ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、年末ランキング1位にまた一歩近づいた。 世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第3日はシングル…

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、年末ランキング1位にまた一歩近づいた。

 世界トップ8によるエリート大会「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額750万ドル/室内ハードコート)の第3日はシングルスのラウンドロビン(総当たり戦)第2戦が行われ、ジョコビッチはミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を7-6(6) 7-6(5)で倒し、準決勝進出を決めた。彼はまた、ラオニッチに対する通算成績を8勝0敗に伸ばした。

 ジョコビッチがもしも今週、アンディ・マレー(イギリス)よりいい成績を上げれば、世界1位の座を取り戻すことができる。イワン・レンドル・グループのジョコビッチは2勝0敗、ジョン・マッケンロー・グループのマレーは今のところ1勝0敗で水曜日に2試合目の対錦織圭(日本/日清食品)戦をプレーする。

 ジョコビッチはこの日の2試合目を、決して楽々とプレーしているようには見えなかったが、競ったタイブレークで踏ん張り抜き何とか勝利をものにした。

 「どちらにも転びうる試合だった」とジョコビッチ。

 彼は今季、全仏オープンで優勝し、生涯グランドスラム(キャリアを通して異なる4つのグランドスラムで優勝すること)を達成した。

 「双方のタイブレークの早い段階で僕はリードを奪われていたが、そこで頑張り抜き、何とか彼のセカンドサービスにプレッシャーをかけることができた」

 第1セットのジョコビッチは勝負をタイブレークにもち込むため、3つのブレークポイントをしのがなければならなかった。第2セットでは、ジョコビッチのほうが2度にわたって先にブレークを果たしたが、そのたびにラオニッチが反撃して追いついた。

 今年ウィンブルドンで決勝進出を果たしているラオニッチは、ジョコビッチのプレーの不安定さもあって、2つのタイブレークの双方でリードを奪ったが、そのリードを守りきることができなかった。

 「チャンスを得ることはできたが、ジョコビッチはそれらのチャンスのほとんどでいいプレーをしてきた」とラオニッチは言った。

 ラオニッチは、次の試合でドミニク・ティーム(オーストリア)を倒しさえすれば準決勝に進むことができる。

 「ときに、僕らテニスプレーヤーは敗戦をなかなか忘れることができずに苦労するものだ。だが、今の僕がしなければならない第一のことが、それだ」

 この試合のジョコビッチは、ラオニッチのウィナー42本に対し、11本しかウィナーを決められなかったが、それでも今大会5連覇(合計6度の優勝)に向けて正しい軌道の上にとどまるために十分だった、ということになる。

 「彼のようなビッグサーバーに対して2つのタイブレークを制したというのは非常によい勝利であり、大きな自信につながる」とジョコビッチは言った。(C)AP

【15日試合結果】※現地時間

第1試合 ○ジェイミー・マレー/ブルーノ・ソアレス(イギリス/ブラジル)[2] 6-3 1-6 6-4 ●ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[3]

第2試合 ○ドミニク・ティーム(オーストリア)[8] 6-3 1-6 6-4 ●ガエル・モンフィス(フランス)[6]

第3試合 ○イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[6] 7-5 6-4 ●トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)[8]

第4試合 ○ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] 7-6(6) 7-6(5) ●ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[4]

【16日試合予定】

第1試合(12時開始)ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[5] vs レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)[7] 

第2試合(14時以降)アンディ・マレー(イギリス) [1] vs 錦織圭(日本)[5]

第3試合(16時以降)ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[1] vs フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[4]

第4試合(18時以降)スタン・ワウリンカ(スイス)[3] vs マリン・チリッチ(クロアチア)[7]