「オープン球話」特別編 八重樫幸雄が読者の質問に答える!前編  通常の連載はこちら>>【八重樫幸雄が考える「歴代ヤク…

「オープン球話」特別編 
八重樫幸雄が読者の質問に答える!前編  

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【八重樫幸雄が考える「歴代ヤクルトベストナイン」は?】

――先日(5月19日~6月1日)まで、スポルティーバのツイッターで読者のみなさんに「八重樫さんに聞きたいことは?」と募ったところ、たくさんのご応募をいただきました。ありがとうございます。そこで今回は連載の「特別編」として、読者の方からの質問にどんどんお答えいただきたいと思います。

八重樫 いいですよ。何でも聞いてください!



共にヤクルトの名ショートとして活躍した池山隆寛(左)と宮本慎也(右)photo by Sankei Visual

――ではさっそく、東京都の「かずちゃん」さんからの質問です。「プロ野球OBやYouTubeでよくやっている歴代ベストナインが知りたい! ヤクルトバージョンと他球団バージョンでお願いします」とのことです。この質問は事前に八重樫さんにお伝えしましたが、選考は難しかったですか?

八重樫 これはいい質問ですね。でも、選考は本当に難しかったですよ。「彼を入れるとこの人が選ばれない」といったことの繰り返しでしたから。一応、守備位置だけじゃなくて打順も考えたので、なおさら難しかったですね。

――ではさっそく発表をお願いします。まずは「ヤクルトバージョン」から!

八重樫 わかりました。僕が考える「歴代ヤクルトベストナイン」を発表します!

1(三)岩村明憲
2(中)青木宣親
3(左)若松勉
4(一)大杉勝男
5(二)山田哲人
6(右)杉浦享
7(捕)古田敦也
8(投)松岡弘
9(遊)宮本慎也

 いろいろ悩んだけど、これが僕のベストナインです。

――おぉ、岩村、青木、山田、そして若松と歴代の「背番号1」が勢ぞろいしましたね。でも、「池山隆寛」の名前がないですね。そして、一番から三番まで左打者が3人並んでいます。注目は、ピッチャーの松岡さんが八番に入って、九番に宮本慎也さんが起用されている点でしょうか? では、選考の理由、ポイントを教えてください。

八重樫 選考のポイントは「自分の目で見たことがある選手」を選びました。実績を考えたら、当然、金田正一さんの名前を挙げないわけにはいかない。あくまでも「自分が見てきた選手」ということでいえば、ピッチャーは松岡さんですね。1970年代はずっと松岡さんが頑張ってきたし、あのスリムな体型からのストレートは本当に速かったですから。全盛期の”ON”を相手に真っ向勝負を挑んで抑えていましたからね。

――松岡さんは1978(昭和53)年のヤクルト初優勝の胴上げ投手でもありますよね。

八重樫 そうですね。短期間なら伊藤智仁もすごかったけど、長い期間、きちんと投げ続けているという点で、松岡さんがベスト。今の石川雅規も長い間一軍で先発ローテーションを守り続けているので、彼の名前も挙げたいところでしたけど。

【もっとも悩んだのは、池山隆寛をどうするか?】

――もっとも悩んだのはどのポジションでしたか?

八重樫 やっぱりショートかな? 池山隆寛、彼も忘れちゃいけない選手のひとりですよ。でも、ポジションとの絡みを考えると、ショートは(宮本)慎也が一番です。もちろん、慎也だって名球会入りしているわけだから、打撃もいい。総合的な判断で慎也はやっぱり外せない。仮に交流戦や日本シリーズでDHが使えるんだとしたら、大杉さんをDHにして、池山をファーストでスタメン起用したいですね。



読者の質問に答えた八重樫氏 photo by Hasegawa Shoichi

――八番に投手をおいて、九番に宮本さんを配している理由は?

八重樫 松岡さんはバッティングがいいんですよ。そして、九番に慎也がいれば八番で終わっても問題ない。一番から三番まで左が並んでいるけど、この3人は右にも左にも打てますからね。岩村はクリーンアップだと「絶対に点を取ろう」と何でも食いつきがちなので、一番のほうが選球眼を生かせて適任。それで岩村をトップに据える。で、青木はなんでもできますから、粘れるし、小技で繋いでも打たせてもいい。細工をするなら二番は青木でしょう。そして、若松さん、大杉さん、山田と勝負強いクリーンアップで点を取る。完璧ですよね(笑)。

――本当に切れ目のないいい打線ですね。でも、このリストの中には外国人選手がいないですね。

八重樫 歴代外国人で言えば、ホーナーやペタジーニとか、実力のある選手もいるけど、やっぱり長い期間、チームの中心として頑張ったラミちゃん(ラミレス)ですよね。でも、「歴代ベストナイン」で考えると、ラミちゃんの出番はなかったかな?

――ちなみに、「歴代ベスト監督」「歴代ベストクローザー」など、ここでは挙げられなかった人も教えていただいていいですか?

八重樫 「ベスト監督」は、実績から言っても文句なく野村(克也)さんでしょう。これは誰も異論がないんじゃないかな? そして、「ベストクローザー」は高津臣吾ですよね。記録はもちろんだけど、野村監督の下での黄金時代は高津の存在がとても大きかったと思いますよ。高津が安定しているから、試合の組み立てもしやすかったわけだし。

――なるほど、どちらも納得の結果です。では、「歴代ベスト代打」は八重樫幸雄さんに決定させていただきます。現役晩年の若松さんも、真中満さんもすごかったですが、ご本人の口からは言いづらいでしょうから、僭越ながら独断で決めさせていただきます(笑)。

八重樫 どうもありがとう(笑)。

【ひとりでできる練習法、お手本にすべき打者は?】

――さて、他球団も含めた「歴代ベストナイン」を伺おうと思ったのですが、ここまででかなりの文字数を費やしてしまいました。こちらは次回に持ち越しさせていただき、ここからは短めの質問をいくつかぶつけさせていただきます。では、神奈川県の「りんさん」からの質問です。「プロを夢見る少年、少女たちにひとり、もしくは2人でできる打撃練習法を教えてください」とのことです。

八重樫 2人ならばティーバッティングが一番ですよ。広い場所がなければ、自宅の庭や家の中でいいですし、ボールは新聞紙を丸めたものでも構いません。球数をこなすのではなく、しっかりと構えて、バットのトップの位置、ボールをとらえるタイミングをきちんと意識してやってほしいですね。

――では、ひとりでやる練習方法は?

八重樫 ひとりでできる打撃練習法は、やっぱり素振りが一番でしょうね。これも数をこなすのではなく、しっかりと自分のフォームを身につける意識を持ったほうがいいと思います。まだ自分の打撃フォームが完成していない小さな子どもたちにおすすめなのが、「ウォーキングスイング」です。

――歩きながらの素振りですね。

八重樫 そう。あの山田哲人でも、今でもキャンプや試合前に取り組んでいますからね。この練習方法のいいところは歩きながらバットを振るため、重心がいろいろ移動することなんです。後ろの足に重心が乗った時にスイングを始めて、体重移動とともに前の足を着地させる。後ろ足に乗った体重が前に移動するタイミングでしっかりとスイングできるように。ボールをとらえるタイミングをつかむのに最適な練習です。

――その際に意識すべきポイントはありますか?

八重樫 ひざが開かないようにすること。ゆっくりと、リズミカルに振ること。本数をこなすことよりも、しっかりと力の移動を感じながら振ること。このあたりに注意しながら素振りをするといいと思いますよ。

――ありがとうございます。では続いて、岐阜県の「慶門(けいと)」さんからの質問です。「小学校4年生です。軟式野球を始めて1年になりますが、バッティングのお手本にしたらいい選手を教えてください。僕は右バッターで体が大きいです。ホームランを打てるバッターになりたいと思っています」とのことです。

八重樫 なるほど。慶門くんは右バッターなのか。僕が考える「お手本にすべきバッター」は、右打者なら元ヤクルトの宮本慎也、左バッターなら巨人の亀井義行かな。「ホームランを打てるバッターになりたい」ってことだけど、今はまだ長距離バッターのマネをしないほうがいいと思いますよ。

――それはどうしてでしょう?

八重樫 現在の右バッターは、坂本勇人(巨人)にしても鈴木誠也(広島)にしても個性的なバッターが多くて、小学生がいきなりマネをするには難しいと思います。それに、今から長打を打てる打撃フォームを身につけようとしても、これから体ももっともっと大きくなってくるわけだから、今の段階では正しいバッティングフォームを身につける練習をしたほうがいいでしょうね。

――右の宮本さん、左の亀井選手は理想的な打撃フォームなんですか?

八重樫 そうですね。両者とも、自分のポイントでしっかりとボールをとらえるためのタイミングの取り方が抜群にうまい。間の作り方が上手なんです。そして、宮本なら左肩、亀井なら右肩が全然開かない。とても理想的な打撃フォームだと思いますよ。宮本はすでに引退してしまったけど、ぜひ動画サイトで研究してみてください。

――どうもありがとうございました。では、次回も続いてお願いいたします。

八重樫 承知しました。次回もよろしく!

(後編につづく>>)