テニスの元世界王者アンディ・マレー(イギリス)は、先頃Instagramでファンからの質問を受け付けた。その中で「見るのが一番好きなトップ10選手は」と問われると、マレーはラファエル・ナダル(…

テニスの元世界王者アンディ・マレー(イギリス)は、先頃Instagramでファンからの質問を受け付けた。その中で「見るのが一番好きなトップ10選手は」と問われると、マレーはラファエル・ナダル(スペイン)を選んだ。Tennis World USAが伝えている。【動画】昔のナダルvsマレーの激戦2007年全豪オープン4回戦

マレーがロジャー・フェデラー(スイス)でもノバク・ジョコビッチ(セルビア)でもなくナダルを選んだ理由は、ナダルのコート上でのエネルギーとテニスに対する姿勢だそうだ。他に見るのが好きな選手として、ガエル・モンフィス(フランス)とニック・キリオス(オーストラリア)の名前を挙げた。

マレーとナダルの友人関係は長い。マレーはジュニアの頃、テニスの技術を磨くためスペインに行っていたからだ。ツアーレベルで二人が初めて対戦したのは2007年の「全豪オープン」4回戦で、フルセットの激闘をナダルが制した。以来通算24回対戦し、ナダルが17勝している。

24回も対戦しているが、決勝での対戦は多くはなく、2009年の「ATP500 ロッテルダム」と「ATP1000 インディアンウェルズ」、2011年の「楽天ジャパンオープン」、2015年「ATP1000 マドリード」の4回だけだ。直近の対戦は2016年の「ATP1000 マドリード」準決勝で、7-5、6-4でマレーが制している。

2016年の後半は、マレーは素晴らしい戦績を残し、通算78勝、9回の優勝を遂げて、年末世界ランキング1位の座に輝いた。マレーはこの年後半、北京、上海、ウィーン、パリ、そして「ATPファイナルズ」と、5大会連続で優勝。最終戦の最後の試合でジョコビッチを抜いて、1位の座を奪ったのだ。

マレーは翌年の「ウィンブルドン」まで1位の座を守ったが、前年からの疲労と、骨盤の怪我のせいで2017年後半は試合に出ることができなかった。2018年1月に手術を受け、6月にはツアーに復帰して12試合を戦ったが、2019年1月に再手術を受けることとなった。

2019年「全豪オープン」1回戦ではロベルト・バウティスタ・アグート(スペイン)と素晴らしい試合を繰り広げたが、多くのファンはそれがマレーの現役最後の試合となるのではと恐れた。骨盤の怪我の痛みは、マレーのテニスだけでなく日常生活にまで苦痛を与えていた。

だがマレーは戻ってきた。2019年6月にフェリシアーノ・ロペス(スペイン)と組んだダブルスで「ATP500 ロンドン」で優勝すると、10月には「ATP250 アントワープ」決勝でスタン・ワウリンカ(スイス)を倒して、2017年「ATP500 ドバイ」以来となるシングルス優勝を遂げたのだ。

だが同年の「デビスカップ・決勝」で、マレーは再び骨盤を痛め、2020年初めの「ATPカップ」、「全豪オープン」その他の大会を欠場してしまう。そしてプロテニスツアーは世界的なコロナ禍により5ヶ月間中断し、ようやく今月再開となったニューヨークで、マレーは再度の復活を目指している。

見るのが好きなトップ10選手についてマレーはこう語った。「ナダルの試合を見るのは大好きなんだ、彼のエネルギー、テニスに対する姿勢…どこから見ても偉大な選手だ。モンフィスも好きだな、彼のびっくりするようなプレーを見るのはいつも楽しいよ。キリオスも…彼が集中してる時はね」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP1000ウェスタン&サザン・オープンビスカップ」で練習するマレー

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)