輝かしい成績を残している選手も、我々には想像もできないような挫折や絶望を乗り越え、卓球台に向かっている。数多の栄冠や挫折を経験した選手たちの生き様や紡ぎ出される言葉は、我々の心に深く響き、勇気をくれる。今回は、協和キリンのチームメート、松平…

輝かしい成績を残している選手も、我々には想像もできないような挫折や絶望を乗り越え、卓球台に向かっている。

数多の栄冠や挫折を経験した選手たちの生き様や紡ぎ出される言葉は、我々の心に深く響き、勇気をくれる。

今回は、協和キリンのチームメート、松平賢二、平野友樹の2選手の名言を抜粋してお届けする。

「認めてもらうどころじゃない。そもそもどうやったら自分と練習してもらえるか、からですよ」(松平賢二)

「母からは『田舎なんだから安定が一番』って口酸っぱく言われてて、だから中2の途中まで公務員になるべく勉強頑張ってました」と意外な過去を明かす松平賢二。

名門・青森山田の吉田安夫監督に後押しされ、中3の9月に青森山田に入学、日本最高峰の卓球の名門の門を叩くことになる。




写真:松平賢二(協和発酵キリン)/撮影:ラリーズ編集部

入学早々、卓球部の強さの秘訣を知ることになる。待っていたのは徹底的な実力の世界だ。同期には水谷隼もいる。負けるわけにはいかない。「まずは部に自分を認めてもらわないと」。そう息巻いていた。

だが、目標は早々に縮小することになる。「認めてもらうどころじゃない。そもそもどうやったら自分と練習してもらえるか、からですよ」という。

その真意とは。

「なんか突き抜けた、という感じがあったんですもっと上を目指したい、いや、目指せる、と思ったんです」(平野友樹)

「平野」の姓を聞けば、思い出されるのはロンドン五輪で日本卓球界初のメダルを獲得した平野早矢香、通称「卓球の鬼」だ。平野友樹は彼女の弟である。

平野が「Tリーグに入って世界を目指そう」と決意した大会があった。それが2017年の全日本選手権だ。この大会では3位に終わっている。だが、ただの3位、ではない。




写真:平野友樹(協和キリン)/撮影:ラリーズ編集部

4回戦で張本智和を4−0で下し、同期のライバル・神巧也を破り、準決勝へ進出した。水谷隼にこそ破れはしたものの、オープニングから2ゲームを連取、強烈な先制パンチを浴びせた。

「実力のある選手に勝てたのが自信になった。水谷さんとも善戦して“もうちょっと強くなりたい”と思うようになった。なんか突き抜けた、という感じがあったんです。もっと上を目指したい、いや、目指せる、と思ったんです」。

文:ラリーズ編集部