インディカーシリーズに参戦する佐藤琢磨(43)が23日に行われた「第104回インディ500」(米インディアナポリス)で、2017年以来となる3年ぶり2度目の優勝を飾った。複数回の勝利を果たしたのは史上20人目。日本時間24日にはNHKだけ…

 インディカーシリーズに参戦する佐藤琢磨(43)が23日に行われた「第104回インディ500」(米インディアナポリス)で、2017年以来となる3年ぶり2度目の優勝を飾った。複数回の勝利を果たしたのは史上20人目。日本時間24日にはNHKだけでなく、地上波の民放キー局全てがスポーツニュースで歴史的な優勝を取り上げ、反響の高さをうかがわせた。


ウイナーズサークルで優勝者に与えられる牛乳を頭から浴びる佐藤琢磨(ホンダ提供)

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 琢磨のマネジメント事務所によると、レース後にNHK総合だけでも「ニュース・気象情報」「ごごナマ」「ニュースウオッチ9」「ニュースきょう一日」などの報道・情報番組が伝え、衛星放送のNHK・BS1では24日午後7時から「【祝優勝!佐藤琢磨】完全放送 世界最速レース インディ500 佐藤琢磨が挑む!」のタイトルで大会を録画で放送した。

 モータースポーツの話題がスポーツニュースで一斉に取り上げられるのは珍しい。かつては放映権を有している放送局のみが伝えることが多く、F1はブームだった1980年代後半からはフジテレビだけが独占的に扱い、オートバイのロードレース世界選手権(モトGP)も日本テレビのみ。言い換えれば、特定のモータースポーツ競技に対してはどんなに活躍しても放映権を持つ局以外は無視をしてきたということになる。

 琢磨が2017年にインディ500を初制覇した時よりもスポーツニュースで取り上げられた頻度は高く、モータースポーツ関係者からも「今度こそ国民栄誉賞ものの快挙ではないか」との声もあがり始めている。

 前回優勝した時にはモータースポーツの選手では初めてとなる「内閣総理大臣顕彰」を授与された。スポーツ界ではゴルフの岡本綾子、サッカーのジーコ、柔道の田村亮子(現在は谷姓)、大相撲の魁皇(現・浅香山親方)らに贈られた栄誉ある顕彰には違いない。が、なじみのある「国民栄誉賞」の方が事実上、上位の位置付けにあることは否めない。


インディ500では琢磨はスタート直後からトップ争いを演じた(ホンダ提供)


 インディ500は1911年に初開催され、仏ルマン24時間レース、F1モナコGPとともに世界3大レースに数えられるなど、モータースポーツの世界でも一目置かれている。F1ジャーナリストのルイス・バスコンセロス氏も「欧州の新聞でもインディ500で琢磨が2度目の優勝をしたことは大きく報じられている。インディ500は運良く1勝する可能性はあるが、2勝するのは至難の業だ」と分析する。

 国民栄誉賞に輝いたスポーツ選手のうちプロ野球は4人、五輪は5人、大相撲2人。そのほか団体ではサッカーの女子W杯で優勝した「なでしこジャパン」が受賞した。スポーツ競技に優劣はないが、選ばれるのはその時の首相のさじ加減によるところが大きく、どうしても注目度の高いプロ野球、五輪に偏る傾向にはある。ちなみに昨年の全英女子オープンで初出場初優勝したゴルフの渋野日向子にも声はかからなかった。

 琢磨の2度目のインディ500優勝は自動車産業を盛り上げることにもつながっているのだから、国民栄誉賞に匹敵する偉業だと信じたい。安倍首相も健康問題で今後の進退が注目されているが、仮に電撃辞任を決断するのであれば、その前に「置き土産」として琢磨に国民栄誉賞を贈ってはいかがだろうか?

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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