8月11日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの2日目が行われた。この日、チーム開幕戦となった法大は、エースと4番の活躍により6対3で東大を倒し、初戦を飾った。甲子園でも活躍した鈴木が力強さを増し、神宮…

8月11日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた東京六大学野球春季リーグの2日目が行われた。この日、チーム開幕戦となった法大は、エースと4番の活躍により6対3で東大を倒し、初戦を飾った。

甲子園でも活躍した鈴木が力強さを増し、神宮で主役となれそうな成長を見せている

チーム開幕戦のマウンドに上がったのは、ドラフト候補左腕の鈴木昭汰(4年・常総学院)。「走っていたストレートで押せたのが良かったです」と振り返ったように、140キロ代後半の力強い球を軸に、そこから緩急も交えた投球で初回から三者連続三振を奪う快調な滑り出し。さらに3回には不運な形の安打2本を打たれたが、3アウトすべてを三振で奪ってピンチを切り抜けた。
また、4回には先頭打者を四球で歩かせてしまい、1死後にこの日唯一となる強い打球をライト前に安打を打たれたが、右翼手の片瀬優治(4年・法政二)の好送球で三塁を狙った一塁走者を刺し、鈴木もその後の打者をきっちりと凡打に抑えた。

すると打線はその裏に死球で先頭打者が出ると、続く4番の村田雄大(4年・横浜)が「打った瞬間に確信しました」と本人も振り返る会心の打球はライトスタンドに一直線。185センチ95キロの大型外野手として期待されながらも、この打席までリーグ戦無安打だった男による値千金の一発となった。
 さらにこの後にも2点を追加した援護をもらった鈴木はその後も勢いは収まることなく6回11奪三振で無失点。前日の慶大戦で8安打を放った打線を3安打(ヒット性の当たり1本)に抑える好投を見せた。

 その後、粘る東大に2点差まで詰め寄られた法大だが、8回裏に代打の宮崎秀太(2年・天理)も初打席初安打初打点となるタイムリーを放ってダメ押し。9回表は高校時代から注目を集める大型左腕・山下輝(3年・木更津総合)が3人できっちりと試合を締めた。

主将を務める中村迅(4年・常総学院)らの無失策の好守も光った

■東京大vs法政大
東大 000000030=3
法大 00041001X=6
【東】●西山、小宗、横山、松田-大音
【法】○鈴木、落合、三浦、山下輝-大柿
本塁打:村田(4回2ラン)

◎法大・青木久典監督
「鈴木はエースとして素晴らしい投球をして良い流れを持ってきてくれました。村田は飛ばす能力もあるし人一倍責任感があって練習も人一倍、二倍する選手。もう少し早く出てきて欲しかったですけど(笑)いい自信になったと思います」

◎法大・村田雄大(4年・横浜)
「苦しい思いをしてきたのでホッとしました。(昨年との違いは)自分のスイングができるようになったこと。求められている打撃と一致させることで成長できました。4番はチームの顔と言われているので、その役割に恥じぬようしていきたいです」

文・写真=高木遊