世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)は、アンディ・マレー(イギリス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)がタイトルと年末世界ランキン…
世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)は、アンディ・マレー(イギリス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)がタイトルと年末世界ランキング1位の座をかけて日曜の決勝で激突することになった。
世界トップ2のふたりは土曜の準決勝で、対照的な勝利を挙げた。
マレーはマッチポイントを凌ぎ、ATPファイナルズ史上最長の3セットマッチとなる3時間38分の戦いののちに、5-7 7-6(5) 7-6(9)でミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を破った。一方ジョコビッチは錦織圭(日清食品)を6-1 6-1で倒すのに、66分しか必要としなかった。
2週間前のパリ・マスターズで首位の座を勝ち取ったマレーが世界1位で年を終えるには、ただジョコビッチよりもよい成績を挙げる必要があるだけだった。そして今、それはすなわち「決勝に勝つ」ということを意味する。
勝者がすべてを得ることになる決勝について、「これはテニス史上で1度も起きていないことだ」とジョコビッチは言った。「その歴史の一部になれるというのは名誉なことだ。これは僕らの間でプレーしたなかで、もっともビッグな試合のひとつになる」。
試合を通し1度しかサーブをキープできなかった錦織を終始圧倒したジョコビッチは、非常にいい調子であるように見えた。
「僕は戦略的に、やろうと予定していたすべてを実行に移した」とジョコビッチは言う。「僕のレベルは正しい方向に進んでいる。コート上でこの感じを経験することができて、非常にうれしいよ。今、今年最後の試合がやってくる。皆が期待していた試合だ」。
第3セットで2度、サーブをキープすれば勝利というチャンスを浪費してしまったあと、マレーはついに勝つためにタイブレークでの4度目のマッチポイントをものにした。
「信じられないほどきつかった」とマレー。「僕は本当に激しく懸命に戦わなければならなかった。サーブをキープすれば終わり、というゲームで2度ブレークされるというのはフラストレーションがたまることだった。これは僕がインドアでプレーしたなかでも、指折りに厳しい試合だったよ。こんなに長い試合は1度もなかった」。
マレーは今年に実現したラオニッチとの6対戦のすべてに勝っていた。そしてそこにはウィンブルドン決勝でのストレート勝ちも含まれる。
マレーには、ウィンブルドンとオリンピックで優勝し、初めて世界1位に至った驚くべき2016年後半の終わりに仕上げのひと押しが必要なだけだ。
「僕は疲れている」とマレーは言った。「ここ数ヵ月に、本当に多くの試合をプレーしてきた。僕はただ明日、全力を尽くす。いうまでもなく厳しいだろうが、ベストを尽くすよ」。(C)AP