。

 南半球メディアも大坂の勝利を特集。オーストラリアの電子新聞「ザ・ニュー・デイリー」は「ブレイディは自身初となるメジャー大会準決勝に、1セットも落とさず緊張した面持ちも見せずにたどり着いた。しかしハイクオリティの試合で、オオサカの火力が第28シードを退けた」と絶好調だったブレイディを破った大坂のパワフルなテニスを高く評価している。

 続けて「彼女自身よりも大きな問題のためにプレーすることが、オオサカにクリアな思考をもたらし、それに従ってプレーしている。ブレイディ相手に35のウイナーを決め、アンフォーストエラーはわずか17だった」と強烈なウィナーを35本決めた一方で、アンフォーストエラーは相手を下回る17だったことに注目していた。

 2度目の全米、3度目の4大大会制覇に王手をかけた大坂。その成長した姿に世界が注目している。(THE ANSWER編集部)