トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」(10月23~30日/シンガポール/賞金総額700万ドル)のシングルス決勝で、第7シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)が驚くべきクールなショーを披露し、第1シードのアンジェリック・ケ…

 トップ8によるエリート大会「WTAファイナルズ」(10月23~30日/シンガポール/賞金総額700万ドル)のシングルス決勝で、第7シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)が驚くべきクールなショーを披露し、第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を6-3 6-4で倒す番狂わせを演じてみせた。  初出場だったチブルコバは、今週ケルバーに勝つのにふさわしい相手だった。というのも、ふたりはラウンドロビンの初戦で対戦し、そのときはケルバーが7-6(5) 2-6 6-3で辛勝していたのだ。  「初めてここにやって来て、私の人生でもっとも大きなタイトルを勝ち獲ることができたなんて言葉もないわ」とチブルコバは言った。「最後に、本当に“運”は私の味方だった、ということがわかったわ」。  ケルバーはチブルコバとのここ5試合に勝っていたが、これで対戦成績は5勝5敗のタイとなった。  この76分の試合の中でチブルコバが唯一ナーバスに見えた瞬間は、彼女が6-3 5-4からサービスに入ったときだ。フォアハンドがネットの上部に当たって相手コートに落ち、勝利を手にすることになる前に、彼女は3つのマッチポイントでミスをおかし、2つのブレークポイントをしのぐことになった。  とはいえ全体を見れば、この試合の最初のボールを打ったときから、チブルコバは出力全開で展開を完全に牛耳り、思いのままにウィナーを打ち込んで、ケルバーに持ち前のテニスをさせなかった。

 対照的にケルバーは、彼女を世界1位の座に導いたスキルを一度も見せることができなかった。彼女はフラストレーションを感じて、いらいらしているように見え、チブルコワの多彩なショットに対処することができていなかった。  「今日、私は、コート上で可能な限りすべての力を尽くしたわ」と、ケルバーは涙を押し殺しながら観客に向かって言った。

 チブルコバのウィナーは28本だったのに対し、ケルバーは14本にすぎず、チブルコバは14本しかアンフォーストエラーをおかさなかったのに対し、ケルバーは23本だった。  ラウンドロビンを1勝2敗で勝ち抜いた選手がWTAファイナルズに優勝したのは、これで2年連続となる。チブルコバが1勝2敗だったのに対し、ケルバーはラウンドロビンで3勝0敗だった。昨年にはアグネツカ・ラドバンスカ(ポーランド)が、やはりチブルコバと同じ成績でラウンドロビンを勝ち抜いたのち、トロフィーを獲得している。  年末ランキングでキャリア最高の5位となるチブルコバは、53勝21敗の成績で今年を閉めくくることになった。これは彼女がこれまでのキャリアで、一シーズンに勝ったツアーレベルの試合数としては最多となっている。(C)AP