先発の前田はライナー直撃も気迫の6回7安打2失点

 ルートインBCリーグに今季から参入した神奈川が初陣で記念すべき初勝利を飾った。21日、J:COMスタジアム土浦球場で行われた茨城と対戦し6-2で快勝した。横浜ベイスターズで2年連続首位打者を獲得。1998年の日本一にも貢献した鈴木尚典新監督は「全試合勝つつもりでやっていく」と語った。

 現役時代は喜怒哀楽をそれほど表すタイプではなかったが、試合後はさすがに顔を紅潮させた。初陣を飾った鈴木監督は「練習する場所のない中で、急ピッチで仕上げてきたが、思った以上に選手の動きがよかった。ベンチでは最後まで声が出ていた。選手のヤジに思わず笑ってしまったが、とにかく(雰囲気が)明るい。あと59試合、全試合勝つつもりでやっていく」と笑顔。

 試合は昨年栃木のリーグ初制覇に貢献したドラフト候補の先発・前田が5回に池田のライナーを腹部に受けながら、気迫で6回7安打5奪三振、2失点で移籍初勝利をマーク。

新型コロナウイルス感染症で全体練習を開始したのは6月1日から。前田は相模川の河川敷で自主練習を行い調整を続けてきたが「ブルペンから球が走っていなかった。まっすぐはいつもより5、6キロ遅かった」と、最速142キロながら、カットボール、ツーシーム、チェンジアップ、フォークと多彩な球種で打者を翻弄。

「まっすぐが走らない時のための変化球を練習してきた。新球団で注目されるし、自滅だけはしたくなかった。5回80球の予定だったが、球数が少なかったので、6回までいった」と腫れる腹部にシップを張りながらの続投は、初陣にかける思いの強さだった。

 打線は昨年まで群馬の青木主将が4回「(茨城先発の小沼とは)昨年何度も対戦しているので、まっすぐを張っていた」と143キロの速球を中前打で突破口を開き、カレオンの右翼線二塁打や犠飛などで一挙4点。9回にも2点を加えダメを押した。

 藤本伸也球団社長も初陣を見届けたが「どこのチームもやっていない、リーグ参戦1年目での優勝が目標と選手にハッパをかけている。言葉にださないことには実現しない」と意気軒高に語った。リーグに新風を巻き起こしそうだ。(細野能功 / Yoshinori Hosono)