新型コロナ禍の今こそ「ONE TEAM」に―ラグビーW杯の名珍場面を連日回想 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの…

新型コロナ禍の今こそ「ONE TEAM」に―ラグビーW杯の名珍場面を連日回想

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くのスポーツイベントが延期、中止を余儀なくされている。日本が元気を失いかけている今、振り返りたいのが昨秋のラグビーワールドカップ(W杯)だ。グラウンド内外で様々なドラマが生まれた大会の名珍場面を「甦るラグビーW杯」としてプレーバックする。今回はウェールズ代表選手が感銘を受けた事前キャンプ地、福岡・北九州市の“おもてなし”。CTBハドリー・パークスは大会中に記した英公共放送「BBC」のコラムで溢れる日本愛をつづった。

 北九州市に特別な思いを感じていた。1次リーグ初戦のジョージア戦前日の9月22日に掲載されたコラム。パークスは合宿地となった北九州市に自らの故郷を重ね合わせたという。「北九州にいる時はまるでウェールズにいるような感覚でした」とつづった上で、理由を明かしている。

「なぜなら国旗やウェールズ語のメッセージがそこら中に溢れていたからです。ウェールズラグビー連合は北九州とウェールズの関係性を築くために過去数年にわたり、素晴らしい仕事をしていました。我々は本当にその恩恵を得ることができたのです。我々が移動するたび、みんな街で足を止めてくれます。『ラグビー選手だ! ウェールズだ!』と私たちに声をかけてくれるのです」

 さらに「人々は本当に素敵だった。あまりに礼儀正しくて、いつでもお辞儀をしてくれる。ウェールズとウェールズラグビーを本当に受け入れてくれる人々がいる街にいることは、本当にアメージングなことでした」と記し、“日本人の美徳”に感銘を受けた様子だ。

公開練習で地元の少女たちが聖歌を合唱、パークス「ただただ素晴らしい歓迎」

 開幕前の16日に行われた北九州市とウェールズ代表の交流イベントには1万5000人が参加。選手がファンにサインをする中、ウェールズ聖歌で試合前にも選手が歌う「カロン・ラン」を地元の少女たちが歌ったシーンをBBCも伝えるなど、そのシーンは海外にも伝わっていたが、パークスもおもてなしを忘れることができないという。

「公開練習は最高でした」と振り返った上で「あんな練習はこれまでありませんでした。1万5000人の観衆はプロ14の観衆以上です。プロ14を貶めるつもりはありませんが、ただただ素晴らしい歓迎ぶりでした」と回顧。スコットランド、ウェールズ、アイルランド、イタリア、南アフリカの5か国で行われているリーグ戦、プロ14の試合を凌ぐほどの歓待ぶりに驚いたようだ。

 北九州市以外にも足を伸ばす機会があったという。北九州合宿のオフにチームメートとともに新幹線で広島を訪問していたというパークス。「その土地の文化や歴史に触れることを楽しみにしていた。そして、(広島は)本当に訪ねてみたい都市でした」と原爆資料館などを訪問。そば入りの広島風お好み焼きなど名物料理も楽しむなど、日本文化への理解を深めようとしていた。

 最終的に4位に躍進した大会中も再三にわたり、日本、そして北九州市に対する愛を明かしていたウェールズ。大会後も互いの交流が話題を呼んだ。両者の絆はW杯が生んだ大切なレガシーとなりそうだ。(THE ANSWER編集部)