「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額700万ドル/室内ハードコート)の開幕前日の12日、錦織圭(日本/日清食品)は会場のO2アリーナで練習を行った。午前中に約2時間、ジュニア選手と練習したあと、…
「バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ」(イギリス・ロンドン/賞金総額700万ドル/室内ハードコート)の開幕前日の12日、錦織圭(日本/日清食品)は会場のO2アリーナで練習を行った。午前中に約2時間、ジュニア選手と練習したあと、センターコートに移動、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と試合形式の練習を含め、約1時間打ち合った。
選手のコメントによると、コートの球足はもともと遅めとはいえ、ここ数年より速くなったようだ。錦織もベースラインでのラリー戦を挑むだけでなく、ポイントを早く終わらせる戦術を採用すると予想され、この日もサービスやリターン、グラウンドストロークからネットを奪う練習を念入りに行った。
錦織とスタン・ワウリンカ(スイス)の初戦は14日に予定されている。対戦成績は錦織の2勝4敗。今季はマスターズ・トロント(ATP1000)の準決勝で錦織がストレートで勝ったが、全米の準決勝では雪辱を許した。
ワウリンカは11日に行った会見で「タフな相手だ。コートコンディションが速いので、攻撃的にプレーすること、プレッシャーをかけて彼を後ろに下げることが重要になる。フィジカルの戦いに持っていきたい」と語った。
この大会の焦点のひとつが、マスターズ・パリ(ATP1000)から続く、新王者アンディ・マレー(イギリス)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)のランキング1位争い。現在、マレーが405点差をつけているが、今大会で1位が入れ替わるシナリオは何通りも想定され、ジョコビッチには自力での1位奪回のチャンスもある。マレーがどこかで敗れればそれだけジョコビッチにチャンスが広がる。
11月7日付けのランキングで初めて1位となったマレーは、その後の数日間について「これまでと大きな違いはないが、コートに立つと自信を感じる」と話している。先週末には、ランキング1位になって初めてイワン・レンドル・コーチと電話で話した。ふたりは「常に進歩しようと努め、常に向上すること」を改めて確認し合ったという。
「彼と活動するようになって、僕がずっとやってきたことだよ」とマレー。特別なことをするのではなく、以前と変わらぬハードワークが新チャンピオンのスタンスだ。
ただ、新王者はどちらかと言えばこの大会を苦手にしている。2008、2010、2012年に準決勝に進出したが、決勝進出はまだない。
一方、ジョコビッチは2008年の初優勝から計5度、栄冠を手にし、現在4連覇中だ。マスターズ・パリはベスト8で終わるなど本調子ではないが、「最善の結果でシーズンを締めくくりたい」と意気込む。
頂点にもっとも近いのがこの2強だが、昨年まで3年連続準決勝進出のワウリンカ、シーズン後半戦好調で、今大会の伏兵に挙げられるマリン・チリッチ(クロアチア)、さらに2014年に初出場で準決勝進出の錦織が中心の優勝争いとなりそうだ。
(テニスマガジン/ライター◎秋山英宏)
【ATPファイナルズ・シングルス・グループ分け】※[ ] 数字はシード順位
グループ|ジョン・マッケンロー[1] アンディ・マレー(イギリス)[3] スタン・ワウリンカ(スイス)[5] 錦織圭(日本)[7] マリン・チリッチ(クロアチア)
グループ|イワン・レンドル[2] ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[4] ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[6] ガエル・モンフィス(フランス)[8] ドミニク・ティーム(オーストリア)
【ATPファイナルズ・ダブルス・グループ分け】
グループ|フレミング/マッケンロー[1] ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)[4] フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)[5] ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)[7] レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)
グループ|エドバーグ/ヤリード[2] ジェイミー・マレー/ブルーノ・スアレス(イギリス/ブラジル)[3] ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)[6] イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)[8] トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)
【13日試合予定】※現地時間
第1試合(12時開始)ボブ・ブライアン/マイク・ブライアン(アメリカ)vs イバン・ドディグ/マルセロ・メロ(クロアチア/ブラジル)
第2試合(14時以降)ノバク・ジョコビッチ(セルビア)vs ドミニク・ティーム(オーストリア)
第3試合(18時以降)ジェイミー・マレー/ブルーノ・スアレス(イギリス/ブラジル)vs トリート・ヒューイ/マックス・ミルニー(フィリピン/ベラルーシ)
第4試合(20時以降)ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)vs ガエル・モンフィス(フランス)
【14日試合予定】
第1試合(12時開始)ピエール ユーグ・エルベール/ニコラ・マウ(フランス)vs レイブン・クラーセン/ラジーブ・ラム(南アフリカ/アメリカ)
第2試合(14時以降)スタン・ワウリンカ(スイス)vs 錦織圭(日本)
第3試合(18時以降)フェリシアーノ・ロペス/マルク・ロペス(スペイン)vs ヘンリー・コンティネン/ジョン・ピアース(フィンランド/オーストラリア)
第4試合(20時以降)アンディ・マレー(イギリス)vs マリン・チリッチ(クロアチア)