8月14日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの5日目が行われ、第1試合は延長12回タイブレークの末、3対2で法大が勝利した。好救援で勝利し、喜ぶ法大・野尻法大は3回、2死二塁のチャンスを作ると、永…

8月14日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの5日目が行われ、第1試合は延長12回タイブレークの末、3対2で法大が勝利した。

好救援で勝利し、喜ぶ法大・野尻

法大は3回、2死二塁のチャンスを作ると、永廣知紀(4年・大阪桐蔭)のタイムリーで先制。4回に同点とされ、互いにランナーを出しつつもホームが遠い展開が続き、1対1のまま延長戦に突入。

特別規則によりタイブレークとなった10回、犠打で走者を進めると永廣がこの日2本目となるタイムリーを放って勝ち越しに成功。だがその直後、同点に追いつかれ、11回は互いに無得点。
12回は犠打で1死二、三塁とチャンスを広げ、途中出場の海﨑雄太(2年・埼玉栄)が内外野の間に落ちるヒットで三度リードを奪う。
そしてその裏のマウンドに上がったのは、途中出場でライトの守備に就いていた野尻幸輝(2年・木更津総合)。交代を告げるアナウンスに球場中がどよめいたが、大学入学後に登板経験はないものの、積極的にブルペンに入り、また打撃投手を務める姿が評価されての抜擢だった。その野尻は先頭打者のバントを素早いダッシュと送球で三塁封殺し、さらに打者走者もアウト。2死二塁と自らを楽にする好フィールディングで魅せた。
野尻の好救援で法大が逃げ切り、連勝を3に伸ばした。

決勝打の法大・海﨑はこぶしを突き上げて喜んだ

明大は先発した入江大生(4年・作新学院)が先制点こそ奪われたが、粘り強いピッチングで追加点は許さず。だが打線も8安打を放ち法大投手陣に食らいつくが、リードを奪えずに惜敗した。
これで4連敗となり、今季残すは1試合。試合後、入江は「どうしてもチームを勝たせたいという思いがあったが、1点で勝負が決まってしまった。あの1点を取られていなければ勝っていた。早く田中武宏監督にウイニングボールをあげたい」と切実に語った。

■法政大vs明治大
法大 001 000 000 101=3
明大 000 100 000 100=2
【法】三浦、水澤、鈴木、高田孝、落合、〇山下輝、野尻-大柿
【明】入江、高橋、●中山-篠原

◎法政大・青木久典監督
「死の法明戦と言われるくらいですので、いい試合でした。入江君はさすがエース。素晴らしい投手だと思います。この試合を取れたことは、チームに勢いをもたらせてくれました。投手陣に感謝です。タイブレークでは選手たちに助けてもらいました。野尻には、もしかしたら登板があると伝えていました。彼の準備力も素晴らしいです。」

◎法政大・野尻幸輝(2年・木更津総合)
「最後に抑えで行くと言われてしっかり準備をしていました。打撃で貢献できなかったので、投手で貢献したいと思っていました。投げる機会を与えてもらって非常に嬉しかったです。」

文・写真=山田沙希子