スイス・バーゼルで開催された「スイス室内」(10月24~30日/賞金総額170万1320ユーロ/室内ハードコート)のシングルス準決勝で、第3シードの錦織圭(日本/日清食品)が完璧なトップスピンロブを放ってマッチポイントをしのぎ、ジル・ミ…

 スイス・バーゼルで開催された「スイス室内」(10月24~30日/賞金総額170万1320ユーロ/室内ハードコート)のシングルス準決勝で、第3シードの錦織圭(日本/日清食品)が完璧なトップスピンロブを放ってマッチポイントをしのぎ、ジル・ミュラー(ルクセンブルク)に4-6 7-6(3) 6-3で逆転勝ちした。  世界5位の錦織は、37位のサウスポー、ミュラーに対して、第2セット4-5のサービスゲームで30-40とされ、番狂わせまであと1ポイントの危機に直面する。錦織は、ネットにつめたミュラーの足元へバックハンドを沈めると、ミュラーのバックボレーに対してベースラインの後ろへ下がりながらフォアハンドのロブを上げた。 「腕が震えていた。彼にとってのマッチポイントだったから」と錦織。彼は、そのすぐあとに2度目のマッチポイントもサービスエースでしのいでみせた。  錦織は、第2セットのタイブレークでミュラーを圧倒し、第3セットでは主導権を握り返して2時間14分の戦いの末に、勝利を決めた。  2011年大会の決勝でロジャー・フェデラー(スイス)に敗れている錦織は、2月のメンフィス(ATP250/室内ハードコート)に続く今季2度目のツアー・タイトルを目指している。今季の錦織は、キャリア最高の56勝を記録しているところでもある。  錦織は決勝で、第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と対戦することになった。チリッチもまた相手に先行されていたが、最終的に、予選勝者のミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に4-6 7-5 6-3で競り勝った。  それにより日曜日の決勝は、2014年全米オープン決勝と同じ顔合わせとなった。そのときはチリッチが3セットのストレート勝利をおさめている。  チリッチはこの決勝進出によって、来月行われるトップ8による「ATPファイナルズ」の出場権を巡るレース・ランキングで8位に浮上した。  世界12位のチリッチは、ズベレフに対して第1セットを落とす過程で、今週初めてサービスをブレークされた。ズベレフは前日の準々決勝で、全米チャンピオンのスタン・ワウリンカ(スイス)を長い戦いの末に破ったあとの試合だった。  第2セットのチリッチは、4-4からのサービスゲームで3度ブレークポイントをしのいでキープし、それから、自分にとってこの試合最初のブレークチャンスをものにしてセットを勝ち取り、勝利につなげた。(C)AP(テニスマガジン)