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 今回は、台湾球団チアメンバーの倪暄(Eli)さんを紹介したい。Lamigo Monkeysのチアチーム『LamiGirls』のリーダーとして活躍し、今春からはRakuten Girlsとして活動予定だ。日本と台湾の球団チアについての違いや、日本と台湾のファンへのメッセージをお伝えする。

※取材日は2019年11月下旬

 Eliさんは、台湾南部にある高雄市の出身。球団チアとして活動を開始したのは大学生の時だった。当時、Lamigo Monkeys(現・Rakuten Monkeys)は前身のLa Newベアーズとして高雄に本拠地を置いていた。

「私は元々踊ることが好きで、高校生の頃にサークルでダンスを始めました。LamiGirlsに入ったきっかけというのは、大学のダンスサークルの先生に『La New Girlsのメンバーに欠員が出たからやってみたらどう?』と声を掛けてもらったことです。その先生は以前にLa New Girlsとして活動していたんですよ」

日本のチアは、主に試合前にパフォーマンスやグリーティングを行い、試合中はそこまで登場しない。試合開始以降は、場面転換時のミニコーナーやダンスパフォーマンスなどが主な仕事となっていることがほとんどだ。しかし、台湾や韓国のプロ野球では、チア含めパフォーマンスチームが応援をリードし、歌とダンスで盛り上げる。

台湾プロ野球(CPBL)においてこの応援スタイルの先駆者はLamigoで、今や台湾野球の人気の一つにも挙げられる。それを実際に行ってきたのがEliさんたちだ。Eliさんいわく『LamiGirlsは試合中は”応援リーダー”的な立場』なのだという。

「(試合中は)歌とダンスでファンの皆さんを引っ張っていく立場でしたが、スタンド総立ちで一丸となって応援してくれる姿を観ることが一番やりがいを感じる瞬間です。一時期は球場にお客様がとても少なくて、寂しい時期もありました……でも今では多くの人が駆けつけてくれて、スタンドから大声援が生まれています。これは本当に嬉しいことですね。

新しいダンスを覚えるのはとても大変で、かなりたくさんの時間を掛けて練習していますが、こういう光景を見ると『やっててよかったな』と感じました。とはいえ、人前に出るときは常に元気いっぱいでいること――一番いいコンディションを維持することは、決して簡単ではありませんでした。どんなに暑い日も、雨が降る日も、試合があれば関係ありません。常に一番いいコンディションで仕事をするというのはなかなか大変でした」

■日本のプロ野球団チアの姿に感激した理由

 実はEliさんは大学時代に日本語を勉強しており、仕事でもプライベートでも来日する親日家。LamiGirlsとしてはこれまでに石垣島(千葉ロッテマリーンズ春季キャンプ)、ZOZOマリンスタジアム、楽天生命パーク宮城、甲子園、福岡ヤフオク!ドームを訪れている。その際には日本球団のチアチームとも共演をしているが、日本のチアについて印象を伺うと、日本語で「かわいい!」と即答。そして、とても関心がある様子だった。

「日本のチアの皆さんの、物事に取り組む姿勢や真剣さ、規律をしっかり守っているところは印象的でした。あと、とても団結力がありますね。控室などファンの人の目に届かない場所でも礼儀正しく、しっかりとした所作を貫いていたところに感激しました。グラウンドに出入りするときも、みなさん必ず一礼を欠かさないんですよ! 私も見習わなきゃと思いました」

 また、「日本と台湾は応援文化が違うので、機会があればぜひ日本の応援スタイルも勉強してみたい」と語っていた。

 そして、日本と台湾両国のファンへのメッセージをこう述べた。

「日本のファンの皆さん、私たちのことを気にかけてくれて、関心を持ってくれて、ありがとうございます。日本の皆さんはいつもあたたかく私たちのことを迎えてくださるので、とても感謝しています。来年から新しいチームになりますが、引き続き私たちのことを応援していただけると嬉しいです!」

「そして台湾のファンの皆さん、これまでの熱い応援、本当にありがとうございました。台湾のファンのみなさんがいつも一緒に応援してくれたからこそ今があると思っています。今後新しいチームになっても、これからも皆さんと一緒に邁進していきたいと思っています!」

 球場で戦っているのは、選手、監督・コーチ、選手を支えるチームスタッフだけではない。チアやマスコットたちも共に戦っているのだということをEliさんの言葉から感じられた。チーム側に立ってパフォーマンスをすることもあれば、時にはファンの側に立って一緒に応援する。彼女たちはチームとファンを結ぶ架け橋として重要な役割を担う存在だ。

応援文化は違えど、そのことは日本も台湾も変わらない。今後球場に行った際は、試合の行方だけでなく、チア・マスコットたちにも注目してみてはどうだろうか。

文:戸嶋ルミ