新型コロナウイルスに奪われたマイルストーンとして、後日まで語られる日が続くだろう。巨人・坂本勇人内野手は今シーズンに、史上最年少での通算2000安打到達という記録を懸けていた。ただ、依然として開幕が見通せない状況にあり、記録達成は絶望的だ…

 新型コロナウイルスに奪われたマイルストーンとして、後日まで語られる日が続くだろう。巨人・坂本勇人内野手は今シーズンに、史上最年少での通算2000安打到達という記録を懸けていた。ただ、依然として開幕が見通せない状況にあり、記録達成は絶望的だ。

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 坂本は通算2000安打にあと116本。これまでの最年少記録は、1968年に榎本喜八が残した31歳229日だった。坂本は1988年12月14日生まれ。前半戦終了の7月18日までに到達すれば、榎本を抜く。当初の3月20日開幕予定では、その日までに99試合が組まれていた。昨年までの安打ペースで臨めれば、十分に更新可能なところへつけていた。

 開幕が大幅に延期されているプロ野球は、今シーズン143試合開催を断念したことを発表している。公式戦の中止も決定し、その試合分の18試合を引いた125試合が、現在の開催目標となっている。より開幕が遅れたり、もしくは開幕後に球界に陽性患者が多数出るなどして一時中断という事態になると、試合数はさらに削減されることになる。

 そうなってしまうと、坂本の今シーズン中の2000安打到達さえ危うくなってくる。

 なお榎本以降、2000安打の年少記録は以下の通り。

 張本勲(1972年)32歳2カ月
 土井正博(1977年)33歳6カ月
 立浪和義(2003年)33歳10カ月
 王貞治(1974年)34歳2カ月

 

 

 坂本は今シーズン中に到達できれば、張本を抜いて史上2番目の若さで2000安打を打ったことになる。また、榎本、張本の2人は左打者。右打者では土井を抜き、史上最年少での到達となることは揺るがなそうだ。

 坂本のケースでは通算記録、それも年齢が加味されたもので、記念碑(マイルストーン)的な記録の意味合いが濃い。ただシーズンの短縮が決まってくると、シーズン記録に関する取り扱いも今後、議論する必要があるだろう。

 例えば本塁打王。試合数が大幅に減り、10本台でタイトル獲得、などのケースが出れば、他のシーズンとのタイトルの兼ね合いに問題が生じてくる。2桁に満たない最多勝なども同様である。

 厳しい条件が近年の野球にマッチしない、と指摘されている沢村賞は、その最たる例。143試合戦った昨年でさえ、完投数など規定に満たない項目が多く、該当者なしに終わった。短縮確実な今シーズンは、2年連続の該当者なしとなることが規定路線化しつつある。

 野球は記録のスポーツともいわれる。長い年月かけて積み上げてきたその記録の価値が、新型コロナウイルスの蔓延によって揺るがされる事態となっている。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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