新型コロナ禍の今こそ「ONE TEAM」に―ラグビーW杯の名珍場面を連日回想 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。日本が元気を失いかけている今、振り返りたいのが昨秋のラグビーワールドカ…

新型コロナ禍の今こそ「ONE TEAM」に―ラグビーW杯の名珍場面を連日回想

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。日本が元気を失いかけている今、振り返りたいのが昨秋のラグビーワールドカップ(W杯)だ。グラウンド内外で様々なドラマが生まれた大会の名珍場面を「甦るラグビーW杯」としてプレーバックする。今回は、ウェールズ代表の日本体験だ。南アフリカとの準々決勝の前に大分・別府で温泉を堪能した際、日本独特の文化を体験し、楽しんだという。CTBハドリー・パークスが英公共放送「BBC」のコラムで明かしていた。

 W杯で戦う傍ら「BBC」で定期的にコラムを綴っていたパークス。ウェールズ代表と合宿地の人々との美しい絆や日本の思い出を紹介してきたが、大会中に公開していたコラムのテーマの1つは日本独特の温泉文化だった。

「東京、大阪、京都という他の都市と比べ、大分ではそこまで多くのことは起きなかった。もっと静かな海辺の場所で休暇の旅行者はオンセン目的でここにやってくる。オンセンは大分と別府近郊で大いなる魅力を持っている。フィジー戦が行われた場所だ」

 このようにつづったパークス。記事では、日本ならではの温泉文化を紹介している。

「日本のオンセンと世界各国のそれとは大きな違いがある。日本の風習に紐づいたものだが、ほとんどのオンセンでは、みんな裸になる。選手たちは最初パンツを穿いたまま浸かっていた。そこから、水着を脱ぐようになり、今ではみんな裸で入っている」

今や温泉が大人気「オンセンの中にはもっといいオンセンもある」

 海外では水着のまま入浴できるのが当たり前とあって、日本の風習の知識があったのか、あるいは裸の付き合いにためらいもあったのか、当初は下着を着用。しかし、最終的に日本文化に適応したという。

「選手たちはみんな楽しんでいる。少し違和感がある。慣れるものではないけど、それがここの文化なんだ。しきたりには倣うものだ。オンセンの中にはもっといいオンセンもある。何人かの選手は本当にエンジョイしているんだ」

 別府の湯がウェールズの選手たちは大いに気に入った選手もいると明かしている。「ここは素敵な場所だ。ここで2勝できたんだ。大分でフィジー相手に、熊本ではウルグアイ相手に」とパークスは記した。

 準々決勝ではフランス相手に苦しみながら、20-19で逆転勝ちしたウェールズ。4強進出の裏には、別府名湯の癒しも一役買っていたのかもしれない。南アフリカには敗れたが、日本での貴重な体験は心に残ったものになったに違いない。(THE ANSWER編集部)