侍ジャパンでも圧巻の活躍を見せる日本ハムの大谷翔平投手について、米メディアが「一生に一度お目にかかれるかの才能」だと大絶賛している。米国のメジャーリーグ専門チャンネル「MLBネットワーク」が番組の中で大谷を取り上げ、米紙「ニューヨーク・ポス…

侍ジャパンでも圧巻の活躍を見せる日本ハムの大谷翔平投手について、米メディアが「一生に一度お目にかかれるかの才能」だと大絶賛している。米国のメジャーリーグ専門チャンネル「MLBネットワーク」が番組の中で大谷を取り上げ、米紙「ニューヨーク・ポスト」の名物コラムニスト、ジョエル・シャーマン記者が二刀流右腕について熱弁を振るった。シャーマン記者は、メジャー球団のスカウトが熱視線を送っていることなども紹介している。

■米名物記者が大谷翔平について熱弁「世代で最高の才能を秘めている」

 侍ジャパンでも圧巻の活躍を見せる日本ハムの大谷翔平投手について、米メディアが「一生に一度お目にかかれるかの才能」だと大絶賛している。米国のメジャーリーグ専門チャンネル「MLBネットワーク」が番組の中で大谷を取り上げ、米紙「ニューヨーク・ポスト」の名物コラムニスト、ジョエル・シャーマン記者が二刀流右腕について熱弁を振るった。シャーマン記者は、メジャー球団のスカウトが熱視線を送っていることなども紹介している。

 番組では、司会者の「日本のベーブ・ルースと呼ばれる存在がいるそうですね?」というコメントから、大谷についての“特集”がスタート。出演者の1人で、「ニューヨーク・ポスト」ですでに大谷についての記事を執筆していたシャーマン記者に「これは本当なのか?」と話をふると、名物コラムニストは熱い口調で話し始めた。

 まずは「毎年、僕はオフシーズンが始まると米国外の選手の情報を聞いて回るんだが、多くの人は大谷が来オフに挑戦するのではという見方をしている」と、ポスティングシステム(入札制度)を使ってのメジャー移籍は1年後になると予想。そして、「彼は非常に魅力的な存在だ。彼を実際に見た複数の人の話をまとめれば、『世界有数の投手』ということだ。7回以降でも98マイル(約158キロ)を投げ、圧倒的な変化球もある。しかし、彼は打者としても素晴らしい。22本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率)は1.000を超えている」と、大谷がいかに素晴らしい選手であるかを説明している。

 大谷は今季、投手として21試合登板で10勝4敗、防御率1.86、174奪三振をマーク。一方で、打者としては打率.322、22本塁打、67打点、OPS1.004と好成績を残し、日本ハムを10年ぶりの日本一に導いた。

 そんな二刀流右腕にシャーマン記者は「もちろん、まだミステリーと言える部分はある。ただ、投げて、打って、まさにベーブ・ルース的な数字を残している」と話したが、10勝&20本塁打はベーブ・ルースをも上回る偉業だ。

■メジャー球団との交渉で二刀流容認が条件になる可能性も?

 さらに、同記者は大谷が花巻東高時代にいったんはプロ野球を経ないでのメジャー行きを表明したことにも言及。「彼は直接の米国挑戦を公言し、ヤンキースとレッドソックスは信じられないほどのスカウト活動を行っていた。多くのNPB球団がドラフト指名をためらうなか、大谷はなぜ日本ハム入団を決めたのか。それは日本ハムが二刀流の道を提示したからだ。彼は19歳からローテーションを守っている、ドワイト・グッデンみたいにね」。グッデンは1984年にメッツで19歳でメジャーデビューし、17勝9敗、リーグトップの276奪三振をマーク。そして、2年目の85年には24勝4敗で最多勝に輝き、268Kで2年連続奪三振王のタイトルも獲得した。

 オフに入ってから多くの米メディアが特集を組むなど、早くもメジャーで話題の中心となっている大谷。ただ、必ずと言っていいほど議論になるのは、渡米後も二刀流を継続できるのかという点だ。「MLBネットワーク」でも、マリナーズなどで二塁手として活躍した解説者のハロルド・レイノルズ氏が「二刀流は可能なのだろうか。アメリカでもそうなるのだろうか」と疑問を投げかけている。

 これに対してシャーマン記者は、大谷がメジャー挑戦を決めた際には、二刀流容認を条件にする可能性があるとの見方を示す。「思うに、彼は交渉時に優位な位置に立つと思う。『もし僕にこれをさせてくれないのならば、違う球団を探します』とね」。さらに、譲渡金の上限が2000万ドル(約21億3000万円)となっている現行のポスティングシステムが、来オフに期限が切れて見直しとなることで、「日本ハムが(大谷の)渡米を遅らせる要因となる」との見方も示している。

 また、日本人投手にこれまでつきまとってきたのがケガのリスクだ。近年では、田中将大投手(ヤンキース)が1年目(2014年)の途中に右肘靭帯部分断裂で長期離脱し、ダルビッシュ有投手は昨季開幕前に右肘靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けて約1年間の離脱を余儀なくされた。メジャーでは、先発投手が中4日と日本に比べて過酷な日程でマウンドに上がるが、日本時代の「投げすぎ」が負傷の要因となっているとする声は根強い。ただ、シャーマン記者は大谷については「プラスと言える点もある」と主張する。

■MLBスカウトも“虜”、「まるでハリウッド。目が離せない」

「日本からスター選手が(メジャー)挑戦することはこれまでにもあった。高いレベルだが、故障への不安がある。ダルビッシュや田中のようにね。その点、大谷はまだ若く彼らほどは投げていない。まだ、22、3歳なんだ」

 これは米国内で大谷の価値をさらに上げる要素の1つになりそうだ。

 そして、シャーマン氏は最後に最大級の賛辞を並べて、“大谷特集”を締めくくっている。大谷を高く評価しているのはメディアだけではなく、そのプレーを直接見ているメジャー球団のスカウトが、大谷翔平というタレントの出現に胸を躍らせているというのだ。

「それ(22歳)でいて、100マイル(約161キロ)を投げる才能も兼ね備えている。(カードの)初戦に先発して、2戦目にはクリーンアップを打つ可能性を秘めた存在と知れば、見ていて間違いなく釘付けとなるはずだ。彼は一生に一度お目にかかれるかという、その世代で最高の才能を秘めている。

 スポーツ界の一般的な話として、素晴らしいアスリートがいると目が離せなくなるはずだ。スカウトや球団関係者が大谷を見て語るのは、まさにこれなんだ。あるスカウトは私にこう言ったよ。『彼を見てみろよ、まるでハリウッドだ。目が離せないだろ』」

 これまで多くの才能を発掘してきたスカウトを虜にする圧倒的な能力。メジャー挑戦は来オフと言われているにもかかわらず、二刀流右腕は米球界の話題で中心となりつつある。そして、その評価は天井知らずで上がり続けている。