2020年女子ツアー「期待の新星」安田祐香インタビュー(後編)前編はこちら>>「黄金世代」が席巻する現在の女子ゴルフ界。安田祐香は、それに続く「プラチナ世代」の最有力プレーヤーとして、絶大な注目を集めている。しかし、戦いの舞台を離れれば…

2020年女子ツアー「期待の新星」
安田祐香インタビュー(後編)

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「黄金世代」が席巻する現在の女子ゴルフ界。安田祐香は、それに続く「プラチナ世代」の最有力プレーヤーとして、絶大な注目を集めている。しかし、戦いの舞台を離れれば、あくまでも19歳の女の子であり、現役の女子大生でもある。そんな彼女の、等身大の素顔に迫った――。

――オフはどんな過ごし方をしているのですか。

「友だちとご飯に行ったり、ショッピングに行ったりすることが多いです。ショッピングに行っても、買わないことのほうが多いんですけどね(笑)。

 私、白いスニーカーが好きで。夏に、Tシャツにデニム、スニーカーが似合う人になりたいです。ヒールだと足が疲れちゃうので」

――トーナメントに出場している際のリラックスタイムでは、何をしていることが多いですか。

「YouTubeで、お笑いを見たりしています。とくにNON STYLEが好きです。音楽は、E-girlsをよく聞きます」

――これまでも全国各地のトーナメントに出場していますが、その時の食事はどうしているのでしょうか。

「お好み焼きが好きなので、お好み焼き屋さんを見つけたら、初めての店でもためらわずに入ります。その店が気に入ったら、毎日でも通うタイプです(笑)。試合の期間中、毎日通って、常連になっちゃいます」

――好きなメニューは何ですか。

「豚玉が一番好きです。あとは、塩焼きそば。たたきキュウリがあれば、必ず頼みますね」

――大手前大学に在学中ですが、学生生活はいかがですか。

「試合やトーナメントに出場して、通えない日も多いのですが、オンラインのやり取りで習得できる単位もあるので、焦らず卒業を目指そうと思います」

――大学で友だちはできましたか。

「なかなか通えていないので、まだまだ友だちとまでは言えないんですけど、顔見知りは何人かできましたね」

――かつて、おでこに「肉」の字を書いて友だちを笑わせたなど、実はひょうきんな一面もあると聞きました。もしかして、『キン肉マン』が好きだったのでしょうか。

「それは、高校1年生の時のことですね(笑)。『キン肉マン』が好きだったというわけではないんです。高校生になったばかりで、まだ友だちとも距離があった時期で。男子が額に『肉』と書いて笑いを取っていて、『祐香も書きいいや』と強引に(額に)『肉』と書かれて……(苦笑)。

 でも、おかげで友だちみんなが笑ってくれて、距離が近くなりました。ただ、さすがに大学生になったので、恥ずかしくて、もう『肉』とは書けません(笑)」

――大学生ともなると、笑いを取って、仲よくなる感じではないのでしょうね。

「大学生になると、女子は友だち同士でカフェに行ったり。インスタ映えじゃないですけど、とくに可愛いカフェに行くことが多いですね。でも、私は写真の撮り方が下手だし、カフェに行くなら、お好み焼き屋さんに行きたい(笑)」

――そもそも、どうして大学に進学されたのでしょうか。

「大学は何歳でも行けると思うんですが、同じ年代の子と親しくなれたり、ゴルフを知らない子とも友だちになったり、そういう関わりが持てるのは、今しかないかなと思って。英語の勉強ができたり、いろいろな経験もできるな、という思いもありました」

――ところで、今、女子ゴルフ界は「黄金世代」が大活躍。そして、安田選手たちの世代は、それを超える「プラチナ世代」として注目されています。そういうふうに呼ばれていることについては、どう感じていますか。

「『2000年世代』『ミレニアム世代』と呼ばれることもあるんですが、それぐらいの呼ばれ方のほうが、ちょうどいいです。『プラチナ世代』と言われると、ちょっと華やかすぎて、少し重いかなと」

――それでは、2学年上の「黄金世代」についてはいかがでしょう。特別に意識したりしていますか。

「年齢も近く、尊敬する選手もたくさんいるので、追いつけたらいいな、とは思います」

――昨年、「黄金世代」のひとりである渋野日向子選手が海外メジャーの全英女子オープンで優勝しました。その姿をどう見ていましたか。

「日本と同じように、笑顔でプレーしていたのが印象的でしたね。初日が終わって、6アンダー。渋野さんはパターが上手なので、うまくいけば……と思っていました。

(大会中は)毎日、ご飯を食べる時にお会いしていたので、『ナイスプレーです!』って伝えると、ニコニコされていました。そういう普段と変わらぬ姿を見て、『すごいな』『素でゴルフを楽しんでいるな』って思いました。プレッシャーに潰されることなく、自分が思っているようにプレーしていたので、本当に『カッコいいな』って」

――さて、延期になった東京五輪が来年開催される予定です。五輪出場への意識はありますか。

「もちろん、今後の成績次第なんですけど、出場できるなら出場したいです。出場できなくても、ギャラリーとして見に行きたいなって思います」



将来は

「米ツアーに参戦したい」と言う安田祐香

――将来は「アメリカツアー参戦が夢」とうかがっています。

「はい。昨年、海外メジャーにも出場して、いつか(アメリカツアーに)参戦したいと強く思いました。強い選手がたくさんいるので、勉強にもなるし、実際に一緒にプレーしなければ、感じられない差も感じられたので。アメリカツアーに参戦すれば、自然とレベルアップできるかなと。

 もちろん、そんなに甘い世界ではないと思います。でも、うまくいかないことも、辛いことも、すべてが経験かなって。

 昨年出場した全英女子オープンの時も、ロスト(ボール)したり、うまくいかなかったりしたことが多かったんですが、最後にバーディーを取って、予選通過することができたんですね。そこで、つまずきやうまくいかないつらい経験も、その時に焦ったり、『もうダメだ』と諦めたりせず挑み続ければ、結果につながって、自信になることがわかったので」

――プロとしての目標、そして将来の夢はありますか。

「(プロゴルファーとしては)長い期間、活躍できる選手になりたいです。老後に、楽しく、心穏やかに過ごしたいので(笑)。私の試合を見に来てくださる老夫婦がいるんですが、ご夫婦で仲よく観戦している姿を見ると、『いいなぁ~。私もいつか、ああなりたいな』と思います」

――その時、隣にいる旦那さんは、どういう方なんでしょうね。

「面白くて、できたら背が高くて、とにかく何かにがんばっている人がいいです。自分も目標があるので、お互いに励まし合えるような。そして何より、お好み焼きを一緒に食べてくれる人がいいです(笑)」

(おわり)

安田祐香(やすだ・ゆうか)
2000年12月24日生まれ。兵庫県出身。身長163cm。血液型O。2017年に日本女子アマを制覇。国内外のプロのトーナメントでも活躍し、何度となくローアマを獲得してきた。昨年、プロテストに合格。QTで2位という結果を残して、今季からツアー本格参戦を果たす。