プレーの様子-WORLD BASEBALLの記事一覧はこちら- 1982年に6球団でスタートした韓国プロ野球リーグ・KBOは、その後球団数、試合数とも拡張を続け、現在では10球団制、レギュラーシーズンの1チーム当たりの試合数は、日本のプロ野…

プレーの様子



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 1982年に6球団でスタートした韓国プロ野球リーグ・KBOは、その後球団数、試合数とも拡張を続け、現在では10球団制、レギュラーシーズンの1チーム当たりの試合数は、日本のプロ野球より多い144試合となっている。

 リーグ戦のフォーマットは、世界でも類をみないポストシーズン重視の1リーグ制となっている。かつて、8球団制の時代に一度2リーグ制を採ったことがあったが、ファンの支持を得ることができず、現在は、レギュラーシーズンの後、4位チーム 対 5位チームによる「ワイルドカードゲーム」に始まり、下位チームによるシリーズの勝者がより上位との対戦へと勝ち上っていく「ステップラダー方式」を採用し、シーズン1位チームが待つ韓国シリーズまでのポストシーズンを行う。

 各球団はファームをもち、兵役中のプロ選手がプレーする軍チーム、尚武(サンム)、警察チームを加えた12チームによるフューチャーズリーグと呼ばれる二軍リーグを開催している。

 発足当初は、外国人選手に門戸は開かれず、在外韓国人のみが「助っ人」として受け入れられた。その中、日本のプロ野球の第一線から零れ落ちた在日韓国人選手がKBOで圧倒的な存在感を示したが、1980年代終わりには、日本の「一軍半」レベルの選手では通用しない程にレベルが向上した。

 現在ではWBCなど国際大会などが示しているように、ナショナルチームレベルではアメリカ、日本などの強豪と比べて遜色ないレベルとなった。KBOのレベルも、今や日本のそれに匹敵し、パワーとスピードという点に置いては、各球団の主力選手のポテンシャルは日本の選手以上と言ってもよいくらいだ。




 プレーレベル以上に、目を見張る発展を遂げているのは球場や練習場の設備である。KBO発足から20年くらいは、プロリーグが使用する本拠地球場と言えども、1988年のソウル五輪に備えて建設されたチャムシル・スタジアム、1985年に建設されたプサンのサジク球場以外は、当時の日本の地方球場レベルの球場を使用していたように、インフラの面で韓国野球は、日米に比べて大きく遅れをとっていた。

 しかし、2002年に、ソウルの外港、インチョンに当時世界最新鋭の設備を備えたムナク球場が開場すると、その後、次々と新球場計画が持ち上がり、2014年にクヮンジュ(キア・タイガース)、2016年にテグ(サムソン・ライオンズ)という名門球団の本拠地にアメリカのボールパーク様式の新球場が開設された。

 さらに2015年秋には、首都ソウルに韓国初のドーム球場であるコチョク・スカイドームも開場し、翌16年シーズンからはソウル第3の球団、ネクセン・ヒーローズ(現キウム・ヒーローズ)がここを本拠とした。そしてこの春には、NCダイノスの本拠として、チャンウォンNCパークが開場した。
 
 NCは2012年のKBO参入に際して、それまでロッテが準本拠地として使用していたマサン球場を改装して使用していたが、リーグ参入の条件とされた新球場を旧球場に隣接する形で建設。この球場も、ボールバーク様式の最新鋭の設備を誇っている。

 ことスタジアムに関しては、韓国野球は日本の先を行っていると言っていいだろう。


文・写真=阿佐智