WBCではここ2大会準優勝を遂げているプエルトリコだが、メジャーリーガーがいないプレミア12では、層の薄さがどうしても露呈してしまう。近年縮小気味のウィンターリーグはプレミア12大会期間中の11月半ばに開幕だが、多くの選手は国内リーグのキ…

 WBCではここ2大会準優勝を遂げているプエルトリコだが、メジャーリーガーがいないプレミア12では、層の薄さがどうしても露呈してしまう。近年縮小気味のウィンターリーグはプレミア12大会期間中の11月半ばに開幕だが、多くの選手は国内リーグのキャンプを優先させ、今大会にはマイナーの有望株もほとんど顔出さないようだ。

 現在はウィンターリーグを主戦場としている選手、独立リーガー、リハビリ明けの選手でロースターが占められている。この夏のプロリーグでのプレーが確認できない選手が実に8人もいる状況では上位進出は苦しいだろう。

 そういう中、ミゲル・メヒア(元西武)、オーランド・ロマン(元ヤクルト)らの日本でプレーしていたベテランや、メジャー通算132登板のフェルナンド・カブレラ(サントゥルセ)に頼らなければならないのが現実だ。

【写真提供:共同通信】ミゲル・メヒア(元西武)

 カブレラの他、メジャー経験のある選手で、野手では、今季フィリーズのマイナーでプレーしたヘスムエル・バレンティン(マヤゲス)、アメリカ独立リーグ最高峰のアトランティックリーグ所属のイバン・デヘススJr.(ロングアイランド/米独立)、オスバルド・マルティネス(カロリーナ)、投手ではジョバンニ・ソト(カロリーナ)がいるが、いずれもメジャーでの実績はないに等しい。

【写真提供:共同通信】オーランド・ロマン(元ヤクルト)

 チームの中心となりそうなのはジャック・ロペス(カグアス)だろう。前回大会も経験している26歳は、今季ブレーブスの3Aグウィネットで96試合に出場し、打率.273、12本塁打という成績を残している。彼がサードに入り、セカンドには、メキシカンリーグのメキシコシティで20ホーマーのヴィダル・ダビッド(カグアス)は据え、今季は2Aでのプレーとなったものの、昨季フィラデルフィア・フィリーズでメジャーデビューを果たした、ジェスムエル・バレンティンというユーティリティプレーヤーがチームの状態、対戦相手によって適所に配置して戦うものと思われる。

 外野陣を見渡しても、今季3Aでもプレーした、内野もこなすヤリエル・ゴンザレス(カージナルスマイナー)は頼りになるものの、独立リーグのカンナムリーグ所属のジェイ・ゴンザレス(マヤゲス)らにポジションを預けねばならない状況は厳しいと言わざるを得ない。

 カンナムリーグからは、彼の他、捕手のケビン・トーレス(カグアス)、投手のフェルナンド・クルーズ(サントゥルセ)が選出されている。

 プエルトリコは、侍ジャパンと同じ台湾ラウンドのグループBに所属しているが、メンバー構成を見る限りは、最下位に終わると考えるのが妥当だが、先日のカナダとのテストマッチを見てもわかるように、国際大会はなにが起こるかわからない。侍ジャパンにとって、油断は禁物であることには変わりはない。

*(  )内のチーム名は、プエルトリコ・ウィンターリーグのチームを優先して記載。

文・写真=阿佐智