先行きが見えない君たちへー。 新型コロナウイルスの感染拡大は未来のメダリストたちの夢をも奪っている。 毎年3月に開催される「選抜大会」や「センバツ高校野球」を皮切りに、「全国高校総体(インターハイ)」や「全国中学校体育大会(全中)」などこ…

先行きが見えない君たちへー。

新型コロナウイルスの感染拡大は未来のメダリストたちの夢をも奪っている。
毎年3月に開催される「選抜大会」や「センバツ高校野球」を皮切りに、「全国高校総体(インターハイ)」や「全国中学校体育大会(全中)」などこれまでに全ての大会が中止や延期となった。4月7日に「緊急事態宣言」が発令されスポーツ施設などの利用が禁止となり外出自粛の要請がますます高まっている。

夢舞台に向かって汗を流し、必死で努力をしてきた生徒たちは今何を考えているのだろう?
大きな目標がなくなった今、喪失感に苛まれ、やるせない気持ちになり、すぐに切り替えて次のステージを見据えるには時間がかかるはずだ。

そんな彼らに救いの手を差し伸べようと、現役アスリートたちが立ち上がった。SNSなどを通して、心境を明かしたり、エールを送ったりとあの手この手で元気付けようとしている。
今回はアスリートたちもかつて経験した「インターハイ」に焦点をあて、高校生たちへ送ったメッセージを紹介したい。

高校スポーツ最大の祭典の中止を受け、多くのアスリートがコメントを出している。今回はその中でもインターハイの歴代優勝者がSNSで投稿したメッセージを紹介する。

陸上 桐生祥秀(高校3年生時に100M、200M、400Mリレーで優勝し、3冠を達成)
「全中がなくなり、インターハイがなくなり、今の中高生になんて声をかけたら元気が出るのだろう。中学生にインターハイがあるから頑張ろう、高校生にはインカレ、日本代表があるから頑張ろう、と俺は安易に言えない。なぜなら自分は全中やインターハイに出ているから。全国の舞台を本気で狙っていた中学生の自分、高校生の自分、はこれらの大会に全てをかけていた。大きい目標は大事だけど、目の前の目標も大事。その時その時思い切り走って練習したからこそ、今の自分がある。今はつらくてどうしたら良いか悩んだり泣いたりしている人もいるかと思います。自分に今できることはみんなの目標になること、コロナがおさまり大会が開始した時に元気な姿をみんなに見せることが自分のやることだと思ってます。お互い前向きに行きましょう」

バスケットボール 河村勇輝(昨年東福岡の主将としてチームを優勝に導いた)
「全国大会を目指して日々努力してこられた選手の皆様にとって、大切な活躍の場が奪われることは本当に苦しいことだと思います。その辛さを思うと、励ます言葉が見つからないというのが正直な感想です。時間はかかるかもしれませんが、現実は現実として受け止め、『この苦しさがあったからこそ成長できた』と将来思えるように前を向いて頑張ってほしいと思います。私も今、大好きなバスケットが全くできない状況ですが、大学バスケやBリーグが再開された時には皆様に元気を届けるように、今できることに全力を尽くしていきたいと思います」

フェンシング 松山恭助(個人フルーレで3連覇)
「いや〜ほんとなんて言葉をかければいいかわからないな。高校生にとって人生がかかった一番のビッグイベント。高校生には今できることを一生懸命頑張ってもらいたい」

卓球 松平賢二(東京五輪卓球日本代表の水谷隼とダブルスで優勝を果たした)
「全中に続いてインターハイも中止か… 中高生に向けてなんかやりたいね。 動こう」

柔道 高藤直寿(60キロ級で2連覇)
「今の高校生、中学生きついだろうな。 乗り越えよう。 そして2年後、3年後の講道館杯、グランドスラム東京で爆発しよう! 僕は中学生の頃から、高校生で代表争いを荒らすことを考えてた。 すべて偉大な先輩の影響です。 ビックマウスでした」

競泳 立石諒さん(200メートル平泳ぎ、学校対抗で優勝し、個人と総合の2冠を飾った)
「今全国中学、インターハイがなくなって出れなかったみんなになにか出来ないか考えてます。こんなことして欲しいとかあれば教えてください。拡散してください。直接会うのは難しい時期だし、リモートでなにかできないかな」

バドミントン 藤井瑞希さん(シングルス、ダブルス、団体を制し、全種目優勝の快挙を成し遂げた)
「高校生、特に三年生にとってインターハイって本当、3年間を全て捧げる大会だから悔しさと残念な気持ちしかないと思う… 今は何より命を最優先だから、仕方ないなとも思うけど、高校生の気持ちを考えると何とも言えない気持ち。。 今目標が失われても諦めず努力し続けてほしい、、、」