第56回七夕賞は重のコンディションで行われた。 昨年同じコースで1勝クラスを完勝したパッシングスルーがハナを切った。…
第56回七夕賞は重のコンディションで行われた。
昨年同じコースで1勝クラスを完勝したパッシングスルーがハナを切った。先手を取ると見られていた1番人気のジナンボーは後方に待機。その1、2馬身前に、トップハンデの57キロを背負った、内田博幸のクレッシェンドラヴがいた。
「馬場もちょっと悪かったので、スタート次第では先行してもいいと思っていました。が、思っていたほど前に行けなかったので、そこは切り換えて、内に包まれず、外の馬場のいいところを走りたいな、と」と内田。
クレッシェンドラヴは、11、2番手で1、2コーナーを回り、向正面に入った。内埒から馬数頭ぶん離れた、馬場の傷みの少ないところを走っている。
1000m通過は1分1秒3。馬場状態と、この通過タイム、そして、先頭から最後尾まで11、2馬身になった馬群からすると平均ペースといったところか。
3コーナーから内田はクレッシェンドラヴを促し、馬群の間からポジションを上げた。内田は言う。
「こういう馬場もこなせるだろうとは思っていましたが、ここまで器用にこなせるとは思わなかったですね」
直線入口では、逃げるパッシングスルーの内に馬体を併せ、スパートした。
ラスト200mを切ったところで先頭に立ち、外から追い上げてきた福永祐一のブラヴァスらを封じ、先頭でフィニッシュ。昨年このレースで3/4差の2着に惜敗した無念を晴らした。
「持ち前のスタミナで、しっかりゴールまで駆け抜けてくれると信じて乗っていました。57キロを背負って、堂々としたレース内容だと思います」
そう話した内田にとっては2週連続、福島での重賞勝ち。クレッシェンドラヴにとっては、昨年の福島記念に次ぐ、重賞2勝目となった。
1馬身差の2着は、JRA全10場重賞制覇に王手をかけていた福永祐一のブラヴァス。好位から中団の馬場のいい外目を完璧に立ち回ったが、コース適性の差が出たか。
1番人気のジナンボーは、3コーナーでクレッシェンドラヴが動いたときについて行けず、9着に終わった。
これでクレッシェンドラヴは福島で5戦2勝2着3回。同馬の全7勝のうち、6勝が内田とのコンビによるものとなった。
福島巧者が名手の好リードで、鮮やかな勝利をマークした。
(文:島田明宏)