スポルティーバ厳選! 高校野球 47都道府県の注目選手静岡編  新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を行なうことを決めた。静岡も7月11…

スポルティーバ厳選! 
高校野球 47都道府県の注目選手
静岡編

  新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を行なうことを決めた。静岡も7月11日から「2020夏季静岡県高校野球大会」が開催され、8月1日に決勝が行なわれる予定だ。白熱した戦いが繰り広げられるなか、活躍が期待させる好選手たちを紹介したい。



最速148キロを誇る静岡商のエース・高田琢登

 今年の静岡は、県内屈指の伝統校であり、宿命のライバルである「静高(しずこう/静岡高)」と「静商(せいしょう/静岡商)」に注目選手が揃う。

 なかでも注目は、静岡商の左腕・高田琢登(たくと)だ。7月5日に行なわれた静岡高との練習試合に先発し、7回をわずか1安打に抑え、3者連続を含む7奪三振と圧巻の投球を披露した。

 高田は1年夏からベンチ入りし、2年からはエースとしてマウンドに立ってきた。昨年夏に146キロをマークし、秋には148キロを記録するなど順調に階段を駆け上がってきたが、東海大会1回戦で津商(三重)に10失点KO負け。そこから下半身トレーニングに力を入れ、スプリットもマスターした結果、ストレートはコンスタントに140キロを超え、空振りを奪える球種ができたことで実戦力が格段に上がった。

 一方の静岡高にも、昨年からマウンドに上がる左腕の松本蓮が今年も健在。松本は昨年夏の甲子園初戦の津田学園(三重)戦で2番手として登板。チームは1−3で敗れたが、松本は6イニング無失点と好投し、大きな自信を得た。

 野手陣も昨年のメンバーが多く残る。なかでも遊撃手・相羽寛太は全国レベルの選手だ。とくにスピードと柔軟性を兼備するフィールディングは出色。全身のバネを効かせたバッティングも着実に進化しており、さらなる飛躍に期待したい。

 この夏の大会は初戦で敗れたが、昨年秋に東海大会ベスト4に進出し、8月に開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」に出場する加藤学園は、140キロ近いストレートと抜群の制球力が武器の肥沼竣(こいぬま・しゅん)がマウンドを守る。粘り強い投球が身上で、実戦力の高さはピカイチ。

 また、近年着実に力をつけてきている磐田東には、すでに高校通算30本以上をマークしている強肩捕手・二俣翔一(ふたまた・しょういち)に、185センチの左の大砲・山下拓真という左右のスラッガーが控える。

 昨年秋の県大会を制した藤枝明誠には、村松杏都(あんと)と齊藤龍幸(たつゆき)の右の強打者がふたりいる。ともに超高校級のパワーとスイングスピードを誇り、打球はちょっとモノが違う印象だ。

 ほかにも、御殿場西には高校生離れした長打力を誇る184センチの内海壮太、浜松商には1年夏から4番を担う183センチの大型三塁手・山本陸来(りく)といった将来性豊かな大器の打棒も見逃せない。

 投手では、駿河総合の右腕・森祐二朗の評価が高い。昨年夏は決勝のマウンドを経験。甲子園出場の夢は絶たれたが、最後の夏にどんなピッチングを見せてくれるのか楽しみでならない。