3年後に日本で開催されるラグビーワールドカップで王座奪還を狙うオーストラリア代表“ワラビーズ”に、ラグビーリーグ界(NRL/13人制)から新たなスターが加わった。マリカ・コロイビティ、フィジー出身の24歳だ。 かつて、ウェンデル・セイラ―…

 3年後に日本で開催されるラグビーワールドカップで王座奪還を狙うオーストラリア代表“ワラビーズ”に、ラグビーリーグ界(NRL/13人制)から新たなスターが加わった。マリカ・コロイビティ、フィジー出身の24歳だ。
 かつて、ウェンデル・セイラ―、マット・ロジャース、ロテ・トゥキリといった13人制のビッグネームがワラビーズ入りして興奮をもたらし、現在もリーグ出身の天才的フットボーラーであるイズラエル・フォラウが活躍中だが、NRL屈指のトライマシーンと呼ばれたコロイビティも15人制でセンセーションを起こすかもしれない。

 オーストラリア代表のマイケル・チェイカ ヘッドコーチは25日、11月からのテストマッチへ向けた欧州遠征スコッド32名を発表し、WTBコロイビティはノンキャッププレーヤーのCTBカイル・ゴッドウィン、HOトル・ラトゥとともに選ばれた。

 コロイビティはフィジーで過ごした学生時代に15人制ラグビーでプレーしたことはあるが、13人制の楕円球競技に転向し、2012年からオーストラリアで最も人気があるNRLの選手となった。そして、メルボルン・ストームの一員として今月2日にNRL決勝を戦ったばかり。来季からはレベルズに加入するが、プロとしてラグビーユニオン(15人制)での試合出場経験はまだなく、2002年のCTB/SOマット・ギタウ(現トゥーロン)、2005年のHOタタフ・ポロタナウ(現ワラターズ)に続いて、スーパーラグビーでプレーする前にワラビーズ入りした3人目の選手となった。

 10月22日のニュージーランド戦で足首を負傷したCTBサム・ケレヴィが手術を受けてツアー不参加となったため、本来はフルバックのフォラウをミッドフィールドで使うオプションも検討されており、コロイビティはアウトサイドバックスのひとりとして今回の欧州遠征でテストデビューする可能性は十分ある。

 NRLで5シーズンを過ごし、74試合で46トライを記録。17歳のときに100メートルを10秒75で走ったというスピードが魅力で、破壊力抜群のランナー。身長180センチ、体重93キロと特に大きくはないが、ハードヒットするディフェンダーでもある。

 ワラビーズは今回の欧州遠征でテストマッチ5試合を組んでおり、ウェールズ(11月5日)、スコットランド(同12日)、フランス(同19日)、アイルランド(同26日)と対戦したあと、6月にホームでおこなったテストシリーズで3連敗の屈辱を味わわされた相手、イングランドと12月3日に再戦する。