今季の男子ツアー最終戦『バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ』(11月13~20日/賞金総額700万ドル)に出場する錦織圭が11日、会場のO2アリーナ(イギリス・ロンドン)で記者会見を行い、「ここにいるのが当たり前のように感じ…

 今季の男子ツアー最終戦『バークレイズATPワールドツアー・ファイナルズ』(11月13~20日/賞金総額700万ドル)に出場する錦織圭が11日、会場のO2アリーナ(イギリス・ロンドン)で記者会見を行い、「ここにいるのが当たり前のように感じる。どこまで上にいけるか」と大会に臨む心境を語った。

 初出場の2014年は熾烈な出場権争いで、直前のパリ・マスターズまで出場が決まらなかったが、今回は楽天ジャパンオープンの翌週、上海マスターズの期間中に最終戦出場が確定した。直前の大会まで気を揉む必要もなく、錦織は「気持ち的には少し楽だった」と言う。

 楽天オープンは臀部の負傷で2回戦を途中棄権したが、その分、ヨーロッパのインドア・シリーズに向けて調整期間ができた。「バーゼル(ATP500)もパリ(ATP1000)も、もう少し上にいきたかったが、2大会をこなせて、しっかり準備ができている」と過去2大会との違いを強調する。

 1次リーグのジョン・マッケンロー組は、世界ランキング1位に上りつめたアンディ・マレー(イギリス)、3位のスタン・ワウリンカ(スイス)、今季後半戦絶好調のマリン・チリッチ(クロアチア)が揃う。

 厳しい試合が続くことが予想されるが、「あっち側(イワン・レンドル組)にも苦手な選手がいる。どちらにしろタフ。そんなには気にはしてない」と覚悟は決まった。

 「昨日、今日から相手に対する作戦を考えながら練習している。いろいろ考えながら練習ができる分、早く対戦相手を知るのもいいかなと思っている」

 錦織とチームはすでに臨戦態勢に入っている。ランキングでも5位につけ、初々しさの目立った初出場の2年前とは貫禄が違う。

 「新しい選手も何人か入ってきて、自分も中堅に入りつつあるのは感じている」

 具体的な目標は口にしなかったが、シーズン最後の戦いだけに、力を出し尽くすこと、一つでも多く勝つことを自分に課しているはずだ。

 「1年目はここにいれることで幸せを味わった。今は当たり前と感じる。この8人の中でどう戦っていくか。チャレンジだが、どこまで上にいけるかが大きな目標になる」

 来季の飛躍のためにも大事な大会。まずは14日のワウリンカ戦に全力投球だ。

(テニスマガジン/ライター◎秋山英宏)

【ATPファイナルズ・シングルス・グループ分け】※[ ] 数字はシード順位

グループ|ジョン・マッケンロー[1] アンディ・マレー(イギリス)[3] スタン・ワウリンカ(スイス)[5] 錦織圭(日本)[7] マリン・チリッチ(クロアチア)

グループ|イワン・レンドル[2] ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[4] ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)[6] ガエル・モンフィス(フランス)[8] ドミニク・ティーム(オーストリア)