延期に次ぐ延期で開催時期が注目されていた「世界卓球2020韓国(団体戦)」が2021年初旬に再延期されることになった。6月23日に開かれたITTF(国際卓球連盟)の実行委員会で協議され正式決定したもの。

これで当初3月22~29日に開催されるはずだった韓国・釜山での世界卓球は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で6月21~28日に延期された後、さらに9月27日~10月4日に再延期され、今回で3度目の延期という異例の事態となった。



 ITTFにとって苦渋の判断だ。釜山の大会組織委員会や各地域の協会、大会に向けて準備する選手たちへの影響はもとより、ITTFの主催大会で最大規模をほこる世界卓球をなかなか開ないことの経済的損失は大きいからだ。

ワールドツアーなどの大会やイベント活動の一切を7月いっぱい停止しているITTFでは、放映権料やスポンサー料などの収入が激減している。その一方で、コロナショックのあおりを受けた協会や選手の支援もしなければならず、今年4月、ITTFはトーマス・ワイカート会長を筆頭に全スタッフの給与削減に着手した。

写真:picture alliance/アフロ


 コロナショックは今年の世界卓球だけでなく、2021年6月17日~26日にアメリカ・テキサス州ヒューストンで予定されている「世界卓球2021(個人戦)」にも影響が。23日の実行委員会では世界卓球2021の開催についても話し合われており、「引き続き開催を可能にするオプションを検討するが、釜山大会を無事開催し終えるまで、予定通り開くことはできない」と翌日のリリースでコメントしている。

 ITTFの次回の実行委員会は7月10日に開かれ、そこで世界卓球2020韓国の新日程が決定。来年の世界卓球2021アメリカについても新たな日程が検討されることになる。

また、今シーズン残りのワールドツアーや4カ月後に控えた男子ワールドカップ(10月16~18日/ドイツ)および女子ワールドカップ(10月23~25日/タイ)などについても新型コロナウイルス感染拡大の世界の状況を見ながら、開催の可否や代替大会の日程・場所などを検討していく。
(文=高樹ミナ)