日本ハムのオンライン応援イベントに潜入取材した

 日本ハムが19日、西武との開幕戦(メットライフ)でオンライン応援イベント「FIGHTERS とどけェール! Presented by Nipponham」を初めて実施した。潜入してみると、開幕を待ちわびたファンの熱気にあふれていた。

 新しい観戦・応援スタイルとして、ビデオ会議ツール「Zoom」を使用。事前に応募した1000人の中から抽選で選ばれた500人が参加し、日本ハムOBの岩本勉氏と建山義紀氏、スタジアムDJの八幡淳氏がトークで盛り上げた。

 イベントは、八幡氏の掛け声で画面の左右にいる人とのハイタッチから始まった。照れながら両手を広げて隣の人と画面上で触れ合うと、親近感が湧いた気がする。どんな人が参加しているのか。画面をスワイプさせてみると、ユニホームを着用したご夫婦や応援ボードを持ったファミリー、美味しそうにお酒を飲みながら1人で観戦している人もいる。

 最初に一体感が生まれたのは「8番・三塁」で開幕戦スタメンに抜擢された野村佑希内野手の初打席だ。参加者のミュート(消音)が解除され、家で応援しているファンの声がそのまま流れる。高卒2年目の19歳のデビューをみんなでワクワクしながら見届けた。

 3点を追う6回1死一塁で中田翔内野手が打席に立った場面でもミュートが解除された。それぞれが中田の応援歌を歌ったり、「かっとばせ! 中田!」など思い思いに声を張り上げた。この応援歌やかけ声を一体化できれば、かなりの迫力になるし、もっと応援が楽しくなりそうだ。

 音声は難しくても、画面上では統一感が醸し出された。事前に球団が用意した9種類のアニメーション背景をダウンロードして使えば、チャンスの場面では「かっとばせ」、三振を奪った場面で「ナイスボール」などと表示させることができる。7回の攻撃時には八幡氏の「風船を飛ばしましょう」のかけ声で、あちこちで風船が飛んだ。私自身は1時間悪戦苦闘した末にアニメーション背景を設定できず、ちょっぴり疎外感を味わった。ほかにも使っていない人がいたので、設定できなかったのかもしれない。

野球解説者の岩本勉氏、建山義紀氏はオンライン上でファンと積極的に交流した

 イベントを仕切る岩本氏と建山氏は、テレビやラジオで解説する時よりもリラックスしているように見えた。岩本氏は時折、日本ハムの主力ウインナー「シャウエッセン」を頬張りながら、元阪神の川藤幸三氏のモノマネを披露するなどノリノリ。建山氏が「チャットで『2人の話で試合に集中できない』って書かれていますよ」と苦笑いするほどだった。

 2人はオンライン上のファンとも積極的に交流した。「メットライフドームの人がいた!」など凝った背景の人や気になる人を見つけては、その人と直接話をして、生の声を拾っていった。「これはハマる。つながるのは楽しい」と声をそろえた2人。1人が技術的な解説をしている間、もう1人が面白そうなファン探しをするなど役割分担も息ぴったりだった。チャット機能を利用して、質問に答えたり、「シャウエッセン」が当たる抽選会も行われた。

 1つ気になったのは視聴する中継のこと。この日は北海道ローカルの地上波中継があったので問題なかったが、インターネット中継で見る場合はタイムラグが生じる。目の前で見ているインターネット中継よりも先に「Zoom」で応援が始まったり、結果が分かってしまう場合、どんな楽しみ方ができるだろうか。とはいえ、初めての試みに課題が出るのは当たり前。やっていくうちにより良いアイデアが出て、進化していくだろう。新しい応援スタイルの可能性を大いに感じるイベントだった。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)