2年ぶり19回目の出場となった中京大が東北の雄である富士大を破り、36年ぶりに初戦を突破した。

 この勝利に大きく貢献したのが1年生の井戸田智也内野手(鹿児島実業)だ。同点に追いつかれた直後の7回表に二死二塁のチャンスで打席に立つと、1ボールから佐々木健投手(4年・木造)のチェンジアップをセンター前に弾き返し、二塁走者の河田航平外野手(2年・中京大中京)が生還。勝ち越し点を奪うことに成功し、相手に行きかけた流れを再び引きも出した。

侍ジャパン大学代表候補でもある富士大・佐々木から7回に勝ち越し打を放った井戸田。この日は3安打3打点の活躍

 

 さらに9回表にも二死二塁の場面で再び井戸田に打席が回る。「佐々木さんと1対1の勝負がしたい」と意気込んでいた打席は2ボール2ストライクから外角のスライダーに上手く反応し、右中間を破る適時三塁打。貴重な追加点を挙げた中京大は7回から登板した山本一輝投手(2年・東郷)の好リリーフもあり、富士大に反撃を許さず強豪相手に勝ち星を奪った。

 

3回無失点と富士大打線を封じた山本

 愛知県名古屋市出身の井戸田は鹿児島実業時代に2年春の甲子園に1番遊撃手として出場している。半田卓也監督はるばる鹿児島まで勧誘に来た際にその人柄に惹かれ、「中京大で日本一を目指そう」と入学を決意し愛知に戻ってきた。リーグ戦後半からスタメンに名を連ね、初の神宮でも大いに躍動した。半田監督が「将来は中心選手になってほしい」と期待を寄せるホープの今後も注目だ。

 敗れた富士大は3番・楠研次郎外野手(4年・東海大相模)が4回に本塁打、4番・佐藤龍世内野手(4年・北海)が6回に適時二塁打を放つなど中軸が活躍。3回から登板した佐々木が流れを引き寄せる好投を見せたが、井戸田の勝負強さの前に惜しくも屈した。

 

本塁打を放ち、ガッツポーズを見せる楠

★1回戦・中京大vs富士大
中京大 020000101=4
富士大 000101000=2
【中】大内、○真田、山本-池田
【富】村上、●佐々木-下地
本塁打:中京大・池田≪2回ソロ≫、富士大・楠≪4回ソロ≫

◎中京大・半田卓也監督
「2年ぶりの神宮で勝ててもいなかったのでとにかくチャレンジャーの気持ちでした。井戸田は真面目な人間でしっかりとした考え方を持っている選手です。将来的にはチームの中心選手になってほしいと期待しています」

◎中京大・井戸田智也内野手
「先輩方からの『結果はいいから1年生らしく思い切りやっていけ』という言葉が自分の中で強みになってこのような結果が出たと思います。佐々木さんはデータを見て良い投手でしたし、いい打球を打ちたいと思っていました。全国に来たからには1回戦で負けることはしたくなかったので、勝てたことは大きなことなのかなと思います」

◎富士大・豊田圭史監督
「流れを持ってこられなかったですね。チームの状態は悪くなかったと思いますが、初戦の固さを感じました。悔しいところはありますが、経験を活かして成長してほしいです」

文・写真=馬場遼