輝かしい成績を残している選手も、我々には想像もできないような挫折や絶望を乗り越え、卓球台に向かっている。数多の栄冠や挫折を経験した選手たちの生き様や紡ぎ出される言葉は、我々の心に深く響き、勇気をくれる。今回は数々のインタビューの中から青森山…

輝かしい成績を残している選手も、我々には想像もできないような挫折や絶望を乗り越え、卓球台に向かっている。

数多の栄冠や挫折を経験した選手たちの生き様や紡ぎ出される言葉は、我々の心に深く響き、勇気をくれる。

今回は数々のインタビューの中から青森山田の同級生、丹羽孝希、吉田雅己の2選手の名言を抜粋してお届けする。

「結果で次の4年の卓球の価値が変わってしまう」(丹羽孝希)

日本卓球史上最も熾烈と言われた代表選考レース時、丹羽は追い込まれていた。

「本当に諦めかけてたんですよ、五輪を。最悪このまま引退することになるかもしれない。卓球を辞めるかもしれないと思った」。




写真:丹羽孝希/撮影:伊藤圭

そこを乗り越えて、東京五輪代表に選出された丹羽は並々ならぬ覚悟を持って東京五輪に臨む。

「五輪代表は責任感がある。また違う緊張感があります。結果で次の4年の卓球の価値が変わってしまう」。

リオで団体銀メダルを獲得し、その後の卓球ブームを牽引してきた丹羽だからこその決意の表れだ。

「本当に努力して練習して集中すれば誰にだって可能性はある」(吉田雅己)

名門・青森山田で丹羽孝希・町飛鳥らとともに「3枚看板」として鳴り物入りで入部した吉田雅己。

そこから愛知工業大に進学し、吉田は大きな2つの転機を迎える。最初の転換点が2014年末に行われた2015年の世界選手権に向けた代表選考試合だ。




写真:吉田雅己/撮影:伊藤圭

「俺っていつも中途半端な試合をしている。ここで変わらないと…」。愛工大の鬼頭明監督にも打ち明けた。「俺、ここで頑張りたいです」。

「これまでにないほど追い込んで臨んだ」というこの大会で、気まぐれな卓球の神様は吉田に微笑んだ。優勝し、世界卓球の代表に内定したのだ。今までの勝利とは違い、強敵をなぎ倒して勝ち取った代表の座だった。

「自分に自信を取り戻しただけじゃない。他の人に勇気を与えられたと思う。本当に努力して練習して集中すれば誰にだって可能性はあるんですから」。

文:ラリーズ編集部