世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン(グループ・イワン・レンドル)の第3戦で、ノバク・ジョコビッチ(セ…

 世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン(グループ・イワン・レンドル)の第3戦で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)がダビド・ゴファン(ベルギー)を6-1 6-2で倒して3勝目を挙げ、過去5年で4度目となる無敗でのグループ突破を決めた。

 しかし、ジョコビッチが今シーズンをふたたび世界1位で終えるためには、まだ数試合に勝たなければならない。

 「すべてはポジティブな方向に進んでいる。大会が進むにつれ、どんどんプレーがよくなってきた」とジョコビッチは言った。「確かなことがひとつあるよ。僕はコート上で全力を尽くす。それで何が起こるか見てみようよ」。

 アンディ・マレー(イギリス)は今月初めのパリ・マスターズでジョコビッチから世界1位の座を奪ったが、このATPファイナルズでジョコビッチはマレーよりもいい成績を上げれば、ふたたびマレーを抜いて3シーズン連続で1位となりシーズンを終えることができる。そうなれば、彼はここ6年で5度、年末ランキングで1位になったことになる。

 「言うまでもなく、選手として望むことはすべてを自分の手中に置き、ほかの選手次第ではないということだ」とジョコビッチ。「今回は自分次第であるということをうれしく思う」。

 一方マレーは、世界1位の期間を延ばし、初めてトップのままオフシーズンを過ごすことを目指している。彼は金曜日に、全米オープン優勝者のスタン・ワウリンカ(スイス)と第3戦を戦うことになる。

 ジョコビッチは、この日の第3戦を、本来であればガエル・モンフィス(フランス)と戦うはずだったが、もともと故障を抱えていたモンフィスが第2戦を戦い終えたあとで棄権したため、控え選手のゴファンが第3戦の穴を埋め、ジョコビッチと対戦した。

 ゴファンはこの試合がATPファイナルズ・デビュー戦だった。

 世界11位のゴファンはジョコビッチに対してブレークポイントを一度しかつかめず、それも最終ゲームでの一度で、ものにすることはできなかった。一方、ジョコビッチはブレークポイントを6度つかみ、各セットで2度ずつブレークに成功した。

 「容易ではなかったよ」とゴファンは言った。控え選手としてすでにロンドンに来ていた彼は、水曜日の時点でジョコビッチと対戦することを知らされた。

 「いい感覚をつかめなかった。リズムを感じることができず、僕の最良の武器であるグラウンドストロークはいつもの調子からは程遠かった。こんなふうなときにジョコビッチと戦うというのは、まったく容易なことじゃない」

 ジョコビッチは、ATPファイナルズですでに5度優勝している(2008、2012、2013、2014、2015年)。そして2012年以来、22試合のうち21試合に勝っている。初優勝は大会が上海で行われていた2008年のことで、その後2012年から2015年にロンドンで4連覇した。彼は今年勝てば5連覇と、優勝回数が6回になり、最多優勝者のロジャー・フェデラーと並ぶことになる。

 ジョコビッチは、この日の対ゴファン戦をダブルフォールトでスタートさせたが、それ以降は目立つ不手際はなく過ごした。彼は第1セットで4度ダブルフォールトをおかしたにも関わらず、ファーストサービスからのポイント獲得率は83%だった。とはいえ、ナンバーワンの座を奪い返すために、ジョコビッチはまだまだやらなければならない仕事が残っている。

 「僕は残っている力がどれくらいであろうと、できる限りいいパフォーマンスをするために、最後のひとしずくまでいつもエネルギーを絞り出すよう努めている。そして、シーズンを可能な限り最良の形で終えるためにもね」とジョコビッチ。

 ジョコビッチは第1戦、第2戦に勝利した時点で準決勝進出を決めていて、彼はもうひとつのグループ(ジョン・マッケンロー)の2位選手と対戦することになる。

 ジョコビッチがいるグループから準決勝に進むもうひとりの選手(2位)は、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)対ドミニク・ティーム(オーストリア)の結果次第となる。(C)AP

【17日試合予定&結果】※[ ] 数字はシード順位、ダブルスのスコアはスーパータイブレーク、Alt=補欠

第1試合 ○ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[3] 6-4 6-4 ●トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)[8]

第2試合 ○ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] 6-1 6-2 ●ダビド・ゴファン(ベルギー)[9/Alt] ※ガエル・モンフィス欠場のため

第3試合 ○ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)[2] 6-3 3-6 [10-6] ●イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[6]

第4試合(20時以降)ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[4] vs ドミニク・ティーム(オーストリア)[8]

【18日試合予定】

第1試合(12時開始)ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[1] vs ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[5]

第2試合(14時以降)アンディ・マレー(イギリス)[1] vs スタン・ワウリンカ(スイス)[3]

第3試合(18時以降)フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[4] vs レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)[7]

第4試合(20時以降)錦織圭(日本)[5] vs マリン・チリッチ(クロアチア)[7]