国際スポーツクライミング連盟(IFSC)は4月30日、三者委員会招待割当の再配分により、新たに男女1名ずつの東京五輪内定者が誕生したと発表した。

 東京五輪に出場できる男女各20名のうち、それぞれ16人目の内定者となったのは男子がイタリアのミシェル・ピッコルルアツ、女子がフランスのアヌーク・ジョベール。前者はボルダリング、後者はスピードを主戦場としており、ジョベールは2017・18年のW杯年間女王に輝いた実績を持つ。

男子の五輪内定者にはミシェル・ピッコルルアツ(イタリア)が新たに加わった。[写真:窪田亮]

 IFSCの発表によれば、三者委員会招待割当は3月末までに割り当てなければならなかったが、期限内に申請がなかったとして、4月末にその未配分枠を再配分する必要があったという。

 再配分する場合、世界選手権2019複合種目に出場し、現在五輪内定者に選ばれていない、かつ国別枠を満たしていない国の選手の中で最上位選手を選出することとなっており、男子14位のピッコルルアツ、女子11位のジョベールが切符を掴んだ形となった。

 しかし、この決定に五輪出場が断たれた選手たちからは複雑な声が上がった。東京五輪には各国から最大で男女2名ずつが出場可能だが、今回の再配分によりイタリア男子とフランス女子が満枠となった。10月に延期となった欧州選手権モスクワ大会での五輪内定を目指していたフランス女子のファニー・ジベールは自身のSNSで「本来、欧州選手権は三者委員会招待割当の前(3月)に実施される予定だった。でも、選手権が新型コロナウイルスによるパンデミックで延期になっても、割当は延期されなかった」と納得がいかない様子。

 イタリア男子のステファノ・ギソルフィは同じくSNSで「IFSCが十分な説明なしに決定し、戦わずに電話連絡で選考レースが終わってしまうとは、おかしな話だ」と戸惑いをみせつつも、「でも、大会が延期になるという不運に見舞われたので、受け入れる必要があるとも思う。今はポジティブに捉えて、また多くのプロジェクト(岩場)に取り組めることを嬉しく思っている。いずれにせよ、2人は五輪出場に値すると思う」とコメントし、最後は前向きな姿勢を見せている。

東京五輪 出場枠獲得選手

<男子>
1. 楢崎 智亜(JPN)
2. ヤコブ・シューベルト(AUT)
3. リシャト・ハイブリン(KAZ)
4. 原田 海(JPN)※
5. ミカエル・マウェム(FRA)
6. アレクサンダー・メゴス(GER)
7. ルドヴィコ・フォッサリ(ITA)
8. ショーン・マッコール(CAN)
9. アダム・オンドラ(CZE)
10. バッサ・マウェム(FRA)
11. ヤン・ホイヤー(GER)
12. パン・ユーフェイ(CHN)
13. アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)
14. ナサニエル・コールマン(USA)
15. コリン・ダフィー(USA)
16. ミシェル・ピッコルルアツ(ITA)

<女子>
1. ヤンヤ・ガンブレット(SLO)
2. 野口 啓代(JPN)
3. ショウナ・コクシー(GBR)
4. アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)
5. 野中 生萌(JPN)※
6. ペトラ・クリングラー(SUI)
7. ブルック・ラバトゥ(USA)
8. ジェシカ・ピルツ(AUT)
9. ジュリア・シャヌルディ(FRA)
10. ミア・クランプル(SLO)
11. ユリヤ・カプリナ(RUS)
12. キーラ・コンディー(USA)
13. ローラ・ロゴラ(ITA)
14. ソン・イリン(CHN)
15. アランナ・イップ(CAN)
16. アヌーク・ジョベール(FRA)

※出場枠獲得選手一覧はIFSCの公式サイト掲載リストに基づくもの。
※東京五輪に出場できるのは男女20名ずつ、各国最大男女2名ずつ。
※IFSCは原田海、野中生萌を日本人男女2人目の五輪代表内定者としているが、JMSCA(日本山岳・スポーツクライミング連盟)は選考基準の解釈が突然変更されたとしてそれを不服とし、スポーツ仲裁裁判所に提訴している。

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